異世界における職普及
異世界でこんな職業をやるって
大丈夫だよね?
まあ、なんとかなるさ!
異世界ライフスタート
1 スタート
あの夏の日のことであった。
父から突然、一本の電話がかかってきた。
出張単身赴任中の父からの連絡だった。
電話に出ててみる。
電話の向こうが騒がしい。
飲み会でも行われているかの様だった。
「もしもし
「あっ、京舞か。元気にしてたか?
父と話すのはいつぶりだろうか。
懐かしいと言うか、呆れる程変わらないと言うか。
「元気だよ。なんかあったの?
父が少し黙っている。
なんだか、嫌な予感がした。
「実はな、この前、住んでる近くでイベントがあって、運試しにと思ってくじを引いたんだよ。
「それでさ、なんと
また、黙った。
オチは、一等でしたか、外れでした、とかしかない
久々の会話だ。
話したかったのだろう。
会話程度に一応を聞いてみた。
「どうだったの?
「なんと、一等だったんだよ
予想は的中、それにしても一等とかすごいよな。
「良かったじゃん
「良かったはいいんだけど、内容がな…
なに、一等の内容に困るものなんてあるの。
うちの近くでこの前、似たようことが行われていた。
その時は一等はとても豪華だった。
ハワイ旅行とか三年分の米とかだった。
それでも、困るものではない。
「一等の内容って何だったの?
「なぁ、京舞、お前、どうせまだ仕事決まってないんだろう?
いきなり話しを変えてきて。
いきなり、いたいとこつかれた。
まあ、基本は高校卒業してから約一年一番最初についた仕事を三カ月で辞めてしまって。
今は、アルバイトで生活している。
母も嘆いているのは分かっているが。
なかなか、良い仕事にめぐりあえてないのが現状だ。
「まあ…、でも、後もう少ししたら、見つかると思う
見つかる気がしないが自己暗示だ。
きっと、見つかるよね。
うん、見つかる。
「お母さんも言っていたぞ、早く仕事見つけて欲しいって
ギクッ
「ごめん、でも、もう少し待って、しっかり見つけるから
「まあ、ならいいんだけど
いいのかよ。
「で、だな。さっきの一等のやつ何だが、チケットが当たったんだ
チケットか。
チケットといえば、旅行チケットやお食事チケット、割引チケットなどがある。
それほど、どれも困るものではない
「いいじゃん、どんなチケットなの?「お父さんの住んでる近くって結構、有名な料理屋あるし、そこのお食事チケットとか?
「違う、それだったら、とっくに使ってし、連絡なんてしないだろう
連絡してくるほどのことじゃあないもんな。
料理屋のチケットぐらいなら。
「じゃあ、何なんだよ?いったい
「永住チケットだよ
永住チケット?なんだそれ。
聞いたことない。そんなチケットの名前。
永住ってことは、そこに住むことができるってことだろう。
それのチケットだから、パスポート的なやつか?
「それって、永住していいですよ。みたいなやつだろう?
「そうだな。そんな感じだ。でも、俺、今知ってのとうり、単身中だろう。
「それに仕事あるし永住とか無理なんだよね。仕事辞めるとか無理だしさ
それはそうだ、父の仕事は各場所をまわって、世の中の不備なところがないかの調査をしている。
30年以上もしている仕事を今更辞めるなんて、普通は出来ないよな。
「で、京舞に永住チケットやるから、行ってこいよ。勉強だと思ってさ。
この家に別に居たいっていう訳でもないし。
逆に今、いずらいし。
「いや、別に構わないけど、どこに永住するの?
断る理由はない。
「それがな…
うん?なんか…
「日本なの?もしかして海外?
「いや、違う!日本でも、海外でもない
日本でもなく、海外でもない場所?
どこだ、どこなんだ?
日本の領域に入らず、海外の領域ではない所ってどこだ。
「そんな所あったけ?聞いたことないけど
「俺も最初聞いた時、驚いたよ。そんな場所があるのか、って!
父がわからないなら、分かるはずがない。
「じゃあ、どこなの?
「カヘーテっていう町だ
カヘーテって知らない場所だな
外国ぽい名前なんだけど、外国じゃない所なんだよな
「カヘーテだっけか、もっと他に情報はないの?
考え始めた、すごく悩んでいる!
それぐらい、情報がないらしい
「あっ、京舞、アニメ好きだったよな?
高校の時、友達の紹介でアニメは大好きだ。
今でも時間があればアニメを見ている。
まあ、今は時間がたくさんあるから見まくっているけど。
「まあ、好きだよ。それが何?
「それに出てくる場所で、なんだっけ、『いせかい』ってあるだろう?そんな感じの場所だ
いせかいってあの異世界か!まさか
この世の中に異世界が
「いや、お父さん、異世界っていうのはね、日本とか外国と違っていて
さっき、違うって言っていよな
「そうだ、そのカヘーテっていう町は日本とか外国と違っているぞ
うん。そうだ、違うらしい。父の話しがほんとなら
「異文化人とか、日本や外国にないものがあるんだよ。
「アニメではそんな感じだよ。異世界って
大まかな異世界っていうのは、現実世界とは違う。
今見てる、見たことのある景色やものはなく、全てが新しいのだろう。
「その、今京舞が言っていることが、カヘーテにはあるんだよ」
ますます、意味が分からない
「で、京舞、異世界に行く気はあるか?
「うーん。ちょっとだけ時間ちょうだい。今週中には決めるから
今週中、後、3日しか残ってないな
「分かった。一応、母さんに話して置いたから、後は、京舞の決断だけだからな
「分かった。考えておく」
「よろしくな」
電話が切れて、深く深呼吸して、いつもの日常に戻る
2 決断
今日のアルバイトが終わり、家に帰る。
自分の部屋に戻る。
今日の連絡での件を振り返る。
「異世界か…どうすかな
迷いがある。
このまま、日本で何もやりたいとこが見つからないとそれはそれで、問題だ。
異世界って、どんな感じかわからない。
命の面を考えると、日本で暮らしていた方が安全。
考えていると腹が減った。
ご飯ができた頃だから、下に降りるか。
下に降りると、妹と母が先にご飯を食べていた。
「お兄ちゃん、帰ってたんだ
「あ、今さっきな
「京舞、帰ってきたなら『ただいま』ぐらい言いなさいよ
「ごめん、疲れてて
今日も変わりなく、母が作ったご飯を食べる。
ありがたいことなんだよなぁ
「そうだ、京舞、お父さんから聞いたわよ。
「お父さん、京舞のためにいい場所見つけたんだってね
「お兄ちゃん、そうなの?この家出るの?
