人生最悪の日は人生が変わる日
新作、始めました。
その日、俺『田所信也』(25歳、独身)にとって人生最悪の日だった。
俺は大学卒業後、とある会社に就職して働きながら高校時代から付き合っている『木ノ下樹里』との将来の結婚を考えながら日々を過ごしていた。
しかし、ある日突然、不幸がやって来た。
勤めていた会社が業績悪化によりとある外資系会社に買収されたのだ。
それに関しては色々ドロドロした部分があったらしいけど、まぁそれは俺には関係無い。
俺に直接関係あった事があればリストラされた、という事だ。
それでも最初は『すぐに就職出来るだろう』とたかを括っていたが現実は厳しかった。
リストラされてから1年間、再就職先を探したが見つからなかった。
どっかの一流大学を出ていれば違っていたのかもしれないが名前も余り知られていない三流大学出身の俺を雇ってくれる会社なんて無かった。
良い返事を貰った、と思いその会社をネットで調べてみたらブラック企業で、こちらから丁寧に断りの電話を入れた。
1年間無職だと、心もボロボロで荒れて来て樹里との関係もギスギスし始めた。
樹里は大手の会社に就職して、給料も良くて仕事も大きなプロジェクトを任されていて順調だった。
それでいて俺の心配もしてくれていたんだけど、このままだと俺が樹里を嫉妬して邪魔をするかもしれないし、樹里にストレスで当たっている時もあったのでお互いの為に別れた方が良い、と思い別れた。
そしたら、その1ヶ月後には勤めている会社の社長の息子と結婚を発表しやがった・・・・・・。
どうやら二股かけられていたらしい・・・・・・。
しかも、招待状まで送って来やがって人にここまで砂をかける女とは思わなかった。
この2、3日食べていなくて食事目当てで出た俺は完全に負け犬だ。
樹里の幸せそうな笑顔を見て色々言いたかったが何とか押し黙った。
その代わり二次会で吐くまで酒を飲んで現在フラフラの状態で夜道を歩いている。
「ちっくしょぉ・・・・・・、俺が何をしたんだよぉ・・・・・・、なんで俺だけこんな目に会うんだよぉ・・・・・・。」
世の中から見捨てられた、そんな風に思っていた。
そんな時、路地にダンボール箱があるのを見つけた。
「捨て犬か捨て猫かぁ? 全く無責任だよなぁ・・・・・・。」
その時、俺はダンボール箱を拾いそのまま自宅に持っていった。
この時、俺はダンボール箱の中身をまともに見ていなかった。
まさか『ドラゴン』が中に入っていたとは思わなかった・・・・・・。




