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悪夢は、突然に

「勇哉、英傑。今のアイツの顔見えたか?」

「あぁ、自分の目を信じられんが見えた…」

「・・・」


黙っていた勇哉が口を開きローブを纏った者に質問をした。


「お前は、何者だ?人か?そして、それは特撮か何かの着ぐるみか?」


そう質問し終えた瞬間勇哉は、玄関の電気をつけた。

驚いた事にその姿は、3人の見間違えでもなくはっきりと人間とは思えない長い鼻、鋭い牙、黄色く鋭い眼光、

銀色の艶のある長い毛並み、手足も細く鋭くしなやかな形をしている。しかし、体躯は人間である。

そう、それは西洋の妖怪の狼男の様な姿をしていたのである。


「何を言っているか分からんな。とりあえず、先に俺の質問に答えろ。ここは何処だ?お前たちの種族はなんだ?」


勇哉の質問に耳を傾ける事もなくその狼男の様な者は、自分の現状を把握したいみたいであった。


「何を訳わからない事を言っている!そんな、ふざけた格好をしてここは何処だ?だと!ここは、地球の日本の中に小さな町の1つだ!種族?俺達は、霊長類である人間だ!」


「地球…人間…」


しばらくの沈黙が流れる。


(おい、真、英傑。とりあえず、警察に連絡だ。家に不審者が現れ不法侵入してるとな)

(でも、勇哉あいつ何者なんだその狼男?みたいな格好してるぞ)

(ふん、馬鹿馬鹿しい…。どうせ、何かのイタズラか頭のおかしい奴だろう…テレビ撮影とかならば事前に何かしら連絡は入れるはずだしそもそも勝手に人の敷地には入らんさ)

(しかし、2人とも俺は少し気になる事がある)

(どうした?英傑?)

(話してみろ)

(仮にアイツが何か作り物か何かだったとしよう。ならば扉は何処にいった?そして、あの爆音の様な音は何だったんだ?)


「分かったぞ。理由は分からんが俺は、もう一つの世界に飛ばされて来たのか。おいそこの低級クラス共」


急に狼男が何かを納得し喋り出した。


(もう一つの世界に飛ばされた?低級クラス?)


3人の頭の中は、同じ疑問を抱いていた。


「お前ら知っている事を話せ、誰が俺を転送させた?

お前たちの様な低い「魔」では、次元を超えるような能力は使えんハズだ」

「何を言っている!低級クラスだの「魔」だの転送など次元だのゲームの話ならゲームの中で…」


ヒュン

「ガッ、ドゴォン」


一瞬何が起きたかわからなかった。

意識できた時には、勇哉が狼男により床に頭を抑えつけられてる状態で気を失っていた。

勇哉の無残な姿を見て、英傑が吠える。


「俺の親友(とも)から手を離せぇぇぇぇ!!!」


英傑の鋭い蹴りが狼男の顔目掛けて放たれる。


「ウルセェぞ、木偶の坊」


英傑の蹴りをまるで、シャボン玉に触るかのように容易く受け止める。

しかし、英傑は相手のその1歩先を行き蹴りを受け止められたあとジャンプをし右足でその狼男の目頭目掛けてクリーンヒットさせた。


(英傑の蹴りをまともに喰らったんだあいつは、もう動けない…)


「なんだ、別に受け止める程でもない攻撃だな。魔を宿していても力を使えん下等な種族を人間と呼ぶのか」


ヒュン


また、狼男の姿が消えたと思ったら今度は英傑の後ろに立っていた。


「まぁ、しかしアレだな魔の力も使わずに俺に一撃入れれたお前は大した奴だよ。それに経緯を払い少し本気をだしてやる」


そう言い放つと銀色の身体を覆う長い毛並みは、真紅の様に赤くなり次の瞬間英傑は、真の目の前でうつ伏せのままで倒れた。


「さてと…お前もこの2人の様に無惨な姿を晒して死にたくなければ、自分の意見を言わず俺の質問に答えろ」


(死?死んだ?勇哉が英傑が?死?死ってどうゆう事?もう会えないって事?死?死?死?親友が死んだ…)


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


生まれてきて、18年目にして初めて人の死を身近に感じその恐怖、哀しみにそして親友を失った絶望を味わい。喉から血が出る程大声で、真は叫んだ。


ポリポリ

耳を自分の鋭い爪でかきながら、狼男は思う。


(コイツも何も知らなそうだ。使えんから始末するか)


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