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第十話「王子の純愛と、はじまりの勇者」そのろく

『戒めの魔女』を封印するために、全ての神器を手に入れたユウキたち一行。魔女が封印された『アイスエッジ神殿』があるという北の大陸『ブレイド大陸』で、コズモ村の住人達の無事を確認したユウキたちは、雪山を超えてようやくアイスエッジ神殿に到着する。しかし、神殿の奥からは何度も地震が発生し、戒めの魔女は復活しようとしていた―――。


 戒めの魔女が封印されているという古代の神殿『アイスエッジ神殿』。

 ユウキ達5人は、地下に続く神殿の階段を慌てて駆け下りる。


「いい? 封印が解除されてしまったら、本当にマズいことになるわ!」

 走りながら叫ぶアイルは、最悪な状況を想定して冷や汗をかく。


「アイルお姉さん! あれ!」

 アマネが階段の向こうを指さす。





「あれは……」

 それは、地震の影響だろうか。神殿の床の石材が大きくひび割れ、ぽっかりと巨大な地割れのような大穴が空いてしまっていた。


「これは……さっきの地震のせい……?」

 ユウキは、ごくりと唾を飲みながら地割れの奥を覗き込む。


「……ねぇ、流石にコレ……()()()()()を想定したほうがいいんじゃないの?」

 ヒメコは、眉間にしわを寄せる。


「ええっ!? つまりこの穴……『始まりの魔女』があけたってコト!?」

 ミクルが言った。


「……だったら、迷ってる暇はない! この穴に飛び込んで、急いで封印の様子を確認しに行かないと!」

「この穴に……飛び込む、ってことね?」

 ユウキとアマネがそう言うと、5人は顔を見合わせて一緒に(うなず)いた。


「……行くぞ!」

「おう!!!!」

 5人は、一斉に神殿の床に空いた大穴に向かって飛び込んだ――――。




「…………」

 寒い。寒い。ここは、どこ?

 アタシは……


「いたぞ! みんな!」

 誰かが、この冷たい石室にやってくる。


「あれが……『戒めの魔女』?」

『戒めの魔女』……あたしのこと?


「マズイわね……あれが、戒めの魔女だとすれば……」

「何百年もの時を得て、戒めの魔女が復活しちゃった、ってコト~!?」

 金髪の魔法少女が叫んでいる。あれは、きっとあたしの『後継』の子たちで。

 ああ、だとするなら納得がいった。


 あたしは……負けたんだ。


「……ってことは……封印は……」

 アマネが驚いて少女(アタシ)に視線を向ける。そして……


「初めまして。今の時代の魔法少女(ゆうしゃ)の皆さん」

 あれから、何年眠っていたんだろう。きっと、アタシを知る人は誰もいない。

 ああ、神様たちと(チーマ)ならまだ生きてるのかな。


「貴方は……!」

 ユウキが、思わず問いかけてしまう。

挿絵(By みてみん)

「……『イヴ』。アタシの名は……ただの『イヴ』」

 そう名乗った白髪の痩せた少女は、本当に、見た目は10歳くらいのただの少女のようだった。(ふた)の空いた石造りの棺の上に立っている彼女は、ボロボロの麻の服をまとっていて、赤いリボンの髪飾りと、赤いボロボロの本。そして、奇妙なくまのようなぬいぐるみを持っている。本当に神々や魔王が恐れるような、世界を混沌に陥れる魔女だとは、ユウキ達はとても思えなかった。


「貴方は……本当にこの神殿に封印されていた、魔女なんですか……?」

 ユウキは、光の剣の切っ先を向けながら彼女に問いかける。


「ええ……信じられないのも、無理はないわ。 でも、あたしは間違いなく、あなたたち魔法少女が『戒めの魔女』と呼ぶ者。そして……」

 少女イヴは、すっと右手を掲げた。


「アタシが……正真正銘の『始まりの魔法少女』」

 次の瞬間、イヴの瞳がキッと光ると、真っ黒な光が石室全体に放たれた!


