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手術翌日午後

卵巣嚢腫の手術の翌日、午後の様子です。

昼食を食べ終わり、箸セットを病室に置き、トイレに行った。

点滴がついているので、障害者用トイレである。

ん?

出血していた。

生理には早いが、生理初日のような出血の仕方である。

貴子の生理は、少し出血した後、膜のようなものが一緒に出てくる。

最初の頃と最後の方は、茶色っぽい血が出ていることが多かった。

今回は、それに比べると、鮮やかな鮮血である。


生理は12月上旬にきている。

まだ約2週間しか経っていない。

普通に考えたら、生理のはずがないのだが。。。

手術のせいかもしれない。

手術した際の傷から出血しているのか、手術の刺激で生理が早まったか、どちらかだろう。


部屋に戻り、歯磨きをした。

自分で歯磨きできるってスバラシイ。

やっぱり自分で動いて身のまわりのことは自分でしたい。

今までそんなことは考えたこともなかった。

人間、なったことのない立場の考えは、実際立ってみないと考えつかないものだ。


やることもないし、何となくボーっとしているのでテレビをつけた。

少し観ていると、またトイレに行きたくなる。

また出血と共に膜のようなものが出ていた。

生理なのかなー。

部屋に戻り、テレビの続きを観ていたが、20分ほどするとまたトイレに行きたくなった。

少量だがまた出血していた。


ベットでテレビを観ていると、今日の担当の男性看護師が入ってきた。

「生理みたいな出血があります。あと、なんか、ちょっと前から左肩が痛いんですけど」

看護師の説明だと、出血は尿の管を抜いたことによるもので、次第に出血しなくなる、肩の痛みは手術時に腕を伸ばされていたからかも、とのことだった。

手術のとき、腕を伸ばされ90度に開いているらしい。

そんな格好をしていたとは知らなかった。

全く覚えていない。

「元々肩こりがあったからかもしれないです」

何となく違う気がしたが、一生懸命なので、わかったふりをしておいた。

その後、何回かトイレに行ったが、やはりたまに出血し、血の鮮やかさは異なったが出血の仕方は生理とそっくりだった。


14時過ぎに、お向かいのベットに人が来た気配がした。

今日入院の患者のようだ。

お向かいの患者の様子を盗み聞きしつつ、職場にメールすることにした。

”無事生還しました。順調に回復しています。またメールします”


15時過ぎに母親が到着した。

お向かいの患者さんが明日手術で忙しそうだったので、食堂に行くことにした。

30分ほど食堂で会話したり雑誌を読んだりし、母と別れ、ベットに戻る。

手術翌日なので無理しない方がいいだろう。

しかし、トイレに頻繁に行きたくなる。

30分毎に行っているかもしれない。

そう言えば、食事は完食しているしお湯も自発的に飲んでいるのに、点滴は食事が取れない人と同じ量だ。

そりゃぁトイレに行きたくなるわ。水分過剰摂取だもん。

トイレに行きたくなる理由はわかったが、自分ではどうしようもない。

成分を見ると電解質の点滴である。

必要なければ外に出て行くし、摂取して悪いものでもない。

ま。いっか。

とりあえず放っておくことにした。


16時過ぎると、お腹がすいてきた。

お菓子食べたい。

ちゃんと入院用荷物に、チョコレート、チョコチップクッキー、のど飴、を入れてきてある。

ちょうど入ってきた担当看護師に、食べていいか聞いてみた。

「確認しますね」

そう言って出て行ったきり、音沙汰なく、結局我慢した。


17時40分過ぎに別の女性看護師が来て、検温・血圧測定を行った。

体温計は37.9度と出ている。

えー!

熱出ちゃった!

確かにさっきからなんかからだがだるいとは思っていた。

平熱は生理が始まると36度をきるが、低温期は36度2~3、高温期は36度4~7だった。

「クリスマス会には行きますか?」

看護師は能天気に聞いてくる。

行かないよっ。熱出てるじゃんっ!術後無理したら命に関わるよっ!

「たぶん行かないです」

心の中で叫びながら、笑顔で答える。

貴子も、大人である。

もしかしたら、この看護師の子供が出るのかもしれない。

この病院の保育所の保育園児が踊ったりするようだ。


夕飯は、全粥、肉ソテーのワインソース掛け、サラダ、春雨コンソメスープ、みかん。

完食した。

食堂から点滴台を押してノロノロ部屋に戻っていると、途中で看護師さんに出会った。

ちょうど良かった、というような表情をしていた。

「点滴終わりますね。換えちゃいます。ちょっと待ってて下さい」

「はい」

痛みがあるわけではないが何となく早く動けず、止まるのは大歓迎だが。

背中に硬膜外麻酔はまだ投与されているので、パジャマの胸ポケットに薬の液体の入った袋が入ったプラスチックケースを入れている。

これからまた点滴かぁ。

終わるの何時なんだろう。。。

18時は過ぎている。

看護師が戻ってきて、点滴を交換した。

点滴の目安をマジックで書き込んでいき、点滴終了時刻は…夜中の2時になっていた。。。

トイレで夜眠れないじゃん。熱あるのにぃ。。。


ガッカリしながらトイレに行く。

本日11回目である。

夕飯時も熱っぽく、傷のところが何となく痛い気がした。

その後はベットに横になって、テレビを観たり、うたた寝をしたり、ラジオを聴いたりしていた。

20時20分過ぎに14回目のトイレから帰ってきてパットを交換した。

出血しているので少量だがパットの血液がついていた。

お風呂に入れないけど、パットくらい交換しておこうと思った。

ふと、点滴を見ると、目安のスピードより遅れているようだ。

少し迷ったが、自分で点滴スピードを上げた。

早くし過ぎてしまうのは体に危険だったが、大丈夫な範囲内だと判断した。

自分の体だし、何よりも、夜ちゃんと寝たかった。

ノロノロとしか動けないのにトイレに起きるなんて嫌だった。


22時からは、テレビドラマ「結婚しない」の最終回を観た。

このドラマは初回からほぼ完璧に観ていて、今日の最終回を観ることは目標にしていた。

ドラマを観終わって寝たが、トイレで何回も目覚めた。

3食きちんと食べている上に、点滴である。

そりゃぁトイレに行きたくなる。


1時過ぎに点滴が終わったようで、ふと気づくと看護師が入ってきた。

点滴の針を残したまま、点滴を外してくれる。

血が固まらないよう、針につながっている短い管にヘパリンを注入し、伸縮包帯で手首に巻きつけてくれた。

身軽になり、眠りに落ちた。

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