第一話「チュートリアル」
※注意 完全オリジナルで書くのは初めてです。前回の話と続き物になっているので、前回の話をご視聴の上ご覧ください。完全オリジナルといいますが、どこかでみたことのあるネタを多分に含んでいます。また、誤字脱字、シナリオに矛盾などあったらご指摘お願いします。なるべく修正します。
~あらすじ~
突如、見知らぬ空間に召喚された少年、波戸 悠木と、同じく召喚された鈴木 天音。二人を召還した女神ゼウは、二人が元居た世界(地球)は「魔王」によって滅ぼされたことを告げる。滅ぼされた世界を元に戻すには、「勇者(魔法少女)」になって魔王を討伐するしかないと告げられた二人は、有無を言わせず魔王のいる異世界「メイデン・ワンダーランド」に飛ばされるが、なんだか嫌な予感しかしなくて―――。
「……う~ん」
異世界に飛ばされて勇者(という名の魔法少女?)をやることになってしまったごく普通の中学生、波戸悠木こと僕は、再び目を覚ました。
グツグツ。グラグラ。ぼこぼこっ。
「あ……」
先ほど、転送の瞬間女神ゼウがしていたやばそうな表情から察した嫌な予感は、どうやら的中してしまったようだ。
「どうみてもここ……魔王城だよね」
煮えたぎるマグマの上にそびえたつ、漆黒の石材で作られた祭壇の上。マグマの運河に伸びる廊下のような場所に、僕は飛ばされていた。
「痛った~い! ……なによ、ここ~!?」
すると、自分の少し後ろで同じく飛ばされてきた少女、鈴木 天音が起き上がった。
「アマネちゃん! だいじょうぶ?!」
「ユウキ~! なによここ!? 暗いしこわい……もうやだおうちかえる!」
半泣きのアマネは駄々をこねて床を転げまわる。
「帰りたくてもこれじゃあ帰れないよ……それより! 女神様ぁ!」
ユウキは、頭の中で女神ゼウを呼び出す念を送った。
『ご、ごめんね~??? 手動操作だったからミスっちゃいました☆ 反省反省っ、てへぺろ☆』
女神ゼウから返事が二人にテレパシーで送られてくる。
「てへぺろ☆ ……じゃないよ! いきなりひどいじゃないか! ラスボスの城まで飛ばすなんて!」
『ほんと、ごめんね~? ……あっ、でも二人とも、『ステイタス』は見れる? 念じれば開けるはずよ!』
謝りながら女神ゼウが言った。
「おっ、こうか?」
ユウキは、パッと手を広げると、目の前にステイタス画面を映し出す。
「なぁに? それ? メニュー画面?」
アマネが言った。
『まあそんなところです。生命力を現す『HP』、魔法力を司る『MP』、その他攻撃力や防御力といったステイタスがみられるほか、スキルの確認と、SPの割り振り画面である『スキルパネル』がありますよ』
「ほうほう……なるほど、だいたい理解した」
まあ、僕は前世ではオタクだったから、こういうゲームはやりこんでいたからだいたい分かる。
「うえ~、文字がいっぱい……全然わかんない……」
アマネは、眉間にしわを寄せると、バッとステイタス画面を閉じてしまった。
『なお、オプション画面を開けば変更できますが、現在のパーティのリーダーは『ユウキ』さんに設定されています。パーティのリーダーは、他のメンバーの本人の代わりにSPを振ることもできるんですよ』
「あたし、こういう難しいのわかんない! ユウキがやって」
アマネはう~んと唸りながらステイタス画面を閉じた。
「いいの? それで……まあ、わかった。僕がなんとかするよ」
『そして! これも大サービスして……初期SPは、30Pです! すごいでしょう!』
女神ゼウが誇らしげに胸を張る。
「……すごいの? それ?」
『これだけでもすごいのになんと! なんと!!! 12Pで空間転移の呪文『ビューン』と、洞窟内を出口まで脱出できる『トコトコ』の呪文が同時に覚えられるんです!』
「ようは……ってことか。確かに、それは必須スキルかも」
「くーかんてんい??? その二つの呪文、どう違うの?」
「まあ、『ビューン』のほうは、空を飛んでいくやつだから天井にぶつかるだろ? だから、『トコトコ』を使えば、まずはお城から脱出できるはずだよ」
ユウキはアマネに説明しつつ、SPを12消費すると、『ビューン』と『トコトコ』の呪文を覚えた!