「危ない!」

 アイルが慌ててユウキの前に立ちふさがるが、謎の真っ黒い光のようなものは、ユウキたちの身体をすり抜け部屋全体に広がっていく。ユウキ達の身体には、何も起こっていないようだ。




「な、何をしたの!?」

 思わずアイルが叫ぶ。

「……『世界感知(ワールドサーチ)』。貴方たちと、この世界の人々の記憶を読み取らせてもらった」

 問いかけるアイルに向かって、イヴは落ち着いた口調でそういうと、持っていた奇妙なクマのぬいぐるみを胸に抱き寄せた。






「……『オルタナティブ・マジカル・ウェーブ』」

 少女イヴは――――『反転した変身の呪文』を唱える。






挿絵(By みてみん)


(今のは……変身の呪文!?)

 ユウキが身構える間もない、一瞬の変身だった。

 紫の光がイヴの全身を包み込み、()()()()()()()()()()()()


「…………驚いた? ごめんなさい。久しぶりに人に会えたものだから……ぜひこの姿をお見せしておきたくて」

 イヴは……『戒めの魔女』は、くすくすと笑っていた。

 紫色の魔法使いのようなローブの衣装に身を包んだ彼女は、さながらハロウィンでイメージするような魔女の姿になっていた。




「あ……あ……」

 魔法少女たちは、目の前の少女のステータスを確認して唖然とする。





『戒めの魔女『イヴ』 Lv.辟。譁吝ッセ謨ー ステータス:全てのステータスにおいてカンスト以上の数値が観測されたため測定不能』





「素敵でしょう? このドレス、まるでハロウィンみたい! ……ねぇ、お菓子は持っていらっしゃるかしら?」

 張り詰めた空気。一歩でも動けば、魔法少女たちは誰もが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 そんなユウキ達の前に、イヴはゆっくりと歩いていくと、ユウキのあごに指をあてた。


 イヴは、くすくすと笑ってユウキの耳元でささやく。


差し出せ、(Trick )お菓子か死を(or Treat)♪」



「ユウキを……!」

「やらせないわよ!!!!」

 次の瞬間、アマネとヒメコが左右から一斉にイヴの前に飛び出して、雷をまとった爪と火炎魔法でイヴに攻撃を仕掛ける!


「……冗談だったのに」

 イヴは、ぺろりと舌で唇を舐めると右手をヒメコに、左手をアマネに向けると、超強力な『重力魔法』でヒメコとアマネを石室の壁にズドォォォン!!!と吹き飛ばした!


「きゃああああああ!!!!」

「いやあああああ!!!!」

 ユウキが身動きする瞬間すらない、一瞬のことだった。


「今のは……『グラビドドン』……!」

 ボロボロになりながら、ヒメコが壁から立ち上がる。


「なんて威力の呪文……! それに、無詠唱で一瞬でこれだけの動き……!」

 アイルたちは、ごくりと唾を飲んだ。


「ええ……これで、わかったかしら? 貴方たちとは……『次元が違う』の。魔法少女(ゆうしゃ)の皆さん?」

 イヴは、さらに魔法の杖を召喚すると、地面に向かって雷を放ち、魔方陣を描き始める!


「な、何をする気だ!」

「……『キング・オブ・ゴブリン『パドラー』、LV.65』『サキュバス・クイーン『レディ・ミスティ』LV.68』『エース・オブ・ダークナイト『ヒンケル』LV.72』『ジャック・オブ・バトラー『フェゴレザード』LV.70』。レベルだけが高くて随分ステータスが低い。これなら、レベルマックスでも十分そうね」

 イヴは、ブツブツと何かを呟くと、魔方陣から闇色の瘴気が噴出してくる!


「あれは、まさか……」

「何かを召喚する気!?」

 ミクルとヒメコが叫ぶ。


魔法少女(ゆうしゃ)の皆さん。お迎えに来て下さったところ、申し訳ないけれど……アタシは、もう封印されるわけにはいかないの……この世界のために、『神々を滅ぼす』。それが、魔法少女『イヴ』の使命」

 イヴの杖が光ると、魔方陣の中から、真っ黒な魔物が次々に召喚された!


