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手術3日目

手術3日目、朝の5時50分にトイレに行った。

生理のような出血は続いている。

外は真っ暗だった。

今日は天気が悪くて寒いようだ。

トイレの帰り、外を眺めて少し感傷に浸った。

世の中は、普段と変わらず動いてるんだよね。

世間から取り残されているような気分になる。

貴子は端の部屋だったので、廊下の端の小さい窓から外を眺めることができた。


6時になっても、検温に来る気配はない。

おかしいな。。。

あ。

思いついた。

今日は土曜日なのだ。

市立病院なので、土曜日は休日体制なのだろう。

スタッフの人数が少ないのだ。

ベットで横になっていることが苦痛で、朝の身支度をすることにした。

6時過ぎているので、そこまで迷惑ではないだろう。


洗顔、化粧水、保湿クリーム、日焼け止め。

朝の日課をこなす。

6時40分になって、ようやく看護師が来た。

いつもの体温測定、血圧・脈拍測定に加え、採血があった。

2本とられた。

診察はたぶん午前中だが、時間はわからないとのことだった。

「今日術後はじめてシャワー入れるんですけど。午前中に予約入れたら、診察とかち合ってマズイですか?」

「うーん…。いいですよ。シャワーに行ってたら、行ってたで」

いたずらっぽい笑みを返した。


朝食は、白米、のりごまふりかけ、白菜のレモン和え、豆腐とかいわれ大根の味噌汁、ヨーグルト。

今日は渡さんが退院する日だ。

渡さんは人懐っこい人で、食後にチョコをくれたりした。

「1人で食べたら太るけど、みんなで食べたらおいしいでしょ?」

恐縮してるとそう言って笑っていた。

渡さんがいなくなったら、寂しいな。

今のメンバーの中ではムードメーカー的存在でもあった。

貴子が入院して知り合った人で退院する初めての人だったから、寂しい想いも強かったのかもしれない。

今日も、みんなで和気藹々と朝食をとった。


朝食が終わって部屋に戻り、日記を書いたりメールを書いたりしていた。

貧血予防にヘム鉄を飲む。

昨日下痢をしたので、酸化マグネシウムは飲まないことにした。

歯磨きをして、直人からきたメールの返信を送った。


貴子の予約の前の時間は予約が入っておらず、使って良いと看護師からお許しが出たので、早めにシャワーに入った。

1コマ20分。

空いていれば2コマとって良いと言われ、2コマ予約とっていたので3コマ分使える。

3個まで60分。

1時間あれば、いくら体が思うように動かなくても、余裕だ。

余裕ができて、嬉しかった。

髪の毛は、全体の3分の1が抜けたんじゃないかと思うほど抜けた。

ショートカットにしてきて良かった。

途中、寒くてくしゃみしてしまい、一番下の大きい傷のところから出血したような気がした。


のんびり入るつもりだったが、お風呂場に時計がないのでやはり少し焦る。

出て、時計を見たら、予約時間が終わる20分前だった。

早いに越したことはない。

貴子が予約した次の枠は空いていて、その次の2コマは美子さんが予約をとっていた。

お風呂場にゴミ箱がないので髪の毛だけ取りにもう一度浴室に行く。

戻ってきたところで美子さんに「どうぞ」といってあげたかったが、この時点ではまだ美子さんとあまり話していなかったので声をかけに行きづらい。

カーテンはほんの少し開いていたが、迷惑かもしれないし、と思い留まる。

数分後、美子さんが出てきたので「シャワー行かれます?」と声をかけてみた。

「いいですか?」

向こうも、貴子が入り終わったか気にしていたようだ。

「どうぞ、どうぞ。シャワー使ったことあります?」

美子さんが首をかしげる。

「ないです」

「シャワーあまり出ないんです。湯船の蛇口からは結構勢いよくお湯出るので、併用して使うといいみたいです。シャワーだけだと寒くて風邪ひきますから」

上手く説明できたかわからなかったが、入ればわかってもらえるだろう。

「ありがとうございます」

にっこり笑って、準備に戻って行った。


美子さんはたぶん年下だ。

貴子と同じ日か1日前に入院しているので、貴子の隣のベットの患者が気が荒い患者だったことは知っているはずだ。

お互い、それなりに警戒している気がした。

同室患者と気まずくなったら、入院生活が辛くなる。

お互い、気持ち良く過ごしたい。


シャワー後の身支度を終え、トイレから帰ると、織田さんが声をかけてくれた。

「さっき、看護師さんが探してましたよ」

診察に呼びに来たのだろう。

織田さんにお礼を言って、ナースステーションに行った。

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