「じゃあ、さっそくこの呪文で脱出してみようか!」
「わぁい! 早くしなさい! こんなところとっととおさらばよ!」
「よし、行くよ……!」
と、ユウキが呪文を唱えようとした時だった。
《~~~くっくっく、待つがよい……新たに生まれし勇者よ……~~~》
どこからともなく、不気味な声が響く。すると、ユウキの呪文が、不思議な力によりかき消された!
「なんだ……!? だれだ!? どこから話しかけている!?」
「ま、まさか……まおー!?」
《くっくっく……いかにも。我こそは全宇宙を支配する偉大なる魔王……
その名も、『チーマ』である……!》
すると、廊下の脇にあったドクロの燭台にボッと青白い炎が灯り、廊下の奥へと明かりが広がっていく。
《そこの祭壇をあがってこい。その祭壇の上で、待っている……!そこで我の姿を拝謁できたときが、お前たちの最後の時だ……!》
「……どうする?」
ユウキは、アマネに聞いた。
「決まってるじゃない。こんなの無視よ。さっさと逆方向に逃げるのがせいかいよ」
《くっくっく、そうだったな。お前らはレベル1の生まれたて。まだチュートリアルがまだであったな》
「!?」
《よかろう、ここらで一つチュートリアルと行こうか》
大魔王チーマは、パチンと指を鳴らした。
「げへへへ!」
「は~い大魔王サマ~♡」
「……!」
「お呼びでしょうか、偉大なる魔王様」
四人の魔物たちが、ユウキたちの逃げ道をふさぐように、反対側の廊下から姿を現した。
《くっくっく、そいつらは4人の四天王。数々の魔物を従える我の忠実な右腕たちだ》
魔王の嘲笑する声が、暗闇の天井に響く。
「ぐっ……!」
ユウキは、敵の四天王の「ステイタス」を確認する。
『キング・オブ・ゴブリン『パドラー』、LV.65』
『サキュバス・クイーン『レディ・ミスティ』LV.68』
『エース・オブ・ダークナイト『ヒンケル』LV.72』
『ジャック・オブ・バトラー『フェゴレザード』LV.70』
(……対して僕たちは、二人とも《LV.1》……!)
ユウキは自分のステイタスと、相手のステイタスの差をみてごくりと唾をのんだ。
「うぇぇ!? これじゃおうち帰れないじゃない!」
「帰れないどころじゃないよ!? このままじゃ死んじゃうでしょこんなムリゲー!?」
《くっくっく、そのままでは死んでしまうだろうなあ。さぁて、どうすれば助かるかのう~? くっくっく……》
「げへへへ! 男は、殺す! 女は、使う! やれぇ! ゴブリンどもぉ!」
キングゴブリン・パドラーが叫んだ。地面から闇の瘴気が噴き出ると、そこから身長80cmほどの小鬼たちがわらわらと大量に現れ、ユウキたちにとびかかった!
「キキーッ! ゴブ〜!!!」
(どうしよう、ゴブリンって確か……女の子に酷いことをするモンスターだったはず! 守るしかない……僕が、アマネちゃんを!)
ユウキは、瞬時に『スキルパネル』を開く!
(考えろ、残り18Pで、剣を呼び出すスキルを使うには足りない! なら、一番殺傷力があるのは……!」
高速でスキルパネルを打ち込むと、ユウキはスキルを取得した!
ユウキ▼SP:8を使用し「フレアボムズ」を習得しました!
▼ ピコーン!チュートリアルを発令します。『呪文・特技スキルの具体的な使用法について』
(脳内に使い方が浮かんでくる! ……呪文の使い方は……『イメージする』と、『唱える』!!!)
「フレアボムズーーーッッッ!!!」
ユウキは、バスケットボール並みの大きさの火の玉を、放つ!
