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タバスコ

作者: コメタニ

これはタバスコのビンの話

どこの家にも

冷蔵庫かキッチンテーブルの上に

たぶん一本はあるだろう

あのタバスコのこと

空になったビンのラベルを丁寧に剥がし

中をきれいに洗って

完全に乾かす

その小さなビンに

小さな赤いキャップをはめて

朝日のあたる窓辺に置くと

なんだか素敵な佇まいになる

とってもありふれたビンだけど

特別なモノのように見えてくる

だけどそれはありふれたものだから

二本、三本と増やしてしまうと

そこにあった特別なモノが

どんどん薄れていってしまうし

もしも百本なんて溜めてしまったら

回収に出し忘れてしまった廃品のようになってしまう

一本だけだからいいんだ

そんな朝日に光るタバスコのビンが

なにかに似ているような気がして考えていると

おはよう

きみの声が聞こえた

そのときぼくは気が付くんだ

ああこれだ

これがぼくのタバスコのビンだなって

宝物を掘り当てたように笑顔を浮かべているぼくを

きみは不思議そうに見つめる

やわらかな朝日を受けながら

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― 新着の感想 ―
[一言] うっ!! 一時期ラー油の瓶、窓辺に飾ってました。 庭の名も知らない、可愛らしい雑草を飾ってました……。 (≧∇≦)ノ
[一言] タバスコ 「ちょっ、オレの立場は?!」 本体よりも包装紙を集める癖があったりして 刺身のツマが美味い、とこだわる人ですか?
[良い点] 日常のほんの一こまを切り取ったようなお話に、作者様の感受性と着眼点の高さを感じました。 [一言] 私も綺麗なビンは取っておいたり飾ったりしちゃうので、何となく主人公さんに共感しちゃいました…
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