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snow 灰色世界  作者: 蒼ノ 遥か
4/4

幼き日に

読んでもらえている人には大変お久し振りです。

楽しんでもらえたなら嬉しい限りです。

「ん、でもなんで魔術が使えないのか、自分でも分かってはいるんだけどね…」

そう話す彼の声はどことなく弱々しく、いつになく覇気のない顔だった。

「それには私は必要なのか?」

例え理由があるにしたって、"そこに私がいてどう魔術が使えるようになるのか"その理由が検討もつかない。

「…どうなんだろうねぇ。」

座りこんではやや上を見上げながら言ったその言葉は、空にとけてゆくように見えた。

夕日の射し込む光が余計に彼さえも消えかかりそうに映す。

不思議だ。

いつも飄々で軽々しく見えていた姿は、こうも変わって見えていた。

いやむしろ、こちらこそが彼だと言わんばかりにも思う。

「僕は幼い頃は魔術を扱えていたんだ。それはもう今よりもずっと」

遠くを見つめる視線に吸い込まれるようにして、気づけば彼の語りに耳を傾けていた。


「小さな頃はやんちゃでね、結構人にちょっかいをしたり、いたずらしたりの毎日だった」

「今の私にやることと変わりないな」

「これでも有名程ではないけれど、それなりの魔術の家系だったからさ、それはもうこっぴどく怒られたんだ」

今は丸くなった方なんだよ、と付け足したが少なくとも丸くは見えない。

「それでね8歳ぐらいには学院に通いはじめてね。」

曰く、彼にとって授業の内容はとてもではないが堅苦しくてつまらなかったという。

それはそうだろう。

学院の授業なんて、筆記がほとんどで実技は一、二時間程しか受けられないのだ。

年頃の男の子は外で遊ぶ子が多い、彼はどちらかというと遊びたかったのだろう。

「そんな僕はある日、一人で勝手に魔術を使ってしまった」

体を自由に動かせる時間もほとんど無い彼はついには一人だけで魔術の行使を行ってしまった。

本来であるならば重い禁止令に値する

ほどのことなのだ。

子供であるのならば、なおさらきちんと扱えきれる子はほとんどいない。

それだけ聞けばもはや結末は分かりきったも同然だった。

「魔術の暴走、…か」

「…うん」

魔術の暴走、彼は今よりもずっと魔術を扱えていたと言うのであれば…。

「重症者34名、軽傷者約100名、学院の半分は燃え尽きた事故」

「それは…、」

知っていた。幼い頃に記事に取り上げられていた事故を

「死傷者、……2名」

「…、!」

そう、その事故は子供が死傷者を出したことで一時期有名になっていた程で、自分の記憶にも残っていた。

「あのときの記憶が僕にはほとんど覚えてなくて…」

顔を歪ませて、いつしか顔は伏せるようにうつむいていた。

「ただ、気づけば燃えさかった炎が立ち登って、周りからはかん高い悲鳴が鳴り響いていて…すぐには分からなかった。

分からなかったけど、…体が重く、まるで鉛みたいに、とてもじゃないけど動かなくて」

魔力消耗症。

魔力が枯渇した状態をそう呼ぶ。

子供では魔術を扱うという繊細なこと自体が難しいのだ。

前に述べたように魔術はそれほど難しくは無い。

ただし、それは知識の有無と己の魔力を制御しきれているかの違いで大きく違ってくる。

今回も誤字が多ければすみません。まだ続きます。

また待たせてしまうかもしれませんが、完結はさせたいのでまたひっそりと現れるかもしれません。

その時にお会いできれば思います。

それではまた…。

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