「ご、ゴブー!?!?!?」
ユウキの手から放たれた火の玉が直撃したゴブリンが一体、二体、次々に火だるまになる。
「ぜえ、はぁ……!」
「コイツぅ……土壇場で、魔法を習得しやがった!」
パドラーは驚く。
《~~~~くっくっく、見事なスキルパネルさばき。そうこなくては面白くない……!~~~~》
「だけど……残念。ゴブリンは無限に湧いてくるのよ? あんな数じゃ、坊やの限界のほうが先に来ちゃうんじゃないかしら?」
レディ・ミスティが言うように、一体一体を『フレアボムズ』で倒しても、魔王城の中ではこの程度の低級モンスターは無限湧きする。LV.1のユウキのMPが、尽きようとしていた。
「スキルパネル! MP拡張……ダメだ、振れるスキルが残ってない……」
「ねえ、だいじょうぶなのこれっ!? もしかしなくても、あたし大ピンチ?」
「気づくのが遅いよアマネちゃん!? ……でも、もう、MPが……」
「……こう、やればいいのね!?」
アマネは、スキルパネルを開いた!
「今必要なものは……かたい盾! ライトニングシールド・しゅ~とく!」
アマネ▼SP:28を使って、特技「ライトニングシールド」を習得しました!
ゴブリンが棍棒を振りかざし、ユウキたちに襲い掛かってくる!
「はぁっ!!!」
アマネは、ユウキの前に立ちふさがると、光の盾を生み出し光り輝くバリアーを張った!
「アマネちゃん!」
「これなら……どんな攻撃も防げ……あれ?」
すると、光のバリヤーが、シュルシュルと消えていった。
「そんなすごい魔法を使ったら、MP消費だって馬鹿にならないってぇ!」
「そうなの? あっ、なんだか力が抜けてきた……」
アマネは、ばたりと倒れる。
「アマネちゃん!」
ユウキは、アマネにとびかかるゴブリンから彼女を守るため、アマネを押し倒して背中でゴブリンの攻撃からアマネをかばった!
「キキーッ! キキーッ!」
ゴブリンたちは、ユウキの背中や後頭部を、容赦なく棍棒でボコスカ殴りつけた!
「うぐっ! ぐっ……」
「ユウキ!? ど、どうしてそこまであたしを!」
「理由なんてない! 少なくとも、僕は……死ぬくらいなら、人として恥じない生き方をして死にたいんだ!!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
僕は……前の世界ではダメ人間だった。学校の授業には、いつもついていけなった。運動もダメダメで、流行りのドラマも知らなければ、ユーモアのあるギャグの一つだって言えない。何より、クラスでいじめがあったのを見ても、黙ってみて見ぬふりをするしかできない小心者だった。
僕みたいな異物は、早く死ななきゃいけないんだ。ましてや……僕一人が生き残って、自分以外の誰かが死ぬことなんて、絶対にあってはいけない。
僕が、何もできなかった無力な僕が、何かをできる才能があるとするなら……僕に、誰かを救う力が、誰かを護る力が与えられたのなら……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「僕は、死んでもいい……! せめて、目の前の君だけは、傷つけたくない!」
ユウキは、ぽた、ぽたと、目から涙を、口から血の雫を垂らしていた。
アマネの頬に、ユウキの涙が落ちる。
「し……死ぬなんていわないで! ユウキがいなかったら……あたしは、パパもママも皆も救えない!」
アマネは、涙を流して手を伸ばし、ユウキの涙を拭いた。
「あたしにだって……みんなを! ユウキを守りたい!」
そうアマネが叫んだ瞬間、二人はまばゆい光に包まれた―――!