「わからん。父さんから今日連絡きて、そう言われた。だけだよ
「お兄ちゃん、早く独立しなよ
「そうよ、独立して、もっと、世間見てくるべきよ
「そうなんだけど、独立って結構難しいんだよ。お金とか、時間とかたくさん必要とするんだ
「「それが、当たり前
恥ずかしくなった。
そそくさと食べ、その場を後にし、部屋に戻った。
さっきも言ったとうり、独立にはお金と時間が必要だ。
時間に関しては余裕しかないが。
お金といえば…
気になったので、通帳を見るまだ今月のアルバイト代が入ってないが。
通帳残高…67万4653円だ
基本的にはあまりお金を使わないが。
親に渡す生活費で結構な額を持っていかれる。
これも、うちのルールだから仕方ない。
色々考えてはみたが結局。
今日は異世界への永住の件に関して何も決まらなかった。
次の日、朝起きて、午前中のアルバイト出かける。
今日は妹と母が家にいるため、家に帰ることに気が進まず。
午後は図書館で、読書をすることにした。
いつも読んでいる、本棚。
歴史の下に設けられている、ライトノベルの棚に目を向ける。
ライトノベルが数多く並ぶ中の棚の右端に古そうな一冊の本があった。
手に取ると今にも壊れそうな感じだった。
開くと数ページしかなく、表紙にも何も書かれていない本だった。
名前もなく、書いてあるとすれば。
最初のページに『カヘーテ』の文字。
「カヘーテ」って昨日聞いた、異世界の町の名前じゃん。
その本をめくると、中は白紙。
「なにも書いてないじゃん
それでも、最後まで一枚づつめくっていくと。
最後のページにこんなことが書かれていた
『カヘーテの永住者募集中、白紙のページに物語を描くのは、君だ!』
なんなんだ、この、誘いの仕方は。
間の抜けた、本は元の場所に戻し。
これまで、読み進めていた本を探す。
読書を開始してから5時間ぐらいが経とうとしている。
そろそろ、家に帰らないといけない時間だ。
そんな時のこと。
父から、一通のメールが来た。
『パンフレットと申請の書類家に送っておいたから、目を通しておくように。しっかり、決めろよ!』
はい、決めますよ。
今後のことを考えて。
家の玄関に入るとと、小さな箱が置いてあった。
「ただいま、この箱何?
「おかえりなさい、お父さんから、京舞宛に、昨日の件のやつだって」
部屋で読むことにしょうと決め。
ダンボールを持ちがあげよとする。
…とてつもなく重い。
どれだけ詰め込んでるんだよ。
書類関係がたくさん入っているのだろう。
箱を持って、部屋に入り。
箱についているガムテープを剥がす。
予想通り書類が入っていた。
分厚いやつだ。
中には、永住申請書、カヘーテパンフレット、カヘーテへの申請書、そして、一番下に、二つの鍵があった。
鍵の横にあった、メモ用紙を読むと。
一つ目の煌びやかな鍵は異世界に行くための鍵で、二つ目のちょっと錆びれた鍵は、カヘーテのでの家にの鍵らしい。
ってことは、『家あるんだ!』
家とかの準備はできているんだと思うと。
とてつもなく、永住なんて簡単じゃあねぇ。
ここで、改めて深く考える。
あの本にも書いてあった様に、広告とかしてまで、街人を募集している。
もしかして、これは優遇されている。
「なんーて、そんなことないよな」
でも…もしかして…
淡い期待で心が揺らいだ。
一階に行き、今さっき、高校から帰ってきたであろう妹と料理中の母に告げる。
「父さんが進めた、所に行くかもしれないんだけど?
「頑張るのよ
「なんか、お土産あったらよろしく
かるいな、そんな感じでいいのか?
「ほら、もっと、なんかないかな、うーん、お兄ちゃん頑張ってとか、寂しわねとか
そう、別れを惜しむ声が欲しい
春から一人暮らしを始める就職生なんだよ。
もう少しなんか、ないかな。
聞きたいーな。
「なに、いってるの!今まで、お母さんも苦労したんだから、離れてくれるなんて、嬉しい限りよ
なんか、ごめんなさい。
「お母さん、お兄ちゃんがいなくなったら、あそこに、荷物置いていい?
「服とか本とか、部屋に入りきらなくて、物置いっぱいだからいい?
「いいんじゃないかしら
妹は喜んでいた!
寂しさとかより、嬉しさがストレートに伝わってきた。
その後は、女子2人、母と妹が会話で盛り上がり、こちらに耳を貸すことはなかった。
呆然と部屋に戻って、ベットに横になりながら、カヘーテのパンフレットを見る。
色々と書いてある。
冒頭には、極秘と書いてあり。
続けて、他への伝承はおやめくださいと書いてあった。
産業の町
カヘーテにようこそ
カヘーテでは、文字も違えば文化も違う、みなさんの知っていることはカヘーテでは、意味がありません。初めて来た方は、大変、苦労すると思いますが、どうぞいらっしゃってください。お待ちしております。なお、街に来ました、役場の方にいらっしゃってください。説明いたします。
PS.パンフレットの内容はほんの一部でしかありません。他にもたくさんあります。
続きまして…。
それ以降の文は、カヘーテの歴史から、今の現状などさまざまな内容が書かれていた。
カヘーテの事に関するいろいろな事が書かれてあった。
今回、読んだことをまとめると。
主に三つの情報が知れた。
一つは貿易によって街が主に成り立つている約9割だそうだ。
二つ目は人口が少ないそうだ、500人ぐらいだそうだ。
最後に三つ目は、カヘーテという街が大きいということだ!かなり、想像以上にだ。人口と土地の規模が釣り合ってないということだ。
情報から推測するに、貿易だけで暮らしていてはきっと近い未来、財政難が起こるだろうし。
人口と土地釣り合いがあわない分、きっと、いつかは人口減少が街に響くだろうと思う。
しばらく、悩んだすへ。
決意した。
『カヘーテにいく!』
行くことによって、街の問題少しでも解決するなら。
人から期待されなくなっていた日々に。
少しでも、自分の活躍の場があるのならば。
3 出発
決まったことを報告する為にお父さんに連絡する。
「もしもし、父さんが言っていたところに行くことにした
「そうか、よく説明読んだか?しっかり、カヘーテでも頑張れよ、今よりも更に成長すると思うぞ
父さんのその言葉に嬉しさを感じた。
「京舞、書いてあったと思うが一度言うぞ。
「異世界に入ったら、こっちの世界には戻って来れないからな!
えっ、そうなの?
「そんな、ことどこにも書いてなかったよ?
パンフレットにはそんなことは一つも書いてなかった
「ちゃんと見たんだろうな、申請書類の方には書いてあったはずだが
申請書類に目を通していなかった。
じっくりと見る。
書いてあった…。
注意事項が多く並べられている中。
注意事項の14番目に書いてあった。
今回のカヘーテへの永住におきまして、今いる世界と異世界への移動はできません。そのため一度、異世界へ行った場合は、今の世界に帰ってくることは出来ません。あらかじめご了承ください。
って…書いてあったし!
「書いてありました…
「だろう。それでも、行くのか?
