1話
皆さんこにちは 2週間に一度は必ず更新しますのでこれからも宜しくお願いします
背中から突風のごとく近づく熱気を感じた
反射的に後ろ見たがもう手遅れだった
眼前に迫るトラック
嘲笑うようにゆっくりと近付く
死ぬ覚悟なんてできていない
周りから悲鳴が聞こえてきた
青い空が見える
遠くに入道雲が楽しそうに浮かんでいる
綺麗だな~
関係ないことを考えてしまう
頭がめっちゃ熱い、何も考えられない
もう眠い…
起きなきゃいけないのに どうして
父が失踪してから早6年
母の実家の村で面識が無い祖父と一緒に暮らした地獄の6年間
未だ会話一つ成立してない
そして黒との出会い
早送りで流れていく…
これが噂の走馬灯か、
諦めるな
まだ東京を見て回ってないじゃん
ここで死ぬわけにはいかない
起きるんだ"悠人"気合を…
~
赤ちゃんの泣き声うるさいな!
おい!親
しっかりし付けておけよ!
目が覚めてしまったではないか!
とても気持がちよい所にいた気がする
ま、いいや
早く顔洗おう
あれ?目が見えない
まるで靄がかっかているようだ
とにかく、体を起こそう
このままで行けない気がする
記憶が渦巻いてきた、自分が悠人だった時の記憶が
とても大切なことを忘れている気がする
周りがうるさいな
しかし目が見えないと不便だ
抱き上げられた気がする
というか俺、トラックにはねられたんだよね!
あの時、黒も一緒だったんだよね
大丈夫かな黒?
ま、でも普通に生きてるでしょう
俺も生きていっるす イエーイ!
「バブうー ボブ― ヴぇぶうー」
ここはどこかの病院かな?
「ボボボーボ・ボーボボヴうー」
嬉しくて叫んでしまった
そのせいで落ちそうになった
誰だよいきなり叫ぶ馬鹿は
はい!俺です
うぬ?
俺、今抱き上げられているのか?
167.8㎝の俺が?
疑問が渦巻いてくる
自分の声に合わせて泣く赤ちゃん
身長167,8㎝の男を苦も無く持ち上げる人
今だったら何でもできる気がした
わずかに残る厨二心をなめずり回す
遂に叫んでしまった
スキル発動 空気中の魔力を感知 観測する スキル 命名“魔力感知”
「バビュうー バ、バババッバユう、バッバユう バビュうー ヴぇバ ヴぇヴぇバァー」
なんってね
やぱり結構恥ずかしい
さぁ 何が起きる
スキルの発動を確認
「ぱっぱぴゅうぅー」
腹の中が空っぽなっているような
うぅぅっ 脱力感が半端ない
そこで俺は気絶してしまったようだ
~
目が覚めた
見慣れない天井が頭上を展開している
病院ではない
中世の家に来たみたいだ
あれ?
目が見える‥‥
「っっっ!」
息を吞んでしまった
あれ?人間は普通360度全方位見えたっけ?
そうだよね!
見えるよね
アハハ!
乾いた笑い声しか出なかった
でも、ここは確実に病院ではないね!
そうするとここは世界が違うのかもしれない
窓からは弱い太陽の光が差し込んでくる
よし!
気を落としても意味がないね
まず自分の体を確認しょう
ふむふむ! むふむふ!
まず 自分は赤ん坊である さっきの泣き声自分だったていうことか~ 恥ずかしい
種族は?人間か、
多分人間だ
性別は‥‥
唐突にノックが入った
「お嬢様 体調はいかがでしょうか?・・・まだ駄目よね はぁ~ これで3日目か」
メイド服を着た女の人が俺の顔を覗き込んできた
あらー綺麗…なぜだろうか言葉がわかる
飛来する波長から意思を読み取っているようだ。自分のことを客観的に見るのは小学生の時からの癖だ
あ! 腕を動かせれた
「お嬢様 お目覚めになられていたのですね!」
メイド服を着た女の人の曇った顔が明るく輝いた
お~女神さまが降臨された
廊下に無数の足音が聞こえてきた
背中を冷たい汗が滴る
敵襲だ!!
一瞬でわかる
窓から突風が入り俺の頬を撫でまわし、髪が巻き上がった。
まるで大気も高揚しているようだ
手に冷や汗を握る
戸が破られた
相手は大型のオーガ‼
とても興奮しているようだ
相手と対峙できる武器はないか!
ベビールームにそのようなものはない
突撃してきた
私しか狙っていない!
1番弱そうだからか?
避けなくては
っっぅ!
体をまともに動かれない
チッ
ここで死ぬのか
短い人生だったな~