『……ふう、なんとか間に合ったようですね』
女神ゼウは、ユウキとアマネに言った。
『貴方たちの心の中の光……《プリズムペンダント》が、貴方達の勇気を認めたようです』
「……これは」
ユウキとアマネは、目の前に浮かび上がってきた光り輝くペンダントを手に取る。
『二人は奇跡の魔法少女になるためには……最初の一回目は本当にガチでピンチになったとき、二人の勇気に反応してプリズムペンダントが現れるのです。面倒な仕様ですよね~』
「お姉ちゃん! そういうのいいから、どうやって変身するの!?」
『いいですか……まず、二人が片手をつなぎ、残ったもう反対の手でペンダントに手をかざし、叫ぶのです! 《ツイン・マジカル・ウェーブ》!!!!と!』
「アマネちゃん、いけるか?」
「……アマネ。アマネでいいよ。ユウキ。やろう! あたしたちで!」
ユウキとアマネは二人でうなづき、大きく息を吸って手を繋ぎ、ペンダントを握りしめた。
『『ツイン・マジカル・ウェーブ!!!!!!!!』』
~~~~~~~~~
「なんだ!? なんだあの光は……!?」
ユウキとアマネを包んだ光は、巨大なエネルギーの柱になり、ゴブリンたちが近づこうとすると逆に光に焼かれて消滅してしまう。
《くっくっく……これが新たなる勇者の力……! 《魔法少女》の力、か……!》
魔王チーマは、光の柱を眺めながら不敵に笑う。
そして光の柱が収束し、2人は光り輝く球体となって地面に舞い降りた。
「……《二つの奇跡の魔法少女》!『ユウキメイド』!!!!」
魔法少女になったユウキの姿は、普段の黒い短髪が髪の毛が腰ほどの長さに伸びたロングストレートヘアーになっており、衣装は黒色の生地をベースに水色の意匠が施された、ミニスカートでフリルがたくさんのメイド服。ガーターベルトが見えるセクシーな脚は黒いニーハイブーツとセットで、モデルのようなスタイルの美少女に生まれ変わっていた。
「《二つの奇跡の魔法少女!!!『アマネキャット』!!!!」
魔法少女になったアマネの姿は、茶髪の髪が伸びてツインテールになっており、ピンク色の大きなリボンに黒猫の猫耳。スカートには尻尾もついて(ピンクリボンが巻いてある)、白いミニスカートワンピースの衣装には、ピンク色の宝石があちこちにちりばめられている。
「「今、二つの力が、合わさるとき!」」
「あまねく悪を断ち切って!」
「勇気で世界を照らす!」
ユウキとアマネは、ばしっと決めポーズを決めると、周辺が神々しい光とともに大爆発を起こした!
「……って、なにこれ!? ぼ、僕なのか、これ……?」
思わず謎の口上を口走りポーズまで決めてしまった。これも魔法少女の宿命というやつなのか。
「って、なんであたしに猫耳生えてるの!? あたし、ツインテールよりストレートがよかったのに~!」
『まあ、どうやら二人の絆が深く結びついたことで、お互いの『可愛い』に対するイメージが二人の間で混ざり合ってしまったみたいですね』
女神ゼウが言った。
「そんな衣装なんてどうでもいいじゃろがい! どうせ引ん剝くだけじゃからな~~~!!!」
パドラーが指示を出すと、ゴブリンの群れが一斉に二人にとびかかる!
「うわっ!」
ユウキのメイド服を、ゴブリンが凶悪なツメで引き裂こうと……するが、破れない!
『その服は、神々の加護と初代魔法使い【ワーロック】の魔力が込められています!勇者の鎧なんかよりも、圧倒的な防御力があるはずですよ!』
「なるほど! ……だったら!」
ユウキは、スキルパネルを開いた!
「……え?」
[SP:∞ その他オールステータス999]
『ええ、そうです……! 魔法少女に変身している間は……あらゆるスキルが行使可能になるのです!』
女神ゼウが高らかに叫んだ。
「すごいぞ! これなら……なんでもできる! どんなスキルも、何個でも使えるならっ!!!」
ユウキ▼SP:33+66を使用して、『シャイニングソード』を取得しました!
ユウキ▼SP:8×64を使用して『最大MP上限値開放+450』を開放しました!
「いでよ! ツイン・シャイニングソード!!!!」
ユウキは、光の剣を手に召喚すると、身体にひっついたゴブリンを切り裂いた!
「そして、この剣で使える『広範囲を薙ぎ払える最強の奥義』を使ってぇ!!!」
ユウキ▼ SP:125を使用して『スラッシュタイフーン』を取得しました!
「はあああああ!!!」
フリルのスカートをはためかせ、光の剣が大きな円を描き、光の輝きは大きな竜巻となる!
「いくぞぉぉぉぉ!!!……スラッシュタイフーン!!!」
強烈な光の斬撃の竜巻は、行く手の廊下を埋め尽くしていた100体のゴブリンの群れを一掃した―――!
「こりゃ、あたしも負けてられないにゃん!」
アマネ▼SP:60を使用して『チェーンソーローラー』を取得しました!
「うりゃあああああ!!!」
右手、左手、そして両足の先に丸ノコのような光の刃を装備すると、ローラースケートのように転がりまわりながらゴブリンの群れに突撃していく! 轢かれたゴブリンは、まるでミンチ肉のように細切れだ!
「こ、コイツぅ! 女のクセにぃぃぃぃぃ!!!」
パドラーがいきり立ってアマネに向かって襲い掛かろうとした!