決めたことだし、男に二言はない。
「行くよ
「お、さすが京舞だな」
「じゃあ、明日、その鍵に書いてあった、カヘーテへの扉のところに行くんだぞ
「分かった
そして、電話が切れ
カヘーテへの準備を始める
4 旅立ち
そして、翌朝、いつもの時間に目がさめる。
昨日のうちに準備をしておいた、荷物を持って。
一階に行くと、お母さんと妹がいた。
これも、いつもと変わらない。
変わらない日常がどれだけこころ苦しいか。
いつもの様に朝食を食べる。
「今日、行くから
「頑張ってきてね
「行ってらっしゃい
これも、変わりのない会話だ
食事を終え、身支度を済ませ。
家を出る。
同封されていた、カヘーテへの扉へ案内の地図があった。
まず、最寄りの電車に乗って3駅。
その後バスに乗り、最後は徒歩で50分位かかった。
そして、ようやく、その場所に着いた。
典型的な都会。
the都会って感じの場所だった。
そこの大きなビルの中にあるらしい。
異世界に行くというよりも、就職に来ている様に感じた。
ビルの中に入ると、受付の人が一人居た。
いや、でもよく見ると人ではない。
ぞくにいう、エルフだった。
耳が長く、細身の体型で、目元は鋭い。
初っ端から、異世界感をぶつけてきた。
臨むところの異世界に気持ちが、高まる。
「いらっしゃいませ。書類の提出をお願いできますか?
言われるがまま、昨日書いてきた書類を提出した。
不備、記入漏れはないはず。
これは、就職でよくある履歴書を出している様な感覚だ。
提出した書類を受付の人は一つ一つ確認している。
「はい。書類の方は大丈夫です。
その言葉にほっとしていると。
書類には判子が押され、返された。
「では、正面のエレベーターで3階におあがりください。そこで、鍵の提出をお願いいたします。
またまた、言われるがまま。
エレベーターで、3階に上がった。
3階に着くと、細かく窓口が設けられてあり。
30人ほどのゴブリンが仕事をしていた。
交通部門、貿易部門、販売部門などが窓口に書いてある。
数多くある中で、どれに行けばいいか迷いはしたが。
直感の末に永住部門のゴブリンのところへ
ゴブリンに鍵を渡すと、合っていたのか。
受付していた横の部屋に通される。
案内されている最中。
疑問があり、聞いてみた。
「日本のお金って使えますか?
そう言うと、立ち止まり、無言で金融部門の方に指をさした。
これは、あっちで聞いてこいとゆうことか。
案内の途中を抜け、金融部門の窓口に向かった。
「日本のお金って使えますか?
ゴブリンは頷き、書類を出した。
書く、お金を出せということらしい。
こっちへくる前に、通帳にあったお金をおろしてきていたので、万全だ。
お金を渡すと、すぐさま数え始めた。
そして、書類を書いている間に日本のお金が見知らぬコインに変わった。
コイン一枚を手にとると。
改めて、異世界を実感できる。
金融の要件が終わり。
案内をしてくれている、ゴブリンの元に戻る。
足を進めると。
目の前には大きな扉が立ちはだかっていた。
煌びやかな扉で、輝かしい。
眩しくも、独特な雰囲気だ。
いきなりゴブリンが話し始めた。
「ここが、カヘーテへの扉です。少しお下がりください。扉を開けます。
そう言って、鍵をさし扉を開ける。
開けた先には黒、闇しか見えない。
これこそ、お先真っ暗だだった。
「ここから、カヘーテにつながっています。入ったら、帰ってくることは出来ません。
緊張感、不安感がある。
それでも、足を運んでいく。
ゴブリンが最後に冷静に。
「良い、異世界ライフを
そして、大きな扉が閉まった
5 カヘーテ
長い暗闇を抜けると外に出た。
見渡す限り、草原がいちめんに広がっていた。
その中に点々と家があった。
「それにしても、広いな!」
叫びたくなる様な広さがある。
まずは、パンフレットに書いてあった地図で役場に行かなければならない。
パンフレットを開き、地図を見る。
地図には書いてなかった。
地図にあったのは、黒の点だけ。
地図を閉じ、役場を探した。
この広い中で役場を見つけることは当然のことながら苦労した。
どこかに人もしくは異世界人がいら、聞こうと思ったが、全然、人影も見当たらず。
家にも訪ねては見たが、なにも反応がなかった。
結局、異世界人はいなかった。
見渡す限りの家々を回って。
どれくらいの時間がかかったのかはわからないが、やっと役場を見つけた。
日は夕暮れの時だ。
完全に暗くなりかけていて
各所々の明かりがつき始めた
それを感じながら、役場に入った
もう、役場を閉めようとしていたのか
片付けをしていた。
急いで受付の方に書類を出した。
「はい。カヘーテへようこそ
挨拶をし、にっこりと笑顔をくれた。
申請はすぐに終わった。
「はい。ありがとうございました。それでは、カヘーテでの生活を送りください
と言われ、話しが終わってしまった。
ちょっと待った。
「いや、あの、カヘーテの説明してもらっていいですか?
「あっ、すみません。すっかり、忘れてました。久々、永住の方を見たので
永住をする人はなかなかいないってことなのか。
「説明いたしますと、カヘーテでの通貨はレイと言われるお金になっています。
「カヘーテに住んでいる多くの人たちは、となりの王国ここから、遠くの『コロニヘーヴ』と言われる場所で働いています。
「あまり、ここには働き口がないのが現状でして、パンフレットにもあったように、カヘーテは貿易で成り立っています。
「この役場の方で、時々、販売会をしているのでみに来てください。
淡々と説明され。
あっとゆうまに終わった。
大体が理解できた。
だから、ここには、人影が見えないのだ。
その後、となりの王国への行き方や家の鍵を見せると、家の場所を地図で教えてくれた。
役場を出て、地図に書かれた、自分の家に向かう。
家なんて普通はくれないだろう。
優遇されているのだろうか。
家に到着すると、大きくもなく、小さくもなく、普通の家があった。
1人で暮らすには十分な大きさだ。
鍵を使い扉を開けると、暗く、完全に中が見えない
おそる、おそる、明かりをつける。
天井には蜘蛛の巣が張ってあり、床はホコリが溜まっていた。
ここ何年も手が届いていないようだ。
「はあ…
ため息がでるが仕方ない。
自分で、綺麗にして使えってことか。
他のライフラインの確認をしてみる。
火は自分でつけるしかなさそうだ。
水は、蛇口をひねれば確保できる。
ありがたいことに、井戸もあり、水に関しては困らないで済むようだ。
問題は電気である。
もちろんのこと届いていない。
と言うか、役場もそうだけど、電気がないらしい。
ネットで生きた奴には、辛い環境だろう。
しかし、俺は違う。
基本ネットはしない、基本読書だ。
疲れはあるが、掃除をしないと寝れない。
ほうきで掃き、ぞうきんで拭く。
みるみるうちに綺麗になる。
素晴らしい、掃除っていいな。
時間はかかったが、しっかり片付いた。
随分、綺麗になった。
日が登ってきてはいたが、寝ることにした。
お腹も空いたが、眠さが優先している。
布団がないことを予想して、家にあった、家にあった寝袋を持ってきていた。
すぐさま、寝袋に入り。
眠りに入った。
あっとゆうまに、爆睡。
6 始まり
変なもの音で目がさめる。
まるで、誰かがこの部屋にいるかのような音だ。
「起きたか、あんたが一緒に住むとこになった人か!
