死ニ方用意
駄文です。アホな中学生が現実逃避しながら書いてます。
「この景色も今日で見納めか・・・」
私は今空母にある我が愛機である零式艦上戦闘機二一型の横で夕日を見ている。
いつも何気なく見ている景色だが、今日が最後となると何か特別なものに感じてしまう。
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私には家族がいる。厳しかった父も、今となっては感謝しかない。
妻と娘には申し訳ないことをしてしまった。
娘との、
「ぜったいにおうちにかえってきてね。そしたらまたいっぱいあそぼうね。やくそくだよ。」
という約束も、もう守りたくても守れない。
私は特攻隊に選ばれた。
今さら逃げられない。逃げたところで、もう家族には会えないだろう。
知らせを聞いた時はショックだった。私は家に帰りたかった。娘に、妻に、もう一度会いたかった。
しかしそれはかなわぬ願いだ。だから今は特攻は大切な人を守るために必要だと考えることにした。
「さて、別れの挨拶でもしてくるか。」
私はそう言って私は食堂に戻った。
仲間との別れは、案外簡単なものだった。
気づくと私は泣いていた。
仲間も泣いていた。予科練(大日本帝国海軍における航空兵養成制度の一つ)からの仲間はそっと私に酒をくれた。見つかれば罰則だ。ただ俺は、彼が俺のためにそこまでしてくれることがうれしかった。
彼は私に囁いた。
「後で飲もう」
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「逃げろ」
彼(佐藤 光一郎)は言った。
「え?」
いくら気心が知れた仲間とはいえ、こんなことをいうのは御法度だ。
「家族を悲しませるな。」
別に私はそれを考えなかったわけではない。
むしろそのことでは何度も何度も考えた。
「佐藤。そのことは俺も考えた。お前の言うことは正しい。
しかし俺は逃げるわけにはいかない。
家族のためにも、仲間のためにも。」
彼はしばらく黙った後、言った。
「わかった。ただ、犬死はするな。約束だ。」
そうして私の最後の夜は終わった。
こいつに乗るのも今日が最後か。
そういって私は発動機をかけた。
「じゃあな、佐藤。またあの世で会おうぜ。」
「ああ、向こうでちゃんと待っててくれよ。」
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「貴君等の活躍を期待している。
天皇陛下万歳!!」
雑音だらけの無線機から聞こえてきた声が滑稽に思えた。
「さて、日本の意地を見せてやるか。」
敵艦からの砲撃が始まった。