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子宮内膜症とピルについて

ここで、「ピル」や子宮内膜症治療について解説しておこう。


「ピル」は、元々「丸薬」「錠剤」という意味である。

英語では「pill」。

正しくは、「経口避妊薬」であり、ピルは俗称である。

「経口避妊薬」は、英語で「contraceptive pill」といい、COと略されることもある。

ここでは、「ピル」と呼ぶことにする。


ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを含む製剤の総称で、色々な種類がある。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、どちらも女性ホルモンである。

このホルモンの働き等については、第17部を、参照されたい。


子宮内膜が自然に剥がれ落ち、血と共に洗い流される、のが月経である。

月経の期間中に、子宮内膜が剥がれ落ちるので、月経終了直後が一番子宮内膜が少ない状態になる。

子宮内膜症患者の場合、子宮内膜が他の場所で増殖してしまうため、子宮内膜が作られない状態を作ることが必要になる。


卵胞ホルモンは、月経終了から分泌され始め、一度急激に低下する。

この低下により排卵が起こり、その後また分泌量が増え、月経時には最低量になる。

つまり、卵胞ホルモンは2相性に分泌される。


黄体ホルモンは、月経終了から分泌され始め、排卵前後から急激に増え、黄体期中間でピークを向かえ、減少していく。

つまり、黄体ホルモンは、1相性に分泌される。

黄体ホルモンには、子宮内膜の増殖を抑える作用もあるため、この働きを利用した薬が子宮内膜症の治療に使われる。

黄体ホルモンそのものではなく、黄体ホルモン受容体(感知して信号を送るもの)を刺激する薬だ。

成分はジエノゲストであり、ディナゲストという商品名で治療に使われている。


月経が終わると、子宮内膜も増殖していく。

子宮内膜を作らせるのが、女性ホルモンなのである。

ホルモン分泌と子宮内膜増殖の経過を、重ねると、両方のホルモンが関わっていることがわかる。

外部から女性ホルモンを投与して、ある程度の女性ホルモンがある状態を作っておくと、「女性ホルモンがないよ」との信号が脳に送られない。

よって、自分で女性ホルモンを分泌しないため、子宮内膜の増殖が抑制される。

これが、子宮内膜症治療にピルが使われる理由である。

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