いきなりのことで、思考が追いつかない。
金髪、金眼の知らない女の子が目の前に立っている。
「…
「あれ、聞いてないのか?ここは、私の家で、あんたはここに住む!私と一緒にな
この家がこの子の家で!
人暮らしではなく、一緒に住む
いきなり、すぎる。
情報に整理がつかない中。
でも、ここは冷静に。
「そうなのか、俺の名前は神谷京舞だ、よろしく頼む。
礼儀は大切だよな。
「よろしくな、私はベルっていうんだ。
この子、明らかに俺より年下だよな。
『ベル』ね。
「私の両親は、出稼ぎで基本帰ってこない。だから、私がこの家を守らないといけないんだ
この子にもいろいろと、事情があるんだな。
「頑張っているんだな、こんな時間まで、何してたんだ?
「いつものことなんだけど、両親からの仕送りだけで、暮らしていられなし、朝から銃猟して、となりの王国に売りに行っているんだ
すごいな、なんか、人間性が負けてるような
「すごいんだな
「すごかなんかないよ。普通のことだ
顔を真っ赤にしながら、そう言うと
「ところでさ、これからお前はどうやって暮らすんだ?生憎だけど、私が頑張っても、私が暮らせるかっていうギリギリのところだぞ
この家の財布は、きついことが理解できた。
家には人は住んでいたが。
日々の生計を立てるので忙しく、手が回ってないのが原因だったか。
「まだ、決まってなくてさ、この近くで、職業の案内所見たいなところとかないか?
それさえあれば、なんとかなると思うが
「ないよ。そんなの!
「ないのか?
なかったらしい。
「カヘーテのみんなは、私が産まれる前に行われたカヘーテの政策によって、王国での商いが認められたんだ。
「最初なんか、カヘーテの人の王国での労働は認められなかったんだけど、王国の王子が変わったおかげで、改善されたんだよ
その後、ベルはため息をついてこう言った。
「でも、その政策は一度きりだけの条件で稼ぎに行ったカヘーテの人たちは王国の暮らしの方がよっぽどいいのか戻ってこないんだよ
「で、ベルの父ちゃんと母ちゃんも王国に
「私の両親は違うよ、私を養うために王国へ行ったんだよ。私も王国で一緒に暮らせばよかったんだけど、私はここの街好きだから、離れたくなくて
なるほどな。
今のカヘーテの現状は最悪なんだけどな。
だから、初日訪ねた時誰も見当たらなかったのか。
稼ぎに行って戻ってこないか。
ベルは嬉しそうな顔をして。
「だから、キョウマがカヘーテに来てくれて嬉しいよ
歓迎されて、しまった。
日本とかではそんなこと言われたことなかった。
照れる。
顔が熱くなるのを感じる。
「なあ、明日さっそく、王国へ行こうと思うんだが案内してくれないか?
「別に構わないけど、本当に働き先は王国にはないよ。
「働くのも、重要だけど、王国ってどんな感じなのか気になるんだ
分かったと言って。
「私、寝るから
そう言って、奥の部屋に入って行った。
そこに、部屋あったんだ。
二度寝に入った。
7 コロニヘーヴ王国
カヘーテでの1日目の朝がきた
「おはよう、よく寝れたか?
「あー、大分昨日の歩きまわった疲れは取れたよ。
昨日は感じなかった、足の疲労が今日は筋肉痛としてきてしまった。
「なら、よかった
王国へ行く準備をし家を出た
今日の天気は清々しい程の晴れだ。
ちょうど良いほどの温かさ。
時より風が草原をなびかせる。
風は心地よく、肌を触れる。
足の疲れをさらに感じ始めた頃に聞いた。
「今どのくらいなんだな?結構歩いた気がするが
「うーんと、今はまだ半分もきてないよ
これで半分もきてないのか?
ベルは昨日もこの道を歩いたって言っていたよな。
だから、幼いにしてもスタイルが凄まじのか。
おそるべし、運動能力。
と思いつつ、ベルとの会話に花を咲かせ。
王国が見えてきた頃。
「キョウマ、王国コロニヘーヴでは、入国審査を行うんだ、いろいろ聞かれると思うんだ。
「くれぐれも、嘘をついてはダメだぞ
国に変な奴を入れないために、審査があるのだろう。
「それは、分かった。嘘ついたらどうなるんだ
「もちろん、最悪死刑だよ」
死刑かよ。
「入国できる私たちには、この入国カードが渡されるんだ。入国時にはきちんと提示して王国に入るんだ。
入国カードを良く見ると、名前、年齢など、一般的なことから、貯金の金額などが記入されてあった。
「ここに書いてある、数字やお金は、歳のカウントやレベルのカウント、支払いとか収入がされていく時とかに使えて。入国手数料とか、購入時とかこのカードの金額が減っていくの。王国以外でも利用が可能なんだぜ
凄い便利だな、この入国カード
そう話していると、到着。
「着いたよ。
「ここがコロニヘーヴ王国だよ。受付はあそこ、頑張ってな
ベルが指をさした方に向かっていくと
受付には3人の男がいた
右端の体格のいい男が
こちらに、睨みをきかせている
まずは、精神的に見てくるということか!
負けじと、こちらも睨みをきかす。
簡単なまでに睨みの勝負に勝った。
そして、真ん中にいた細身のメガネをかけた男が
「ただいまより、入国審査を行います。質問が複数ありますので、嘘いつわりなくお答えください。
「入国カードを発行するにあっては、内容の変更は認められません。
「良く覚えておいてください。
真剣な表情で語られた。
その後は質問攻めだ。
「お名前を教えてください。年齢は、性別は、お住まいは、貯金の額は、」
などよくある質問の内容に答えたり、答えくいのもあったりと大変だった。
意外なことに日本での、生活ぶりや家族構成なども聞かれた。
それだけ、厳重なのだろう。
「最後の質問です。カヘーテにきてまだ、決まってないと思いますが、決めてください。
「あなたの仕事はなんですか?
いや、仕事なんて決めてないし、迷っているんだよな。
俺が迷っているのを見て、考えたのか。
王国での様々な仕事を勧めてくる。
商い、販売、製造、建築、冒険、芸者、貿易など興味深い職業が多くあった。
でも、思った。
カヘーテにきてカヘーテで働かなければダメだろう。
せっかく、ベルの家で暮らすんだ。
ベルに寂しい思いをさせたくない。
「あの、カヘーテで働ける仕事ってありますか?
