術前検査
術前検査の様子です。
その後2日ほどは、たまに腹痛を感じたが、ひどい痛みではなかったのでそのまま過ごした。
鎮痛剤はあまり効かなかったが、気休めのためたまに飲んでいた。
そうこうしているうちに、術前検査の前日になった。
その日は忙しく、昼休みに携帯をチェックする暇がなかった。
家に帰ると、見慣れない番号から着信が入っており、留守電が入っていた。
ん?
もしかしたら病院?
留守電を聞く。
市立病院の婦人科からだった。
もし手術を決めたなら明日は昼ご飯を食べないで来るように、と伝言が入っていた。
時間が時間なので、かけ直すことはしなかった。
翌朝、職場に着いた頃に携帯が鳴った。
見ると、昨日アドレス帳登録した市立病院と表示されている。
「もしもし」
出ると、貴子であるか確認され、手術を決めたか聞かれた。
「お願いします」
もうここまできたら、答えを先延ばしにする必要はない。
キッパリ答えた。
術前検査をするので昼食は食べずに来るように、とのことだった。
親切ね。。。
「あの。早めに行って術前検査受けてもいいですか?終わったら、ご飯食べたいんですけど」
「…えーっと。…診察予約は3時ですね…」
「はい」
「いいですよ。検査は空いていればできます。終わったら食事をとって、3時までに受付に来て頂ければ構いません」
やったー。
「わかりました」
電話もらって良かった。
午前中仕事して、3時過ぎまで何も食べないなんて、貴子には無理である。
仕事を終えて、病院に向かう。
かなりお腹がすいていた。
貴子は必ずといっていいほど、仕事中にお菓子を食べていた。
途中で食べないと頭の回転が鈍るのだ。
薬剤師の職業は、それなりの集中力と頭の回転が必要である。
処方箋に書かれた薬を揃えて出すだけのように思えるかもしれないが、色々とチェックすること、配慮すること、は多い。
その日は術前検査があるから、とお菓子を控えた。
血糖値が高く出てしまって、前日午後入院を認めてもらえなかったら大変だ。
仕事に支障をきたしてしまう。
頭働かないよーと思いつつ、何とか仕事を乗り切った。
糖分補給しない仕事は、結構辛かった。
病院について、婦人科の受付を済ますと、1階の中央検査室へ行くように言われた。
中央検査室に行くと、貴子の名前が書かれた採尿用紙コップを渡され、検査室横のトイレに行く。
トイレの中は、採尿しやすいように紙コップを置く場所がついていて、楽だった。
トイレのスペースにある紙コップ置き場に採尿した紙コップを置き、検査室に戻った。
採血すると言われ、部屋へ通される。
以前採血した部屋だった。
以前は患者でごった返していたが、今日は1人しか患者がいない。
すぐ通された。
「今日は6本です」
「6本??」
思わず声を上げる。
ひゃー。貧血になりそう。
6本と言っても、合計して100mlもとられない。
その量で貧血になることは物理的には考えにくいが、精神的にくらっとするのだ。
まぁ最近は図太くなってきたので、そういうことはなくなってきたが。
採血が終わると、止血時間の測定をすると言う。
「いつもは、他の部屋でやるんですけど、今は空いてるのでここでやっちゃいますね」
方法を聞くと、貴子は座ったままで耳たぶの一部を切って止血時間を測定すると言う。
「じゃぁ始めます」
少しの痛みが耳たぶに走る。
担当の看護師らしき年配女性は、ストップウォッチを見ながら、時々貴子の耳の血を拭いていた。
あとで調べたが、デューク法というらしい。
一般的には、2分から5分と言っていた。
貴子は一般的な範囲内だったようだ。
終わると、胸部CT検査のため放射線検査室へ行くように言われた。
放射線検査室は、以前MRI検査を受けたところだ。
ドアが連なっており、CT用のドアが開き、中から出てきた中年男性に名前を呼ばれた。
放射線技師だろうか。
身につけている金属は全て外し、病衣に着替えるように言われる。
MRIのときとは違う病衣だ。
貴子は検査用に今回もスポーツブラを着用してきた。
ズボンさえ脱げば、検査できるように服も選んできたが、何となく心配なのでカットソーも脱いで病衣を着た。
MRIと違って今回はCT検査、X線である。
健康上問題ない量とは言われているが、被爆する。
不必要に受けない方が良い検査だ。
神経質な貴子は、職場検診でもX線検査は数年に1回にしていた。
服のせいでもう1回なんて嫌だもん。
あごの位置を調整され、指示されたところを手でつかみ、言われて大きく息を吸い込み息をとめる。
「いいですよ」
言われて息を吐く。
着替えを済ませて、お礼を言って更衣室に入った。
更衣室が入り口とは違うドアにつながっていて、着替えを済ませたらそのまま出て行って良い作りになっていた。
ふーん。これ、すごい便利。
CTを終え、中央検査室の受付に戻る。
名前を言うと、奥の部屋へ案内された。
心電図検査をすると言われ、カーテンで仕切られたスペースに通された。
ベットに横になるように言われて、靴を脱いで横になる。
胸部を出すように言われ、下着をずらす。
担当が女性で良かった。。。
胸部に斜めに4箇所、足首、手足に何か装着される。
しばらくすると、ジーっと機械が何かを印刷した。
どうも心電図が記録されたらしい。
患者が緊張しないよう、いつ測定したのかわからないように作ってあるのかもしれない。
装着された器具が外され、服を整えたら出てくるよう言われる。
適当に整えて、カーテンを開けると、5メートルくらい離れたところの椅子に腰掛けるように言われた。
ホースのようなものがつながった機械が置いてある。
結構慌しいわね。。。
荷物をつかんだまま移動し、腰掛ける。
肺活量の検査をすると言う。
ちょっと落ち着きたいのに、と思いつつも、病院にペースは握られている。
仕方ない。。。
患者は他にはいないし別に慌てる必要もないのだが、何となく作られたペースに乗ってしまおうという気持ちになっていた。
言われて、ホースを握り、説明を受ける。
口にくわえて、合図で息を勢いよく吸い込み続け、その後合図で息を勢いよく吐き出し続けるように言われる。
意外とホースの口は大きかった。
くわえると隙間ができない。
なるほど。これなら、確かにちゃんと肺活量が測定できる。
ホースを口にくわえてパソコンを見ると画面に小さないびつな円が描かれている。
今の貴子の呼吸量だろう。
その画面を見ながら、担当の女性が言った。
「はいっ!吸って下さい」
はいぃ~っ。
言われて、勢いよく吸い込む。
うぅ~。
もう吸えないぃ~。
「はいっ。吐いて下さい」
はいぃ~っ。
勢いよく吐く。
もうダメ~。
「はいっ。いいですよ」
ほぇぇ~。
ゼイゼイ…。
バテた…。
「あー苦しかった」
思わず声に出す。
ちょっと興奮状態である。
アドレナリン出たな。。。
お礼を言って検査室を後にした。