「あれは……」

「グルルルル……!」

「グゴオオオ……!」

 それは、真っ黒な影で出来た、ゴブリンの王パドラー、サキュバスクイーンのレディ・ミスティ・死霊騎士のヒンケル、悪魔執事のパドラーそっくりの影の魔物だった。


「貴方たちの記憶からコピーさせてもらったわ。この程度も倒せなきゃ、チーマは倒せない」

 イヴは、『悪魔の翼』を生やすと、羽ばたいて部屋を出て行こうとする。


「ま、待ってくれ! イヴさん!」

 ユウキが思わず引き留めるが、イヴは悠々とユウキ達の上空を飛んでいく。




「……一つだけ言っておくわ。シブト。ガンボイ、メタ、ブレイブ」

 イブは、振り返らずに言った。

 神器たちも、ピクリと反応する。


「……()()()()()()()()()()()()?」


『い、イヴぅ!』

 シブトが叫ぶ。だが、イヴはそのまま飛翔して天井の亀裂から外へ出て行ってしまう。




「くっ……! みすみす行かせてしまうなんて……」

「それどころじゃないヨ! この四天王たち、偽物だけどステータスは本物以上にヤバいよ!」

 アマネたちは、神殿の奥で今にも自分たちに襲い掛かってきそうな影の四天王と、神殿の外に行ってしまったイヴ、どちらを追うべきかまごまごしている。


「……そっか、シブトたちは元々、イブさんの仲間だったんだよね……」

『…………私も悲しい。あの時のことは、あの時のことは……』

 ユウキが話しかけると、ガンボイが言った。


『……時間がありません。一刻も早く、こちらの影の魔物をせん滅し、戒めの魔女イヴを追うことを推奨』

 ユウキがかぶっているメタが言った。


「で、でも……ライジング・レグルスがあるアマネちゃんはともかくとして、僕たちだけでこの影の四天王を全員相手にするには、時間がかかりすぎる!」

『そ~こ~で~? ……あ~しの出番ってワ~ケ! ほいユウキ、ちょっと失礼!」

 すると、聖剣ブレイブはひとりでにふよふよと鞘から出て浮遊すると、ユウキに向かって斬りかかった!


「う、うわあああああ!?!?」

 スパァン! と音がすると、ユウキの足元にバラバラ……と全知の兜のメタと、自由の鎧ガンボイ、聖盾シブトが床に零れ落ちた。


「……って、あれ? 斬られてない……」

 ユウキは恐る恐る目を開けるが、何も痛みはない。


「……って、ユウキ! それ!」

 アマネが指をさす。すると、ユウキはあることに気付いた。

 足元に落ちているメタ、ガンボイ、シブトを自分が持っているものとは、別物の武具だということに。


『さっすがブレイブ姉さん!』

『ナイスコピペだべ!』

 すると、シブトが2人になって喋り出した。



「じ、神器たちが増えたぁ~!?」

「は、はあぁ!?!?」

 ミクルたちが驚く。


『そ! あ~しが斬ったものは……あ~しの魔力を込めて斬ると()()()()()()()()()()()()! 切れ味がいいだけじゃなしってコト! 破壊の前に想像アリ! ってね! ……ってことでもういっちょ! うりゃうりゃ~!』

 聖剣ブレイブは自慢げにそう言うと、さらにユウキをズバズバ複数回斬りつける!

 すると、さらにシブトやガンボイたちが増えて床に転がっていく!


「すごいすごい! ってことは……」

『ああ! 全員で全員を装備できる、ってワケだべさ!』

『いざゆかん、魔法少女たちよ! いくぞ! いくぞ! いくぞ!』

『全員に同期後、全員の隠しスキルパネルを解放します』

『最後に、あ~しが自分で分身すれば……おけまる水産っしょ!』

 ユウキ、アマネ、アイル、ミクル、ヒメコたち全員に、全知の兜メタ、自由の鎧ガンボイ、聖盾シブト、聖剣ブレイブが自動で浮遊し、それぞれにひとりでに装備されていく!


「いくぞ! 皆!」


 ユウキ▼SP:12を使用し『素早さ+12』を習得しました!

 ユウキ▼SP:20を使用し『スリープ』を習得しました!

 ユウキ▼SP:16を使用し『防御力+18』を習得しました!

 ユウキ▼SP:220を使用し『リファイン』を習得しました!

 ユウキ▼SP:220を使用し『セイントバリアー』を習得しました!


