『エリンギ狂い』
『エリンギ狂い』
・・・自分の体に馴染むエリンギの購入と、料理、食べ方、また出会い
㈠
二か月ほど前からだろうか、自分でスーパーなどに行くと、決まってエリンギを買っている。60円台から80円台くらいが、そのスーパーでは相場だ。恐らく重さで袋詰めしているのだと思われるが、2本か3本が入っていることが多い。大きさも様々である。
自分は、基本的にはお茶漬けが好きである。話が飛躍するが、お茶漬けは、夏場食欲が無いとき、白米を食べる時にとても食べやすい食べ物なのである。そしてまた、白米の上にお茶漬けの粉を振りかけて、冷水を入れ、その上にエリンギの炒めたものを乗せれば、この上なく美味しい。そう言った食べ方の意味合いからしても、エリンギは調理もしやすく、1本を4分の1に縦型に切って、フライパンで炒める訳だが、油さえひけば、他に何の必要もなく、ただ炒めるだけである。そうして、少し焦げ色が付いて来れば、エリンギ焼きの完成である。
㈡
お茶漬けとしての食べ方は上記したが、他にも、例えば松茸のお吸い物の粉を買って、炒めたエリンギに掛けて食べると、まさに、松茸を食べているかのような美味しさなのである。これは、エリンギを炒める時に、振り掛けるのではなく、炒め終わったエリンギに、松茸の粉をかけて、それが馴染む様に少しだけ熱いお湯を掛けると、とても食べやすい。
エリンギの良さとは、何と言ってもその食感だろう。繊維が多い点で、美味しく、体にも馴染み、また食べている時にも、ボリュームがある。他のシイタケ類とはまさに一線を画すのであって、その食べがいがある点で、非常に自分には適しているのだ。エリンギには独特のセンスがあると思う点に、自分は狂っている、正確には狂い始めている。それでも、コーヒーやボディバッグと比べたら、日々のちょっとした狂いなので、程度のましな狂いではある。
㈢
人はエリンギ如きに何を言っているのかと思うかもしれないが、自分はシイタケ類の中では、エリンギは頂点の存在である、松茸を除いて。しかし、松茸に狂う訳にはいかないので、それは金銭的にも狂えないので、エリンギが頂点となるのである。
何かに狂うことで生活が豊かになることは、もう何度もどこかで述べてきたと思うが、まさに、エリンギに狂うことで、今の自分の生活は充実し、また、満たされているのだ。出会って良かったな、と思うと同時に、何故最初にエリンギを手に取ったのかと、思う訳だが、理由は明白ではない。しかし、例えば、友達が出来た時に、何故出会ったかなどと考えることはないので、必然と言う言葉に帰着するだろう。必然や運命が、人生を狂わせ、しかしその狂いによって満たされるということからも、今はこのエリンギ狂いの行く末を、自分で見守っている所だ。