男は、目を点にし、笑う。
「本当にカヘーテで働く気ですか?カヘーテで働いている人なんてそんなに多くいませんよ
ですよね。
納得のいく答えだ。
続けて、男は言う。
「カヘーテなんて、価値がないですよ。王国で安定した暮らしをしてくださいよ。
その言葉に、気持ちに火がつき言ってしまった。
「カヘーテ働きます。そして、仕事は…
勢いで言ってしまった。
考えていなかった。
カヘーテが豊かになり、カヘーテできること。
考えてみる。
そして、「カヘーテで、農業やります
男は、冷静に「分かりました。農業ですね
質問が全部終わり、控え室に移動された。
小学校の頃によくある芋掘り体験しか、農業しかやったことないし。
本当に農業できるかな。
「京舞さん入国審査が完了し、入国が認められました。「これが入国カードです。説明ますと、ここに書いてあるレベルは職業レベルで京舞さんのレベルです。
「今は1レベルです。これからはレベルアップに励んでください
と、言われ他にもさっきベルから説明されたことやカードの更新などの話しをされた。
男から、入国カードを渡された。
入国カードを門番に見せ。
いよいよ、コロニヘーヴ王国に初入国した。
門をくぐり抜けると、入り口付近の方でベルが手振っている。
「おーい、こっちだよ。キョウマ、早く
ずっと待っててくれたのだろう
「キョウマどうだった?なんかあった?」
顔が近い。心配してくれてたんだな
「結構質問されてさ、カヘーテで働くとか仕事は農業やるって言ったら笑われちゃって。」
「それや、そうだよ。農業なんてやる人いないし、カヘーテでも、コロニヘーヴでも、見たことないもん。」
そうなのか…希少な職業の選択したな。
じゃあ…目の前に広がっているこの市場はどうやって成り立っているんだよ。
「ここの市場の果物とかあれとかこれってどこからのものなんだ
「私も知らないけど、貿易物だよほぼほぼ」
そうなのか、それにしても品揃えはいいな。
「そうだ、職業で困ったら、あそこに行こう
って言われて、ベルに案内されたところは
「職業屋だよ、大体の職業のマニュアル本を売っているの。
「私もここで、銃猟のマニュアル本買って、レベル上げたの。でも、まだ13レベルだけどね
そう言ってベルは職業屋に入った。
「ごめんください、おばちゃんいる?
「お客さん連れて来たよ。お客さんだよ
その声を聞き、のれんのかかっている奥の部屋から腰を曲げて出てきた
「おやおや、いらっしゃいませ。」
「おばちゃん、久しぶり。」
「ベルかい、元気にしてたのか?すっかり姿見なくなったから、心配したよ」
「ごめん。最近、忙しくてさ。
「今、13レベルまで成長しました。凄いでしょう。それより、お客さんだよ。
凄く微笑ましい。
仲がいいな。
笑顔で溢れた二人の会話は暖かい。
「おめでとう。これからも、頑張るんだよ
おばあちゃんは、こちらを向き改めて挨拶をした
「いらっしゃいませ。職業屋の店主のリーサと申します。
曲がった背中を少し曲げてお辞儀をしてこちらを見た
「昨日からカヘーテに住むことになりました。京舞って言います。よろしくお願いします。」
「昨日からっと言う事は、異世界の方ですか!キョウマさんね、よろしくね
お辞儀をするとにっこり笑顔で頷いてくれた。
そこからは、世間話しからさっきの入国審査でのことを話した。
本題の職業について聞いてみた。
「農業ってどうなんですか?詳しい情報が欲しいですけど」
リーサさんはゆっくり頷きながら
「農業はね、なかなか人がいなくて、最初の方は、農業やる人は居たんだけど、国の政策によってコロニヘーヴ王国に稼ぐ人がたくさん集まって、農業をやる人はいなくなったんだよ
そうだったのか、農業はやっていたんだな。
その後は、農業をやったらどうすればいいかとか、レベルの上げ方などを教わった。
そして、リーサさんは、部屋に並べられた大量の本棚の中から迷うことなく、一冊の本を取り出す。
「これを、読むといいよ
そう言って渡されたのは
『農業アニュアル本』だった。
中を開いてみると。
作物名や育て方など農業に関することや、はたまた、収益の取り方や費用について書かれていた。
ページ数は、500を超えていた。
「絶対に捨ちゃあダメだよ。ページのデータは更新されることもあるからね。きっと、良い情報が出ると思うよ。
凄いな、この本。
まるで、魔導書の様だ。
しっかり、勉強しないと。
「じゃあ、『農業アニュアル本』だから一万レイになるんだけど
「そんなにするんですか。
「古くて貴重なものなんだよ。他のマニュアル本だと六千レイぐらいなんだけどね。
やっぱり、お金払わないとだめですよね
まあ、日本で稼いできたお金あるしなんとかなるけど。
その時、ベルが「キョウマ大丈夫?お金ないよね!ここは、私が払うよ」
と言って、ベルはリーサさんにカードを渡し支払いをした
ベルのカードの金額の欄を見てみると
やはり、少なくともベルにとって一万レイは大きい。
それでもベルが、嬉しいそうにこちらに笑いかける。
「キョウマ、これから頑張ろうね」
と言って笑顔を見せた。
リーサさんと別れて。
市場をもっと見ていくことにした。
たくさんの、野菜、果物があり。
入り口の方にはなかった肉関係も売っている。
宝石関係、木材、武器、防具、様々なものが多く売っている。
「あっ、そうだ!ベル、ベルは両親に会わなくていいのか?この近くなんだろう
ベルは首を横にふると俯いて
「いいの!会うと寂しくなるから、離れたくなくなっちゃうかもしれないし
そう言って、少し黙った
いろいろと苦労しているんだな
よし、決めた。今日は食べよ
「ベル、今日は何食べる?いっぱい食べようぜ
不思議そうに見つめてくる
「いいよ。大丈夫だよ。お金がないし。
「支払いはするから、言ってくれ
入国カードをベルに見せる。
驚いた。まるで『お金あったの!』って感じだ。
「キョウマ、お金あったの!」
予想どうりだった。
ベルは入国カードの金額の欄を数え始めた
「いち、にい、さん…65万レイもあるの!凄い
カードを返されて
ベルが満面の笑みで
「ありがとうございます
と言って、次々と食べたい物を言っていく
果物、肉、野菜、パンなどをたくさん買った
ベルは満足そうに、ずっと笑っている。
所々にある、出店で食べたりもした。
甘いお菓子から、珍しいものまでお腹がきつくなるほど食べた。
「今日はありがとうね。こんなに買ってもらって。
「明日から、生活がだいぶ楽だよ。でも、もちろん、仕事はやるよ
しっかりしてるな、ベルのこと見習わないとな。
「役に立ててよかったよ。
「俺も明日から働かないとな
と思いながら、買ってもらった本をペラペラとめくる。
そこで、明日から必要になる準備物を確かめる。
書いてあったのは、道具からタネのことまでが書いてあった。
レベルごとに扱えるタネがあるらしいのだ。
そのため、1レベルで扱えるタネが非常に少ない。
じゃがいもにんじん、キャベツぐらいだ。
この中からの選択らしい。
迷っているとベルが本を覗きこみ
「じゃがいもか、いいな。キョウマ、じゃがいも育ててよ
と、顔を近づけて言ってくる
それだけ、じゃがいもがいいらしい
「分かった。じゃがいもを育てるよ」
それを聞いて、嬉しいのか飛び跳ねた
「じゃがいも、じゃがいも、じゃがいも」
歌まで歌い始めた。
そんなにか。
と言うことで、じゃがいもに決定した。
じゃがいものことが書かれているページに移る。
そこには、タネの販売場所が書いてあった。
他のページも開いて確認するとどこも同じタネ屋だった。
「これに書いてある、タネキ屋って知ってるか?」
ベルは考えて、思い出したのか。
なぜか、わからないが、走り出した。
「こっちだよ、ついてきて
ベルの足の速さに追いつけるはずもなく、それでも必死について行った。
「早くこないと、閉まっちゃうよ
空をみると、日が隠れ始めている
ベルのおかげでなんとか閉店ギリギリに店に着いた
店主は、勢いよく入ってきたことに驚いていた。
息を切らしながも、店主に聞いてみた。
「農業をやろうと思うんですけど、じゃがいものタネありますか?