 ユウキ▼ 隠しパネルが解放されました! 以降スキルパネルに新スキル220個を追加します!

 ユウキ▼SP:999を使用し同系統のスキルを収束し『魔法攻撃力+99999』を習得しました!

 ユウキ▼SP:550を使用し『魔法攻撃力+攻撃力を攻撃力(魔法攻撃力)に換算』を習得しました!

 ユウキ▼SP:2000を使用し『マジェスティック・ヴァルゴ』を習得しました!

 マジェスティック・ヴァルゴ使用時に自動で専用特技が自動習得されます!



 アイル▼SP:12を使用し『攻撃力+12』を習得しました!

 アイル▼SP:20を使用し『ガイア』を習得しました!

 アイル▼SP:16を使用し『賢さ+18』を習得しました!

 アイル▼SP:220を使用し『ハレルヤ』を習得しました!

 アイル▼SP:220を使用し『カッチン』を習得しました!


 アイル▼ 隠しパネルが解放されました! 以降スキルパネルに新スキル220個を追加します!

 アイル▼SP:999を使用し同系統のスキルを収束し『攻撃力+99999』を習得しました!

 アイル▼SP:550を使用し『属性攻撃の成功率99%アップ&属性強化ダメージ99999アップ』を習得しました!

 アイル▼SP:2000を使用し『アメイジング・リーブラ』を習得しました!

 アメイジング・リーブラ使用時に自動で専用特技が自動習得されます!



 ミクル▼SP:12を使用し『素早さ+12』を習得しました!

 ミクル▼SP:20を使用し『ブライド』を習得しました!

 ミクル▼SP:16を使用し『攻撃力+18』を習得しました!

 ミクル▼SP:220を使用し『ビジョン』を習得しました!

 ミクル▼SP:220を使用し『イリュージョン』を習得しました!


 ミクル▼ 隠しパネルが解放されました! 以降スキルパネルに新スキル220個を追加します!

 ミクル▼SP:999を使用し同系統のスキルを収束し『攻撃力+99999』を習得しました!

 ミクル▼SP:550を使用し『確定クリティカル+クリティカル時ダメージ倍率1000倍増加』を習得しました!

 ミクル▼SP:2000を使用し『シャイニング・スコルピオ』を習得しました!

 シャイニング・スコルピオ使用時に自動で専用特技が自動習得されます!



 ヒメコ▼SP:12を使用し『攻撃力+12』を習得しました!

 ヒメコ▼SP:20を使用し『ヒール』を習得しました!

 ヒメコ▼SP:16を使用し『賢さ+18』を習得しました!

 ヒメコ▼SP:220を使用し『ビーストブースト』を習得しました!

 ヒメコ▼SP:220を使用し『相手ダメージ時継続ダメージの呪い付与』を習得しました!


 ヒメコ▼ 隠しパネルが解放されました! 以降スキルパネルに新スキル220個を追加します!

 ヒメコ▼SP:999を使用し同系統のスキルを収束し『素早さ+99999』を習得しました!

 ヒメコ▼SP:550を使用し『攻撃力に素早さのステータスを上乗せする』を習得しました!

 ヒメコ▼SP:2000を使用し『レイジング・サジタリウス』を習得しました!

 レイジング・サジタリウス使用時に自動で専用特技が自動習得されます!



『さあ、魔法少女の皆さん。『強化変身』を解放してください』

 全知の兜メタが、自動でスキルパネルを解放し、魔法少女たちの秘めていたパワーアップを解放した!


「マジェスティック・ヴァルゴ!!!」

挿絵(By みてみん)

「アメイジング・リーブラ!!!!」

挿絵(By みてみん)

「シャイニング・スコルピオ!!!!」

挿絵(By みてみん)

「レイジング・サジタリウス!!!!」

挿絵(By みてみん)

「ライジング・レグルス!!!!」

挿絵(By みてみん)


「すごい……! これが……真の力を解き放った僕たち……!」

 ユウキは、まじまじと自分がさらに変身した姿を見て驚く。


「すごいすご~い! これなら、レベル99が相手でもラクショ~? ってカンジじゃない!」

「油断するんじゃないの馬鹿金ピカ。……でも、力がみなぎる!」

「ええ、いきましょう。強くなったアタシたちの……!」

「最強伝説の、始まりだニャン!!!」

挿絵(By みてみん)


「「「「「私たち、《真の五つの(ネオ・フィフス)奇跡の魔法少女(マジックヒロイン)》!!!!」」」」」




「グオオオオオ!!!!」

 すると、ついに影の四天王たちが攻撃を仕掛けてくる!影の(シャドー・)フェゴレザードが、巨大な拳を振り上げてユウキに襲い掛かる!


