表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/73

手術?

MRI検査の結果と血液検査の結果から、いつかは手術することになるかもしれないことがわかります。

手術するべきなのか、悩みます。

ついに貴子の診察の番になった。

エコー検査があるかもしれないので、一応スカートを履いて来ていた。


診察室に入ると、愛子先生がパソコンを見ていた。

「早速ですが。これがMRIの画像です」

言われて、パソコン画面を覗き込む。

「今現在一番大きいところで、5センチ欠けるくらい、ですね。画像からはチョコレート嚢腫と思われます」

カーソルを合わせると、長さが測定されるようになっていて、4.8センチ程度のようだ。

ん?思われます?まだはっきりわかんないの?

「で。こちらが血液検査の結果です」

病状、治療についての説明書、と書かれた用紙を渡された。

病名は、左卵巣腫瘍 5cm大、と書かれていた。

上から先生が読んでいく。

術前確定診断はできず、8割方の予測をつけることしかできないこと、悪性の可能性もあること、一般的に5-6cm以上のサイズになるものは手術が勧められること、等書かれていた。

その下に、3種類の腫瘍マーカーの検査結果が書かれていて、1種類が基準値をオーバーしていた。

えー!悪性ってこと??

「この1種類は、子宮内膜症だと基準値をオーバーしますので、この値が大きいから即悪性というわけではありません」

愛子先生が赤のボールペンで”内膜症だと数値が大きくなる”と書きこんだ。

なーんだ。でも…。

「悪性の可能性もあるんですよね…」

卵巣嚢腫はごく一部だが悪性の場合があるといわれている。

「画像からすると悪性の可能性は低いですが、可能性としてはあります。でも、良性の可能性が高いです」

医師は良性と思っているようだが、可能性が残っている以上言い切れないのだろう。

「良性と言っても、治療の必要はあります。治療として…」

説明書を読み進めていく。

手術について書かれていた。

…手術、ですか…。

手術になるかも、とは思っていたが、現実的になると不安になった。

愛子先生は淡々と説明を続けていく。

腹腔鏡手術と開腹手術について図が書かれていた。

腹腔鏡手術の場合は7-8日くらいの入院、開腹手術の場合は11-12日くらいの入院になる、とのことだった。

腹腔鏡手術の場合でも、途中で開腹手術に移行する可能性があるとのことで、実際お腹の中を見てみないとわからないと言われた。

「で。具体的な治療なんですが」

説明書を読み終え、愛子先生が貴子の目を見る。

「しばらくは内服で様子をみていいと思います」

そう言って、説明書の空いた部分に内服の種類を書きこんでいく。

痛みを抑える対処療法(原因となっている病気自体は治さないがそのときの症状を押さえる治療)として

鎮痛剤、内膜症を抑える治療としてホルモン剤があること、そしてホルモン剤の種類や副作用を説明された。

愛子先生は数ヶ月のピル服用を勧めると言う。

ピルかぁ。

貴子はこの時点では、ピルではなく黄体ホルモン製剤を服用したいと思っていた。

ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモン両方が入った薬である。

この時点では貴子は子宮内膜を増殖させるのは黄体ホルモンだから黄体ホルモン療法を受ければ良いと思っていた。

卵胞ホルモンは骨密度を低下させることがあると思っており、大学時代に温泉で無料の骨密度測定をしたところ要注意判定だったので、気になっていた。

後々、この理解が誤っていたことを知るのだが。


ピル服用は不安があることを告げた。

「ところで、手術って一番早いといつぐらいになるんですか?」

ためしに聞いてみよう、という感じで聞いてみた。

「オペ表持ってきて下さい」

愛子先生が素早く看護師に指示する。

えーっと。そこまで本気じゃないんだけどなー…。

「今ですと…。12月19日が一番早いです。一応予約しておきますか?」

「えー。今は決められません。ちょっと聞いただけです」

貴子は困惑した。

手術になるかもしれないとは思っていたが、まだ先の話だと思っていたし、手術自体が怖かった。

「そうですよね。でも、キャンセルはできるので。いつぐらいまでに決められます?」

「えー。いつぐらいって…」

パニックである。

「そうですよねー。えーっと。術前検査があるので…。2週間、あれば決められます?」

それなら大丈夫だ。キャンセルしても良いんだし。予約を取っておくのは不利にはならない。

「大丈夫です」

「では…。次の予約までに考えておいて下さい」

次の予約日の相談をした。

最後に愛子先生が念を押すように言った。

「全然、今手術しなければいけない、とかって状況ではないですからね。薬で経過観察している患者さんもいますし、かなり大きくても家庭の事情で手術できないって方もいます。まぁいずれ考えなければいけないかもしれない治療、という感じで。今回キャンセルして頂いて大丈夫ですからね」

返事をし、お礼を言って診察室を出た。

ひゃー。手術…。


そのまま総合受付に向かう。

手術…。

怖いなー。

その日まで手術に対して怖い、という感情はなかったが、現実味を帯びてくるとやはり恐怖を感じた。

手術なんて病気になれば普通なんだろうけど。

やっぱ怖いなー。

麻酔が体に合わないって可能性だってあるんだし。

でもなー。癒着してるかもしれないし。。。

貴子は癒着が気になっていた。

子宮内膜症は臓器が癒着していることが多い。

癒着している場合は手術ではがすのが良いとされていた。

貴子と同じくらいのサイズで手術に踏み切り癒着していたから手術して良かったというブログを読んでいて、気になっていた。


会計を終え、車の運転をしながらまた考える。

悪性の可能性、癒着の可能性もあるんだし、やっぱ早く手術した方がいいかな。

ひゃー。

とりあえず、結果報告に薬局寄ろうっと。

職場に向かって、車を走らせた。

誰かに話したい気分だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