店主は、それを聞き
店内の一部に指を指す
そこには、じゃがいものタネ…というかじゃがいもが芽を出した物が袋いっぱいにあった。
これが、タネ。
こんなんで、出来んのか。
袋売りのため、1袋購入して店を出た
その後は、送迎の馬車を頼もうと考えたが
店が閉まっていて、結局歩いて帰ることになった。
ベルは両手に買った、食料の袋を持ち
俺は重いにじゃがいもの袋を抱えて来た道を歩いた。
きた時よりも、多く休憩を入れながら。
時間がかかってしまったがなんとか家に到着した。
家の中は完全に真っ暗
明かりをつけるのも面倒になり。
手探りで寝床を探して、就寝した。
8 外出
朝早くから、足音がしていた。
そう感じ眠ってしまった。
まだ眠気が残る中
起きることにした
食料袋の中身が溢れていたのが目についた。
忙しく、猟に出かけたのだろう。
テーブルに一皿分の食事が用意されていた。
朝ご飯は食べて行ったようだ。
もう一方の方は、用意をしてくれたのか
今日はサラダとパン。
ありがたく、いただくことにした。
皿を洗い。
食料を家の地下の倉庫にしまった。
そして、いよいよ仕事を始める
始めるって言ってもなにをすればよいかわからず
まずは、マニュアル本を手にとり、読む
すると、まずは『耕す』と書いてあった
道具はクワを使うらしい
以前、確認した際に、農業の道具は一通りこの家にあり使えることが分かっていた
家の後ろに行き、『クワ』を手に取る
そして、考える
どこで、農業をやるべきか?
周囲を見渡しても果てしなく土地は続いているが、土地も人の敷地だ
勝手なことをしたら怒られてしまう
悩んだ末に、役場で聞くことにした
役場の前はたくさんの人で賑わっていた
今日が、以前受けの人が言っていた
役場で行われる販売会らしい
王国まで、いけない人がこのカヘーテの役場に来て買い物をするらしいのだ
王国よりも安く売っているがわかる
昨日見たものよりも、品物がよく、値段が安いのだ
役場の人でない人が売っている
若い人から、お年寄りの人まで販売をしている
日本でいうところの、『フリーマーケット』によく似ている
その光景に目を配りながら、役場の中に入ると
以前、来た時と同じようにガラガラの状態だ
受けの人が、奥で1人、仕事をしていたので聞いてみた
「農業をしたいんですけど、土地ってどこまで使えますか?
それを聞いてその人は
「えっと、どこまでとかはあまりなく基本的に迷惑をかけないということでしたら、構いません
そんな感じなのか、心配して損した気分だ
家に戻り、農業を始める
家の前の裏の場所でやることにした
まずは、本に書いてあった『耕す』をやってみる
クワを持ち、地面を削るように行っていく
慣れないので、一回一回の作業が時間がかかる
数時間後
耕した場所はデコボコでなんとも言えない状態だか
下手ながらに完成した
耕した面積は、広くはない
大股で歩いた際に縦横15歩ぐらいの広さだ
休憩しながら、本に書いてある次のことを読む
次は、『畝作り』をすることらしい
上手く畝を作る際には、まっすぐに作るために
棒と棒にくくりつけた糸を耕した場所に引いてそこにクワを使い畝を作るらしい
図の説明を見ながら、棒と棒に糸をつける
それを地面に設置する
『耕す』と似たような感じなのでだいぶクワを使えるようになってはきたが…
何回も地面に引いた糸をクワで切ってしまった
その度に、仕事は止まり
それでも、なんとか耕した場所に畝を作ることが出来た
これもまた、上手いものではない畝と畝の間がばらばらだし、畝の高さも全体的に違いが多くあった
7畝を作り、疲労感はピークに近かった
疲労感の他にも、完成への達成感と今日の仕事の満足感があり
なんとも、言えない気持ちがそこにはあった
すっかり、薄暗くなったので
家に戻ると
ベルが料理を作っていた
「キョウマ、お疲れ、もう少しでご飯できるから
ベルも、疲れているのにもかかわらず料理を作ってくらるなんて
惚れるほどに、家庭的だ
「ごめんな。ベル料理作らせて
「いいって、キョウマも今日は頑張ってたの見てたよ
なんか、照れるんですけど
ベルがテーブルの上に完成した料理を置いた
美味しそうな匂いが漂う
ベルが一言
「それじゃあ、食べよう
「「いただきます
とても、温かく美味しいご飯だ
ご飯を食べなが、今日の事を話した
役場での販売会のこと、『耕す』や『畝作り』のことを話した
ベルも農業に興味を持ってくれたのか
時々、質問が入りながら楽しい食事をすることが出来た
食事を食べ終わって、ベルに言って皿洗いをやり
身体の汚れを落としたいので、お風呂に入ることにした
ベルに聞いて、お風呂の入れ方を教わった
水をはり、薪をいれ火をつけ、しばらくしてから薪をくべる
そして、いよいよお風呂だ
ちょうどよく、あっためられたお風呂に入ると最高なまでに極楽だった
疲れきった身体が、嘘のように思えるほどのひとときだった
お風呂から上がり、ベルが入ると言ったので、もう1度温めてなおした
ベルがお風呂からでて、自室に戻る前に言ってきた
「キョウマ、私明日から、山にこもって猟してくるから。
「猟団体の集会が明日からあってさ、帰ってくるのは、一週間後ぐらになるから
そんな、ことするのか猟っていうのは
「分かった。気をつけてな
「うん。ありがとう。この家よろしくね
と言って部屋に戻って行った
明日から、1人で生活かやっていけるかな
と不安を感じながらも
明かりを消した
9 農業
昨日の朝と同様に朝は足音で目が覚めた
今日はベルの足音がやけにうるさい
「やばい、寝坊した。
「準備もしてない。どうしょう、どうしょう
って心の声がダダ漏れだ
あんな、しっかり者のベルが寝坊か平和だな「ベル大丈夫?なんか、手伝うことあるか?」
こんな時こそ、俺の出番だ
「あっ、起こしてごめん。
「大丈夫だからゆっくりしてて
ゆっくりって言ってもな…
なんか、ないかな…
そうだ、閃いた!
