手術すると決めたものの
手術すると上司に伝えたものの、迷いがまだあり、悩みますが、客観的情報を得たことにより意志を固めます。
あーあ。
決めちゃったよ。
仕事を終え、自宅に向かって車を走らせる。
途中、ドラッグストアに寄ってきた。
ポイント2倍デーだったのだ。
こういうところはしっかりしていた。
何となく、いつもは買わないスイーツを買っていた。
20円引きだったこともあるが、何となく興奮していた。
手術を決めた興奮のためケチな性格が解放されたようだった。
貴子が好きなチョコレートケーキと、母親が好きなモンブランを買って帰った。
帰宅して、お弁当箱を洗い物用の桶に入れる。
夕飯の支度をしていた母親にいつもの帰宅の挨拶をした後声をかける。
「なんか、外堀埋まっちゃったって感じで。手術することにしちゃった」
「そうなの?えー。手術?」
母は驚いていた。
「昨日はお母さんだって手術したらって言ってたじゃん」
ちょっと茶化して言い、2階の自室で着替えを済ませ、夕飯の支度に加勢し、経過報告した。
貴子自身まだ迷いもあることも伝えた。
あとは自分で迷いをなくすだけだ。
自分の問題、そう自分に言い聞かせた。
自分の意思で自分の体にメスを入れることになる。
後悔はしたくない。
勢いで買ったチョコレートケーキとモンブランはあまりおいしくなかった。
夕飯を終え、パソコンを開き、直人に報告メールをしブログの更新をする。
それからまた経験者のブログや婦人科のHPに何となくアクセスする。
しかし、あまり参考にならない。
今の貴子と全く同じ状況の人はいない。
客観的な情報が必要かな、と思った。
そうは思ったものの、どうすべきかわからず数日は悶々と過ごした。
そんな日々の中、ふと、思いついた。
そうだ。
本屋に行こう。
専門書を読もう。
思いついて、次の日曜日に電車に乗り1時間ほどかけて県庁所在地の本屋に出かけた。
県内では1,2を争う大きさのはずの本屋があるし、それなりの大きさの本屋が他に2つある。
ここになければ隣の県に行こうと思っていたが、その必要はなかった。
さすが県庁所在地。
医師向けの本が置いてあった。
腫瘍マーカーの数値による悪性腫瘍の頻度や、治療の選択肢、等、客観的に書かれていた。
また、手術の仕方や気をつけるべきこと、癒着の頻度が高い場所、発生頻度、等も書かれていた。
元々理系頭脳で一度は医師を志したことのある現役薬剤師だからこそかもしれないが、スーッと楽になった。
主観を捨て、自分の状況を客観情報に当てはめる。
情報がかなり客観的だからこそ、こちらも主観を捨て落ち着いて当てはめることができた。
30代で貴子の腫瘍マーカーの数値だと悪性の可能性は2%以下。
可能性は低いがゼロでなはい。
癒着の可能性もある。
手術すべきだろう。
貴子の意思はほぼ固まった。
帰りの電車の中で、直人に報告メールをした。
勉強ってこうやってするんだな。
そんなことを思った。
本屋に行った際、日本子宮内膜症協会から出版されている本もパラっと立ち読みした。
以前から気になっていた本だ。
出版年月日が古いため、買うのをためらっていた。
読んでみて、ピルが保険適用になっていないと書かれている(今は保険適用になっている)等、古い情報が多かったが、参考になる情報の方が多かった。
自宅に帰って、ネット注文した。
前回買った本は中古で注文したが、今回は新品のものを注文した。
出版年月日が古いため、刷り直しがされていて、一番新しいものは11刷になっている。
もしかしたら中身が変わっているかもしれない。
それに、この本に関しては、内容が充実しているため、定価で買って作者に敬意を評したい気分だった。
この本は、読むのに1週間ほどかかった。
仕事で読む時間があまりないこともあったが、内容が充実しているため、自分の頭で理解するのに時間がかかるのだ。
スーッと読めない本だった。
内容は、かなり参考になった。
貴子は、半年に1回くらいのペースで3回ほどカンジダになったことがあり、ネット情報でウォッシュレットのビデの使用を控えたところカンジダにならなくなったのだが、その理由もさらっと書かれていた。
内膜症の原因と考えられるもの、患者の傾向等も、研究レベルではあったが書かれていて、とても参考になった。
ピルの誤解も解けた。
貴子自身は子宮内膜症かもと言われて精神的ダメージはあまりなかったが、かなりの精神的ダメージを被る人が多いらしい。
そういう人には、オススメの本だ。
精神的に楽になるだろう。
ネット購入した2冊の本を読んで知識もそれなりに得て、手術することに決めたものの、手術に対する恐怖心はなくならない。
怖いなー。
手術…。
したくないけどね。。。
そういえば…。
ふと、気になったことがあった。
いつから入院?
手術日は聞いたが、入院日は聞いていない。
あれ…。
手術日に入院?
もし前もって入院するなら、また頼まなくてはならない。