「ユウキ!」
アマネは、ユウキの名前を叫ぶ。
「アマネちゃん! 僕がスキルパネルを操作する! 覚えた呪文をMPが切れるまで撃ち続けるんだ!」
「了解にゃ! ……これでも、食らうがいいにゃ!」
アマネ▼SP:8→65を使用し『フレアボムズ→バーニングボムズ→フレイミングバーニングボムズ』を習得しました!
アマネ▼SP:80を使用し『魔法連射速度3倍』を習得しました!
アマネ▼SP:150を使用し『魔法連射速度5倍』を習得しました!
アマネ▼SP:225を使用し『魔法連射速度8倍』を習得しました!
アマネ▼SP:150を使用し『消費MP3割で消費なし』を習得しました!
アマネ▼SP:500を使用し『最大MP上限値開放+4000』を習得しました!
「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!!!!」
アマネは、超最大級の火炎魔法を、グミ撃ちといえる速度で連続で敵四天王たちにぶつけていく!
チート級の火炎魔法を浴びせられた四天王たちは、大慌てで目の色を変えてドタバタしている。
「ば、バカな……! 無詠唱でこれだけのフレイミングバーニングボムズ、だとぉ!?」
「ちっ、これじゃあこっちが分が悪いじゃない! んもう!」
「……下がれ、パドラー。体勢を立て直す」
「これはこれは……次回が楽しみですねえ」
敵四天王たちは、影の中へと姿を消していった。
「……終わったか」
いつのまにか、闇の瘴気も消えてなくなり、ゴブリンたちの姿も消えていた。
すると、あたりからユウキたちに、光が集まってきた。
ぱかぱかっぱぱんぱーん!
▼ ユウキはLV:13にレベルアップしました! ステイタスが上昇しました! SPを獲得しました!
▼ アマネはLV:14にレベルアップしました! ステイタスが上昇しました! SPを獲得しました!
『このように、大きな戦闘が終わってから、リザルト式に経験値がはいってレベルアップする仕組みなんですよ! 初めての戦闘、おつかれさま!よくがんばったねえ……うるうる』
女神ゼウが二人を褒めた。
「へ~、レベル上げってそういう仕組みなんだ……って、あっ! 今気づいたけど、なんでアマネのほうがレベル高いんだよ!?」
「ふふーん! あたしのほうが強い敵を倒したからにゃん♪」
「……つーか、にゃんてw」
「!? ……にゃにこれ、変身中は無意識に口調まで変わっちゃうのにゃ!? これ全部ユウキのせーへきってやつでしょ!? サイテーにゃん!!!」
「ぼ、僕のせいじゃないと思うんですけどぉ!?」
と、2人で痴話喧嘩をしていると、
《……くっくっく、初めての戦闘で四天王を撤退にまで追い込むか……いやあ天晴れ天晴れ! 見事なもんじゃ、ぐはははは!》
「!」
こつ、こつと、何かが祭壇の階段を下りてくる。
《あまりに見事なものじゃから、つい我のほうから降りてきてしまったわ……! ぐはははは!》
声が、だんだんどこからともなく、ではなくはっきり前から聞こえてくる。
「あいつが、ラスボス……魔王『チーマ』!」
「にゃっ、こうなったら、このまま倒してやるにゃん!」
《……ふっ、その意気やよし。だが、我の真の姿を見て肝を冷やすなよ……!》
暗闇から、徐々に人影が表れる。それは、天を突くような大きな大きな巨人……!
……などではなく、むしろ、小さい。なんか、さっきのキングゴブリンや成人男性よりも、圧倒的に小さくて、着ているローブなんかすっごいブカブカで、もう『ちまっ』という効果音が似合いそうなほど小柄な……おでこの光る、サラサラの銀髪の幼女(身長110cm)だった。
『……さあ! お前に選ばせてやろう! 世界の半分か? 無様な死か!?』
「え、えええええええええ!?!?」
~つづく~
ここまでお読みいただきありがとうございます!感想を送ってくださると、励みになります!
この話を書いたのは、なろうで物書き人生はじめての初めての異世界転生の作品に挑戦してみたい!というチャレンジ精神から書き始めていましたが、異世界転生の良さを活かせているんでしょうか……?(震え声)、でもこの二人も魔王様も書いていて楽しいキャラなので、最後まで書ききれるよう頑張るつもりです!応援していただけると嬉しいです!続きもお楽しみに!