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第98話 隠密行動というなの強行突破

水中都市へと入った冬馬達はティアの案内で都市内を回っていた。


「すごい幻想的な場所ですね」

「そうだろうか。私たちからすればこれが普通だ」


珊瑚をくりぬいたなかに居を構える水種族の家屋は山を切り開き平地にしわざわざ家を建てる人間の文化とはかけ離れる。

人間同士でも文化の違いが顕著に出るのだから種族が違えば違いは明らか。

()()()はキョロキョロと辺りを見渡していた。


「ピエロ。これからどうし……あれ?」


叶恵が後ろを振り向くとそこに冬馬の姿はなかった。


「もー!勝手に行動するんですから!」

「今に始まったことじゃない」

「ご主人は相変わらずいつの間にか消えてますね」


「ま、今はピエロがいない方が都合がいいわ。ティアと言ったわね。アタシ達が見ていない間のピエロの行動を話してもらいましょうか」

「……構わんか。言うなと口止めもされてない」


ティアが言われたのはあくまで「詮索をするな」ということまで。

口止めしなかったのは冬馬の単純なミスでありこの後の地獄の始まりでもあった。


『なんで口止めしとかなかったの?』

「単純にミスだ。ナナのこともあったし水中都市のこともあったしな」

『ま、どうなっても八重には関係ないからいいけど』

「そうかよ」

『で、会いに行くんでしょ?人魚の女王に』

「勿論。ここまで来て合わないという選択肢はないだろ」

『また女か……でも人魚姫って冷徹であのなんちゃって女王よりツンツンしてそうだからお兄ちゃんとは気が合わないよね』


たしかに冬馬のパーティの中で冷たい人はいない。

アシュは反応は薄いもののしっかりと反応するしパルも自を出すことはないが話を振られrばしっかりと答えるし叶恵とメアに関しては冷徹とは真逆の性格。


「冷徹というのは、人間関係に置いて孤立しやすい。特に、俺がそばにいない事が多いからメアとかと喧嘩になったら誰が止めるんだ。駒同士で争いとか面倒ごとを生むだけだ」

『一番協調性がないのはお兄ちゃんじゃない?』

「は、なんのことか分からんな。俺は俺のやりたいようにやっているだけだ。いつもどおりナビゲートを頼む」

『分かった』


水中都市の象徴でもある神殿はまさにダンジョン。

巡回兵に見つからずに人魚の女王のいる場所までいかなければならないのだ。

まさにメタ○ギア。


『次来るよ』


通路の角から魚の兵士が曲がってきた。


「ふう。水中適応を付与されてるとはいえ、魚相手に追いかけっこは分が悪い」

『女王の部屋まではまだまだある』

「いつまでも潜伏してても仕方ないか……大佐、敵の位置表示を頼む」

『了解だスネ○ク』


八重から敵の位置情報を貰うと角から飛び出し走り出した。

無限回廊並みの広さを誇る宮殿内をメタ○ギアしてたのでは時間がかかりすぎる。

ここは父親を見習う時なのだ。


「おい待て!侵入者だ!」

「来た来た」


冬馬は兵士の位置情報を見ながら複雑に絡み合う宮殿内を駆け抜ける。

もし画面越しに冬馬のFPS視点で見たのなら画面酔い間違いなしの速度と動き。

直線ならば兵士に追いつかれるが右に左に曲がれば兵士は速度を出すことは出来ず追いつけないのだ。


「かつての怪盗業を思い出す」

『警察相手にビル群を走り回った時は楽しかった』

「今捕まれば確実に裁判抜きの死刑確定だろうけどな」

『がんばえー』


冬馬が宮殿内を走り回ること数十分。

冬馬が地図を見ると付近の生体反応が消えていた。

いくら兵士とはいえ、自身の管轄から出してしまったら追跡能力は著しく落ちる。

こんな広い宮殿内を把握出来るのは文明の利器を扱う八重くらいだ。


「長いな」

『昔のローグライクゲームみたい』

「ああ、やり込んだな。引き篭もり期だったし」

『女王の部屋まであと数階層降りる必要があるよ』

「メアの時はこんな苦労しなかったのに」

『それはあの女王の注意力が足りないだけ。そもそも空を飛ぶなりしないと結構苦労すると思うよ』

「それはそうか」


侵入者に対し、あそこまで無防備な女王も少ないだろう。

更に侵入者に対して助言を求めるのは女王でなくてもやらないしやる人は少ないだろう。


「さてと。この辺で......」


冬馬は魚の兵士に変装すると下層を目指した。


「大変だ!」

「どうした!」

「侵入者だ。今は上層にいるが人でが足りないらしい!至急、応援に来て欲しい!俺はこのまま応援を呼びに行くから先に行ってくれ!」

「分かった!」


上へと泳いでいく兵士を見送ると冬馬は次々に呼びかけを行った。


「不用心すぎやしないか。それぞれの巡回区域近くの奴ならまだしも、他の階層から来た奴の言葉を信じるかね」

『皆ほとんど同じ見た目だから分からないんじゃない?ボーっとしてそうな顔しているし』

「魚の顔なんてこんなもんだろ。......到着」


冬馬の目の前にあるのは大きな鉄扉。

到底人が開けるサイズではないし兵士の力では数十人が集まってやっと動き始めるほどに重い。

冬馬1人では開けることが出来ない。


「なんのためのゲートだ」


扉にゲートを広げると扉の先が見えた。暗く、電気の類は一切取り付けられていない。

冬馬は暗闇の中に進んだ。

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