表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真実を探せ  作者: いろは茶
9/35

第二章 情報屋、組織襲撃3

あすかが眉間にしわを寄せた。


「――なに?」


「これを見てくれ」


そう言って情報屋は立ち上がり、本棚から白いファイルを手に取った。その中から数枚の写真を取り出し、テーブルに並べていく。


「現象によって消された建物だけど、当時の現場写真がいくつかある。どの写真にも人だかりができているが、毎回、一人だけ同じ人物が紛れ込んでいる」


「同じ人物?」


橘は訊ねた。


「この人」


情報屋が人ごみの中を指さす。


人差し指が、黒いコートを着た女の上で止まっている。


探してみると、確かに、どの写真にも写っている。うん? 待てよ――橘は、この女の姿に見覚えがあった。


黒いコートを着た女。


昨日、橘が幻覚で見た人物とよく似ている。


情報屋が言った。


「現象が起きた場所を撮れば、かならずこの女が写っている。たまたまそこに居合わせたとは考えにくいし、偶然ではないだろう」


「……何か、理由がある」


あすかが腕組みして言った。


「現象と関係があるのか?」


「僕の見立てではそうだ。女は、おそらくこの現象の関係者」


「現象の関係者……」


橘は呟いた。


「断定はできないけど、この現象の正体を、もしかしたら知っているかもしれない」


「………」


なんだか、きな臭い話になってきた。


この現象に、人間が関わっているかもしれない。


――昨日の女は幻覚ではなかった?


「確かめるには、本人に直接聞いてみるしかないね」


そう言って、情報屋はテーブルの写真を回収する。


「ところで、他にも関連した興味深い話があるんだけど……」


と、外でインターホンが鳴った。


「客か?」


あすかが訊ねる。


「全く間が悪い……」


ポリポリと頭を掻いて、情報屋はだるそうに席を外した。





数分後、廊下で銃声が鳴った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