Ⅱの1 雪解け
前回の続き…と言うよりは過去になります。まだまだ拙い文章ですが、よろしければ読んで頂けると嬉しいです。
とある日のことだった。
私はいつも通り、 一人で過ごしていた。
浮かれている人は嫌い……というか、 苦手だ。
特別人と話す気も無かった私はいつも、 その先も、 “独り”のはずだった。
そんな気配を感じ取ったのか周りの人間も話し掛けようとはしなかった。
それは一向に構わない。
独りの方が気楽に過ごせる……理由なんてそんなものだ。
静かなのが一番で自然に耳を傾ける方が心地良い。
と、言うのに……、
「白さん、 一緒に移動教室行かない?」
ようやく気がついて振り向いた、
“フリ”をした。
目の前の青年をジッと見る。
穏やかで日だまりのような笑顔が、 そこには咲いていた。
思わずため息が出そうだ。
毎日、 毎日、 飽きずこんな調子なのだ。 正直頭が痛くなる。
「どうして私なんだ?
他に友達がいるだろう?」
まるで雪のように冷たく、低い声で問いかけた。
問う、 と言うよりは近づけないための“警告”のように。
自分の名前、灰花 白にはお似合いだ。
「どうしてって、 ……白さんは嫌なのかな?」
別に嫌いではない。
ただただ私が“独りの方が好き”というだけの話。
そう、 自分に問いかけるようにして封を閉じる。
「嫌とか嫌じゃないなんて関係ない。私は……
「嫌じゃないんだね、良かった……」
何が良いのか。
こっちが話していると言うのにこの始末。
彼……、雪咲 志月ときたらいつもこうだ。
訊いているようでまるで聞いていない。
こんな性格なクセに女子からの人気もあるのだ。
本当、世の中の回りがよく分からなくなりそうだ。
それに、私が強く遠ざけようとしても、のらりくらりとかわしてしまう。
拒否する権利すら無いかのようだ。
こうも接しづらい人もなかなかにいないだろう。
そうこう話している間も一応移動していたので、教室に着いてしまった。
「あ、いつの間にか目の前だね。
それじゃ、また後でね~」
………………いつの後を言っているのかは考えないことにした。
本当にマイペースだと、改めてため息を吐く。
いつもアイツは笑顔を崩さない、
まるで“対照的”だと思う。
授業も始まり、座りながら教師の説明をそっちのけで思いふける。
私はいつだって笑わない。
少なくても人前では……。
アイツは逆にどんな人間だろうと笑い掛ける。 そのくせ裏があるようには思えないのだから計り知れない。
「……さん、」
どうして私なのか、命題だと思うぐらいに謎だ。
「白さん、」
……………………。
「白さんっ」
「……そんなに声を出さなくても聞こえている」
上を向けばそこには彼がいた。
あえて反応しないのだが、繰り返されると目立つのだ。
「それで、 用件は?」
仕方なく、といったように問う。
「やっと反応してくれて良かった。 やっぱり嫌われたんじゃないかって心配だったんだから」
そこまで気づいていたのに話し掛けたのか。
全く、慣れたくはない光景だ。
「先生の話終わってるよ? 皆も移動して実技の練習してるし、……」
それも分かっていたことではあったんだが。
「私のことはいいだろう。
他人に構っているよりも、別の奴らと勉強したらどうだ?」
「白さん実技得意だって聞いたから。
僕、あんまりこういうの得意じゃなくてさ……、だから色々と聞きたいなーって」
「それこそ私でなくても代わりがいるはずだ」
あくまで私は独りが良いのだ。
どれだけ粘られようと……
「そうかもしれないけど、やっぱり白さんとが良いと思って」
「何故?」
それこそ分からない。
「何でって……、それは、 秘密かなぁ」
…………………………………………………………………。
「分かった、」
「……え?」
「聞きたいことがあるんだろう? それくらいなら答えよう」
まだまだ頭痛は収まっていない。
ただ、このままいっても埒が明かないだろうと察しただけだ。
それに、 やっぱりこの笑顔は苦手だ。
私には似合わない日だまり。
一見照らしているようで、 私にとっては溶けてしまいそうだと感じた。
ここは雪が降り止まない街、“スニェフ”
太陽さえもほとんど姿を現さないこの場所は、私にとって過ごしやすい空間だ。
白に埋もれる街並みの一角に建っている魔術学院“Asche”。
私たちは此処で魔術の勉学に励んでいる。
何気ない日常が続く中で生きていく。
それは変わらないモノのはずだった。
しかし、 私の気づかないうちに周りも、自身も何かが変わってゆく。
その事に気付くのが私には遅すぎたのだ。
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Ⅱの1はこれにて終了です。
あくまで1なのでここで区切りになっていますが、Ⅱの2は話の続きになると思います。
白はこんな性格ですが根は本当に優しいですし、押しに弱い子なのでこれからどんどん変わって……いくかなぁ?という感じです。
今回も読んで頂き、ありがとうございました。
またお会いできたらその時はよろしくお願いいたします(しばらく期間を開けるかもしれないので)
では、ここらへんで失礼します。
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