朝食を作ろう
地下の食料庫に行くってパンと葉物の野菜とチーズをとってくる
そして、主役のハム
今か作ろうとしているのは
サンドイッチだ
この様子では、ゆっくり食べていけなさそうだし
このシュチュエーションにぴったりの料理だろう
まずは、野菜を適度な大きさに切って
、ハムも適度な厚さにしておく
そして、パンの上に野菜、チーズ、ハム、パンをのっけて完成だ
最後に、半分に切って、出来た
『京舞特性、サンドイッチ』だ
ちゃんと、皿に分けて
ちょうどよく、準備が終わり出発の頃ベルが近くにきて
「キョウマ、作ってくれたの?ありがとう。
「行ってきます
と言って、二枚のサンドイッチを素早く手にとり
一つは口にくわえ、一つは手に持って
玄関を足早に出て行った
まるで、泥棒の速さだ
サンドイッチに自画自賛を加えながら、食べた
そして、食べ終え、食器を洗い物をして
ひと段落つき、仕事を始めるため
外に出て、畑に向かう
畑の次の行動を知るために
本を開いた、そこには『植え付け』と書かれてあった
本によるとじゃがいもの植え付けの方法は、小さいじゃがいもはそのまま、大きなじゃがいもは約半分ぐらいの大きさに切って植えるらしい
畝の上で等間隔に並べる。今回の畝は12個ぐら今回、植えたじゃがいもの数は84個だった
この数が多いか少ないかはわからない
しかし、やりきった感は十分にある
ひとまず、農作業は終了したので
次にやることを探す
本を開いて、さっき見ていた次のページをめくる
そこには、見たことのない文字がページ一面に書いてあった
その次のページ、その次ページにも同じように続いていた
続いていた
それは、五ページ程もあった
高校の普通教育では習ったことのない文字だし
日本でテレビとか見てても、こんな文字の話しなんて聞いたことない
英語でもなければ、中国語、韓国語でもない
全く、知らない文字だ
悩んでいた末に、たどりついた答えは
「よし、役場で聞こう
そして、役場に向かった
役場は静かだった
中に入ると、お昼休憩なのか、受付の人が1人しかいなかった
忙しそうだが、とりあえず、聞いて見た
「これって、なんて書いてあるか?わかりますか?
その人は、なんのことかわからないまま
指をさした方を見た
それを、見ると首を傾げ
こちらを見る
「これは読めないですね。
「読める人なんているのでしょうか!
苦笑いを見せると、続けて
「これは、古代カヘーテ文字っていうものなんですけど…、これは呪文みたいなものですね」
呪文か…農業の呪文
「呪文ってなんの呪文なんですかね?
「すみません。分かりません
そうですよね…
ここでは、何も情報を得れずに終わった
次に当たるとこにした
次は、この農業のマニュアル本を買った場所だ
でも、今から出ては夜に王国に到着するので
今日はやめることにした
家に戻り、料理を作る
そして、薪をくべて、お風呂に入る
疲れた身体を休める
温かい身体を、冷まさないように寝袋の中に入った
10 古代文字
次の日の朝、ご飯を作りった
飽きないように、昨日とは違うものだ
その後は、外に出て昨日の畑の確認をしに行った
特に変化ながなかった
井戸から水を汲み、畑に水をやった
早く芽が出て欲しいな
そして、昨日の続きである
このマニュアル本に書いてある古代文字
古代カヘーテ文字を読み解くために、王国に出掛けた
コロニヘーヴ王国までは、時間がかかるので休み休み向かった
そして、やっとのことで王国についた
門番にカードを見せ、中に入る
いつものとうり賑わっている中、間をすり抜けなが
職業屋に到着することが出来た
職業屋に入ると先に先客が1人いた
リーサさんが本の説明をしている
その話しを聞く限りで、目の前の人は冒険者らしい
かっこいい仕事選んだな
魔王討伐とか、正義のためにとか理由で冒険でひと暴れとかしそうだなこの人
と考えながら。前の人は用が済んだのだろう
店を出て行った。すれ違った時に明らかに、嬉しそうな、顔をしていた
番が回ってきて、リーサがこちらに気づいてくれた
「京舞さん、久しぶりね。
「どう?農業の方は
リーサさんは、心配そうに言ってくる
「お久しぶりです。なんとか、頑張っていますよ。
「あの、聞きたいことがあって来たんですけど
『聞きたいこと』に感づいたのか、リーサさんは店の奥の引き出しから本を取り出した
リーサさんはページを探す
見つかったのか、手招きをしてきた
そこに行くと、本の中にはさっきの農業のマニュアル本で見た文字が書いてあった
「この本はね、古代カヘーテ文字を読み解く説明が書いてあるんだよ
そういうと次のページを開いた
そこには、一つ一つの文字に丁寧に説明が書かれてあった
「説明があるからと言っても、読み解くには時間がかかるよ
確かに、見せてもらっている限り、沢山の古代文字があり、そこから、このマニュアルにある文字を探さないといけないのだ
まるで、パズルの様にだ
「それでも、やるかい?
その言葉に、迷いはない
「やります」
リーサは、本を渡すと
最後に、持ち出し禁止と言いった
「京舞さん、今日は泊まって読み解いて行くといいよ」
家にも、戻りたいが仕方ない
ありがたく泊めさしてもらうことにした
泊めさしてもらう、部屋に案内された
そこは、とても広く、1人で使うのがもったいないほどの広さがある
部屋には、ガラスで囲ったお風呂とトイレがあり、日本とも比べ物にならないものだ
王国の家はこれが普通らしい
素晴らしいほどに、綺麗な部屋だ
しっかり、お礼を言って
部屋に入り、さっそく古代カヘーテ文字の読み解きを始めた
冒頭の文からつまずいた
沢山のある語句から一部の語句を探すのだ
認識としては、文字としてではなく
形として、にてるものを探す感じだ
本は、一冊ではないらしい
リーサさんが残りの3冊を持ってきた
どれも、分厚く果てしないことが目に見えた
「京舞さん、これで全部ですけど、大丈夫ですか?
