3という素晴らしさ
若干、史実に基づいた話。
あらすじ
「3というものは素晴らしい。」
酔いながら何度やったかわからない乾杯の音頭を取る。
10年来の3人の男の居酒屋での一幕。
酒に弱いのに調子に乗って飲むM。
どこかカッコをつけていてそこを指摘すると不機嫌になるO。
顔はハーフ顔で男前なのに影響されやすい残念な男、T。
作中彼らに関する細かい描写はないがそんな彼らの今までがなんとなく想像できる5分くらいの物語をどうぞ。
「3というのは素晴らしい」
Mは本日何度目かわからない乾杯の音頭の前説をしようとしている。
OとTは聞き飽きたよと言った様子で2人でうんざりした顔をしてブーイングを送る。
「うむ、みんなの言うことはもっともだ。3という数字は得てして1人が手持ち無沙汰になるのではないかというのは皆思うことだろう。」
そこで一つ咳払いを挟む。
「しかし考えてもみてほしい。2人で永遠に話し続けるだろうか?いいや、話さない。話題はいつか尽きるし話す体力も尽きるというものだ。」
Mはもう半分も酒が入っていないグラスを振り回しながら話し続ける。
「そこで3人というのは素晴らしいものになる!1人が疲れればもう1人が話し相手になればいいし、1人の話題が尽きればもう1人が話題を提供すればいい。」
OとTはもう話など聞いていない。
2人で別の話をして笑っている。
そんなことお構いなしにMは乾杯の音頭の締めに入る。
「そう!3人は素晴らしい!我らは3人だからこそ10年という月日を超えても未だ集まり続けることができる!これが2人だったら?4人だったら?全員が揃うことはなかったろう!さあ!今宵も3人の友情に…!」
感極まったようにそこで目を瞑り上を向く。
2人の目線を集めたことを感じるとMはパッと前を向き叫ぶ。
「乾杯!!」
「「乾杯!!」」
その声に遅れて2人も本日何度目かわからないがグラスをかち合わせる。
この3人の友情はいつまで続くかはわからない。
しかし、お互いがこれ以上の友とはもう会えないかもしれないと感じている。
たとえしばらく会わなくなったとしてもいつかこの3人は必ず出会うことになるのだろう。
それが3人の素晴らしさである。




