第2話ドタバタ劇
ウッホウッホホ ウキ、ウキキ
皆さんこにちはお久しぶりです。私は今、猿に転生しました。
……え?
頭大丈夫?日本語解かる?
Σ(・□・;)
皆さんの私の評価は、どういう状態なんですか?
私の名前はノイン サインの父親だ
「ウグゥ」
まただ、私の愛す妻が苦しみの声を上げるのは
「先生 あとどれぐらいで生まれてくるのですか」
心配で心配で何度も同じ質問をしてしまう
「大丈夫ですよ。もうじき生まれてきますよ」
何度も暖かい声で包み込むように答えてくれる専属の医者
少し不安がとけてきたかもしれない
男だろうか、女だろうか
男だとしたら何を教えようか 剣術?弓術?魔法?
女だとしたら 座学?礼儀?
「ウギュゥ」
一段と苦しみ始めた
もうすぐ生まれてくるのではないのか
専属医者である初老と目が合った
黙って頷いてきた
来るようだ
「うえええぇぇぇん」
来た‼
産声だ‼
「やっと 産まれましたね! 奥様、体調はいかかがですか」
「え~大丈夫です。 それより赤ちゃんは?」
「はい! 立派な女の子です」
女の子か
名前は何にしようか
妻に聞いてみた
「名前は決めているのか」
「え~あなたの名前をとってサインというのはどうかな?」
「おーいい名前だな お前の名前はサインだ いいな」
言いながら抱き上げた
「危ないで……
「バブうー ボブ― ヴぇぶうー」
「つっっ!」
みんなが一斉に息をのんだ
返事が、返ってきた?
まさかな
「あは、あははは」
「あははは」
みんなが一斉に笑い声をあげた
「まさかな」
その一声で固まる
大気が凍りついたようだ
空気を換えるかのようにに泣き声が聞こえる
「ボボボーボ・ボーボボヴうー」
赤ちゃんの泣き声だよな!
?何かの雄たけびか?
目で他の者に聞いてみたが、みんなの目が点になっていた
皆の反応に驚いて落としそうになった
肝が冷えたのか押し固まるサインをみんなが微笑ましそうに見つめる
だが奇声を発して気絶するのを見て蜂の巣を突っついたような騒ぎが起きた
1時間
2時間
時間は容赦なく進むが一向に目を覚ます兆しはない
すでに深夜を超えている
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次の日
朝か~ もうすぐわが子が産まれるんだよな
ん?
待て!昨日産まれたではないか!
あ!
気絶してまだ目が覚めていないんだっけ
原因の一端が自分だと思うと皆に合わせる顔が無い
朝食の知らせを持ったメイドは見てしまった
鬼のような形相で黄昏る主人を
昼頃、王都から呼び寄せた医者もサインの症状にさじを投げてしまった
この時代はまだ”魔力欠落”という概念がなかったからだ
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3日目の朝
サイン専属のメイドが大声をあげた
悪い予感しかない
自室の戸を開けるとメイド長と鉢合わせした
ベビールームにはすでに妻が来ていた
「戸を開けるぞ いいな」
悪化していないことを祈るしかないな
おい!まじかよ
目が覚めたんだ
良かった!!!!
近くで見ると可愛いな
流石!我が子だ!
親バカか?
「本当に良かった!」
「えぇー」
「でもなんか 拍子抜けしたみたいな顔してないか?」
「そんなことないよ」
「だよねー」
「あははは」
「顔が怖いからですよ」
また 大気が凍り付いた
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あれが親の顔だとは
世の中残酷じゃのぅ~
あははは
それよりもこの世界空気がとても汚れているんだが
パット見ここ中世なんだけれど
なぜ空気が汚れるの?
本気で疑問なんですけど……
集まれー
なんてね
あ!やべ!
精神年齢が体に引き戻されている
ん!
見間違えか?
まじで集まってくる
まん丸くなれー
おー!なった
次四角
はい次ぎ三角
ハイハイ次球体
うぁ!
立体にもなるんだ!
城の形
おぉー
イメージ通り
ん?
少し腹が減ったな
ニャリ
食べちゃえ
わははは
ぱくぅ
うわぁ 不味 くはないか?
(。´・ω・)ん?案外おいしいかも
空気汚いとそれだけでやる気なくなりますよね。
次回 空中戦
戦艦 大和出撃