「シブト!」

『がってんしょうちだべ!!!」

 ユウキは、シブトでフェゴレザードの拳を受け止めると、聖剣ブレイブを構える!


「『フレイミングファイアスラーーーッシュ!!!!!』」

『うりゃあああ~~!!!!』

 次の瞬間、ユウキは目にもとまらぬ速さで影の(シャドー・)フェゴレザードを斬りつけると、三つに切り裂いた!

「グオ……?」

「『セイント・キャノン!!!!』」

 斬り裂かれたことにも気づかないままの影の(シャドー・)フェゴレザードに、ユウキは右手で光の波動を放つと、影の(シャドー・)フェゴレザードを一瞬で粉々に消し飛ばしてしまった!





「グゴオオオ!?!?」

「ギゴゴゴゴ……!」

 影の(シャドー・)パドラーと影の(シャドー・)ヒンケルが、同時に黄金の鎖にグルグル巻きにされて、身動きが取れずにいる!


「にっしっし! ボクの『スコルピオ・チェーン』はどう? 身動きできないでしょ?」

「グオオオオ……!」

 パドラーとヒンケルが、黄金の鎖を力任せに引きちぎろうとするが、まったく千切れる様子はない。


「そのまま抑えてなさい! 『レイジング……サジタリウス・アロー』おおおおおお!!!!」

 ヒメコは、背中に背負った『天馬の弓』を引き絞ると、強力な呪力を込めて一斉に矢を放った!

 放たれた超強力な闇魔法と重力魔法が付与された6本の弓矢は、バチィン!と影の(シャドー・)パドラーと影の(シャドー・)ヒンケルの肩や脚、腹に突き刺さると、そのまま大きな穴を空けて肉を骨ごと消し飛ばしていた!


「とどめニャン! ……『メテオ・コメット・プラネット』おおおおお!!!!」

 アマネは、身体を光り輝かせると、100万の星の光が流星群となって、影の(シャドー・)パドラーと影の(シャドー・)ヒンケルの全身に降り注いだ!



「グギャアアアア!!!!」

「グゴオオオオオ!!!!!」

 影の(シャドー・)パドラーと影の(シャドー・)ヒンケルは、跡形もなく光となって消えていった。




「キエエエエエ!!!!」

 影の(シャドー・)ミスティは、毒が付いた手刀で連続でアイルに斬りかかる。だが、アイルは必要最小限の体さばきだけで影の(シャドー・)ミスティの攻撃をかわしていく。


「キエ!?!?」

「……遅い!」

 アイルは、手を掲げると巨大な氷柱を出現させて、影の(シャドー・)ミスティの身体を貫いた!


「キエエエ!?!?」

「悪いけど……邪魔をしないでちょうだい!」

 アイルは、右手を掲げると花吹雪の魔力を込めて一斉に放った!


「『シャインブロッサム・シンフォニー』!!!!!」

 巨大な桜の花吹雪の竜巻が、影の(シャドー・)ミスティを呑み込んだ!!!!


「ギィエエエエエエエエエ!!!!!!」

 影の(シャドー・)ミスティは、桜吹雪に切り刻まれて浄化されていった――――。






『……さっすがユウキたち! 本当にあっという間に倒してしまったべ!』

 シブトが褒めると、ユウキ達はパワーアップ形態(フォーム)を解く。


「けど……イヴさんが、神殿の外に!」

 ユウキが叫んだ。

「外の世界が危ないわ。『コズモ村』の皆さんも、無事かしら……?」

「とにかく、早くいかなくちゃ!」

 アイルとアマネの言葉に全員が頷くと、慌てて魔法少女たちは神殿の外に向かっていくのであった―――。


~そのなな へ続く!~

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