宇宙を買った話
今日、"宇宙"を買った。
特に買う気は無かったのだけれど。
ふと、立ち寄った■■■屋に、それはあった。
ひと際目を引く場所ではなく、店の奥の暗がりの、隅から敷き詰められて配置された棚の中に、それはあった。
雑多なものが整然と並べられ、押し込まれている所に、それはあった。
どうやらこの"宇宙"には、いつまででも見ていられる煌びやかな■■■が無ければ、幾多もの■■■を飛ばし、飛ばされを繰り返す派手な戦争も起こっていないようだ。
けれど、私は"宇宙"を買った。
特に買う気は無かったのだけれど。
どうやらこの"宇宙"には、数種類の知的生命体が存在しているようだ。
その中でも、1つの種族が技術に突出しているようで、感知されない機能を備えた円盤型の機器を操り、他の種族を観察しているようだ。
手を出すこともなく、今の私のように。
――なぜ買ったのかわかったような気がしたが、答えはすぐ霧のように散り、わからなくなってしまった。
私は"宇宙"を買った。
特に買う気は無かったのだけれど。