「大丈夫です。頑張ります
そういうと、頷き、部屋を出て行った
よし、頑張ろう
両手で頬を叩き、奮起した
始めてから、どのくらいの時間が経ったのだろう
1ページは、解読出来き、勢いにのって次のページ
2ページ目に移った頃だ
「京舞さん、よろしければ、ご飯食べてくださいな
リーサさんは、にっこりと笑いながら勧めてきた
お言葉に甘えて、頂くことにした
「何から何まで、すみません。
「ありがとうございます
と言って食事処に行くと
沢山の料理が用意されてあった
どこぞの旅館なのかここはってぐらいだ
「いただきます
「どうぞ、召し上がれ
どの料理も、とても美味しく
食べ過ぎてしまったことは、言うまでもない
ご飯を頂いた後は、お風呂も頂き、とてもよくしてもらった
部屋に戻り、さっきの続きを始める
時計の針が部屋を響かせ、時々のペンがはしる音でその音は消えた
そんな感じでやっているうちに、窓から見える月は高いところにあった
そろそろ、寝る時間だ
お風呂に入浴中、リーサさんが用意してくれた布団に寝た
布団で寝るのは久しぶりだな
11 めざめ
すんなりと、眠りについた
次の日の朝、リーサさんが起こしてくれた
ご飯が出来たので、食べてってということだ
またまた、頂くことにした
朝も、たくさん並べられていた
もちろん、朝だからといって残すわけにもいかず、全て食べた
その後は、解読をし続けた
そして、またもや、ご飯をご馳走になった。
そして、お昼が少し過ぎた頃に5ページにも渡る解読が終わった
肩が凝り、目が疲れる
少し、横になり、疲れを取る
見事なまでに、寝てしまった
起きると、リーサさんがこちらを見ていた
「解読はどうですか?泊まっていきますか?ご飯食べてくださいな」
と言われて、解読件を説明し、泊まらずに帰ることを伝えて
ご飯は食べて行くことにした
とても、美味しいご馳走だった。
ご飯を食べ終わり、リーサさんに別れを告げ、帰ることにした
日が落ちそうなころに店を出た
王国を出て、長い道のりを歩いた
日が沈んだ頃だ。目の前が真っ暗でまともに見えていない時
草むらからもの音がする
今、この時間だ、獣がいるのだろう
恐怖があった。きっと、危険な動物に違いない
全力で走った。まっすぐ、走っていることを信じて
でも、結果、真実は外れた。帰る道から外れたのだ
感覚でしかないが、明らかにこの奥には家がないことが感じた
現状、今わかることは、林の中に居るってことぐらいだ
結構な高さのある木に囲まれているらしい
空を見上げると、木々の高さで枠取られている
それに、しても空は美しい位に星が輝いていた
何気ない感動をしながら、直感でしか語れない感を頼りにしながら
家がある方向に向かった
それでも、家には着くことなく途方にくれていた
草むらをかき分けて前に進むと、目の前に明かりが見える
家についたわけはなく、別の明かりだった
焚き火の明かりだった
もっと、その光に近づくとそこには1人いた
その人の、後ろの方にいき声をかけてみた
「すみません。ここがどこだから分かりますか?
声をかけると、その人は驚き、肩が上がった
その人は恐る恐るこちらを見る
ゆっくりと、慎重に、不審でないかを確かめる様にだ
そして、完全に振り向くと見たことのある顔がそこにはあった
ベルだ、泥を顔につけ変装をしている
ベルもこちらに気づき
「キョウマ!
と、結構な大きさの声言った
よっぽど、驚いたらしい
きいなり、たくさんの疑問を投げかけてくる
「なんで、ここにいるの?家は大丈夫?農業はちゃんと出来てる?どこ行ったの?
一応、これまでの経緯を話した
本の解読から草むらから家のこと聞かれたことには、全て答えた
分かること全てだ
こちらも、ベルに疑問があった
この前の話では、猟の会があり、一週間出掛けるという事だった
でも、ベルは1人だった
これは、ぼっちか!
「ベル、猟の会の他の人はどこにいるんだ?
ベルは、周りをよく見て
静かに話した
「そっち側で寝てるよ。私、火の当番なの
そういうことなんだ。納得した
ベルが指を指す方を見ると
土と同化して、見えにくかったがたしかに
何人かの人達が少し向こう側で寝ている
それは、理解出来た
まず、家に帰ろう
「ベル、ここはどこらへんなんだ?家に帰る道を教えくれないか
と言うとベルは、頬をかきながら言った
「実を言うと、私も知らないんだよね。猟の団長が知ってて、それについて行ってる感じなんだ
ベルは続けた
「でも、団長が今は単独行動してて明日の朝には戻ると思うから
今日は、ここで野宿確定らしい
帰る道を明日の朝に聞く事にした
ベルの横に座ると、ベルは笑顔で距離を寄せてきた
そして、たくさんの話しをした
猟の団長のことや今日の猟の内容などいっぱい話していた
時間は、とてもゆっくりと長く流れている様に感じた
ベルも疲れ始めたのか、うとうとしている、たまに身体だ前後に揺れている
「ベル、休むといいよ。
「火は見ておくし、皆が起きる前に起こすから
リーサさんの家でたっぷり寝たおかげで眠気がない
ベルは、安心したのか、俺の足を枕して寝る
なんだ、この展開!女子との急接近
眠気がないとは、いえ、さらに目が覚めた
その後は、近くにあった木などを入れて火を消さない様に注意した
たまに、寝ぼけてみせる笑顔が最高だった
惚れる程のものだった。
そして、火は消え、日は明けた
ベルを起こし、ベルが皆を起こす
「すみません。
「昨日迷ってしまって、ベルさんに助けられまして、京舞と言います
ここは、ベルの仕事場だ。
ベルの為にもしっかり挨拶しないと
そう言うと、キョウマと言う言葉を連呼された
数人の中の1人から
「あんたが、キョウマっていうのか。
「ベルからは聞いてるよ。しっかりしてるな、農業頑張って
褒めの言葉をもらった
ベルの方を見るとこちらを見て赤く火照っている
ベルは評価してくれてたらしい
他の皆からも、『頑張れよ』と応援の言葉が出てくる
それを聞いてて恥ずかしくなってくる
その後は、皆さんと楽しく会話をし、途中で猟の団長きて挨拶をし、道を教えてもらった
とても、親切な人で面白い人達だった
出た場所は、いつもの役場の後ろの方にでた
そこから、いつもの様に家に戻った
家に着くと、気になり畑を見る
雑草が所々にはえている
それを取りつつよく、畝を見ると芽が出ていた
嬉しかった。
なんと、言うか。
耕して、畝を立てた。努力が募った感じだ。
それからというもの。
本を見ながら、生育を進めていった。
芽が出る。
葉の枚数が多くなり。
花が咲き。
花が枯れ。
葉が落ち。
収穫した。
収穫した時ベルは、特に喜んだ。
俺以上に喜んだ。
それは、なんだか心がほっとし。
最高の笑顔に感じた。
合計四ヶ月ぐらいかかった。
その間に、貯金を切り崩しながら生活したが。
対して問題ではなかった。
今回、初にしては意外と経験値が高くかった。
「こらからも、つくるぞ!ベル」
「よろしくねキョウマ」
まだまだ、一作目だけど。
農業はやめらんねーな。
読んでいただいてありがとうございます。
どうでしたか?異世界ライフ
あなたの今を変えることができたでしょうか?
魅力ある、職業に出会えることに幸あれ!