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いざ、検査へ

MRI検査の日を向かえ、病院へ行く様子です。


***********

この話は書いたはずだったのですが、アップされていないようなので、書き直しました。

ようやくMRI検査の日が来た。

やっと検査を受けられる。

現実を直視することになることに対して恐怖感はあったが、検査を受けてはっきりさせたい想いの方が勝っていた。

「今日、ようやくMRI検査を受けられるんです」

職場で聞かれてもないのに、口をついて出た。

早くはっきりさせたい。


午前中の仕事を終えると12時過ぎだった。

今日はわりと早く終わった。

調剤薬局の業務は、近くのクリニック(業界では門前クリニックという)の外来患者に左右される。

今年の4月から制度が変わり、門前にあわせて休憩や休みをとると、会計が少なく計算されてしまう決まりになっていたが、診療が終わると門前の事務が電話で連絡をくれていた。

人間なので、昼ご飯を食べなければお腹がすくし、休みをとらなければ午後集中力を保てない。

門前以外から患者が来ることは少ないので、門前に合わせて昼休みをとるようにしていた。

今日は12時過ぎに、クリニックの事務から「終わりです」と連絡が来た。

これから昼休み。

貴子は今日は午前中のみの仕事なので、あがって良いことになる。

「お疲れ様でーす」

浮かれた気分で薬局を出た。


病院に着いたのは12時半過ぎだった。

検査は3時からだが、時間厳守で30分前には婦人科の受付を済ませるよう、言われていた。

駐車場に車を停め、総合受付横にある再診受付の機械で受付を済ませる。

今日の診察番号が印字された紙を受け取る。

さ。これで一安心。

この受付をしておけば、病院側はパソコンで確認すれば貴子が再診受付を済ませたことがわかるはずだ。

何かあれば、アナウンスで呼び出してもらえる。

安心して、食堂へ向かった。


食堂で食べるのは蕎麦、と決めていた。

貴子は特に蕎麦好きなわけではない。

しかし、1人で外食をする際には蕎麦を食べることが多かった。

実家暮らしとなると、そこまで食べたいものを食べたいときに食べることはできない。

35歳にもなると親といえども遠慮はするし、わがままを言うのは引け目がある。

貴子は大学4年までは実家暮らしだったが、その後1時期家を出ていた。

一度家を出ると、親のありがたみや日常家事の大変さが身にしみる。

いい年をして実家暮らしという引け目もあり、自然と遠慮するようになっていた。

貴子ぐらいの年齢になると、介護や親の健康不安で実家に戻ってくるケースもあるようだが、やはり少数派。

同級生はほとんど結婚して実家を出ており、貴子の少ない交友関係の中では実家暮らしの独身は1人だけだった。

負の感情を持たれる方が多いかな、と思い込んでいた。


蕎麦を食べ終え、トイレでトイレと歯磨きを済ませる。

病院のトイレで歯磨きをするのは気が引けたが、歯は一生もの。

他の人が来ないうちに、と手短に済ませた。

トイレを出ると、13時過ぎ。

早過ぎるなぁ…。

そうは思ったが、早いに越したことはない。

婦人科に向かった。


婦人科の受付を覗くと、誰もいない。

お昼どきなので、手薄なんだろう。

置いてある呼び鈴を鳴らした。

出てきた看護師に、本日の診察番号が書いてある紙と診察券を渡す。

「今日はMRI検査だけなんですけど…。早過ぎました?」

「えーっと。紺野貴子さん…。検査は…15時からですねぇ。うーん。ちょっと早いかな…。空いてればやってくれるんですけどねー。ちょっと確認してみます」

「お願いします」

一度奥に引っ込んだ看護師がしばらくした後、出てきた。

「やっぱりちょっと早いみたいですねー」

「そうですよね。。。また後で来ます。14時半ちょっと前に戻ってくれば良いですか?」

そうとは思っていたが、あわよくば早く検査して早く帰ろうと思っていた。

やっぱ無理だったか。

看護師からそれで大丈夫と言われたので、婦人科を出て総合受付に向かった。

婦人科で1時間待つのは何となく落ち着かない。

お昼どきとはいえ、3人患者が座っていた。

これからどんどん増えていくだろう。


総合受付なら携帯電話使用可だしソファーも色々ある。

病院内は基本的には携帯電話の使用は不可になっていた。

そこまで携帯電話を触るタイプではなくまだスマホに変えていないくらいだったが、それでもやはり携帯電話を使ってはいけないと言われると何となく閉塞感を感じた。


総合受付に降り、居心地の良さそうな場所を探す。

外を向いているゆったりした1人掛けのソファーが3つ並んでいる場所があった。

あそこなら落ち着けそう。

おじさんが3つのうちの中央のソファーに座っていたが、害はなさそうなおじさんに見える。

精神疾患があったりで絡んできそうな患者の近くには座りたくなかった。


おじさんの右隣のソファーに腰掛け、薬局から持ってきた薬剤師向けの雑誌を取り出す。

待ち時間が長いと思っていたので、暇つぶしに持ってきていた。

そういうところはしっかりしている。

開いた雑誌に目を落としパラパラめくる。

数分後、何となく隣のおじさんを見ると、じっと1点を見て何か考え込んでいるようだった。

…ガンって告知された、とか、かな。。。

そんな気がした。

やっぱり、病院だから落ち着かないなー。

元々集中するのは苦手で、ファミレスで勉強できるタイプではなかった。

逆に、彼氏の直人はどこでも集中できるタイプで、貴子と二人きりでもたまに何かに集中していた。

女性なら気を悪くするのが普通の状況かもしれないが、貴子は父親がそういうタイプだったので、全然気にならなかった。


ふと時計を見ると、14時まわっていた。

婦人科行っちゃおっと。

何となく落ち着かなかったため、早かったが婦人科へ向かった。

きっとどこでも落ち着かない。

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