prologue ★
お久しぶりです!!
筆遅いくせに、長編3作平行してるからこういうことになるんですがね……
いやぁ長いことお待たせしまして申し訳ないところですが、ようやくめどが立ってきましたので投稿再開させていただきます!
便利屋とか賞金稼ぎなんてのは、言うまでもなく危険と隣り合わせの職業で、いつでも死神と相席しているようなものだから『あぁ、こりゃあ死ぬかも』と感じた経験は、両手の指じゃ足りないほどだ。
とはいえ、危機に直面した瞬間には、頭に浮かんでも認識できずにいることが多い。銃声を聞く度に頭をもたげた弱気に流されているようじゃ荒事師としては半ちくだし、銃弾飛び交う槍衾の中でやるべきは、ただ集中して銃口を向けてくる相手を先に撃つことだけだ。掠めていく鉛弾が数センチズレていたらなんてネガティブなたらればは、全部が終わった後に敵の死体にクソでもしながら、それか酒でもひっかけながら考えりゃあいい。自分の脳味噌がブチ撒かれている妄想を肴に一杯やれるようになりゃ、それで一人前ってとこだろうさ。
ただし、どんなに上手いことタガが外れたとしても、恐怖心の全てを消し去れるわけじゃない。物事ってのは万事都合よくとは行かないものだし、致命的に弱い部分だけがいつまでも心に染みついていたりする。
だからこそ、向かうところ敵なしの虎獣人女性が死にかけているのである
拭いきれなかった、恐怖心のせいで
彼女、レオナは心身共に屈強である。銃を扱わせれば右に出る者はなく、素手のケンカでも負け知らず。しかしそんな彼女はいまずぶ濡れになり、グッタリしたまま動かない。
「…………おい、レオナ、しっかりしろ」
息も絶え絶えな、相棒の声だけがジャングルのざわめきに抗っていた。




