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天国から追い出されて不老不死  作者: ラムネ便
恋と呪いは前世から
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神殿へ

実習が終わり、ようやく夏休みになりましたので落ち着きが取り戻せました!待って下さった読者の皆様!ありがとうございます!

 

 占い師の屋台を出た俺とリリスは、路地裏から出て近くにあった屋台で焼けた塊の肉を買い、ベンチに座って休憩していた。


「朝からなんか色々メンドくさくなってきたな」


「こんな濃い任務とは思わなかった・・・」


 休憩ついでに、これからどうするかを考えるか。

 さて、一度状況を整理しよう。

 このまま向かうにも神殿は近くにあるってことくらいしか分からない。しかし目標はアレックドールの神殿保護調査員。ならその神殿は公的に守られているはず。神殿の位置を知らない兵士がいないはずがない。保護調査員を送るまで、兵士も護衛はしているはず。


 と、なると兵士に聞くのが一番手っ取り早いか。


「リリス。兵士に神殿の位置を聞き取りしてくる。装備を予め」


「は?神殿なら近くだ。歩いて数分の安全な森の中にある」


「・・・なんで知ってんだ?」


「あの占い師、この紙について気がついたらしい」


 リリスがローブの下から出したのは、先ほど兵士に渡された紙だった。するとそこには、青白く簡易的な地図が文字と重なってさりげなく書かれていた。まるで暗号だ。

 リリス曰く、魔力を意図的に流して跡をつくることにより、再び魔力を流した際に青白く発光するというスパイ御用達の紙らしい。

 こんなものを使って連絡している時点で今更だが、きな臭くなってきたな。


「どうするよ公爵。とっとと行かねぇと、杯とやらが奪われちまうぜ?」


「ああ。杯が宝石なのかなんなのかは知らんが、少なくとも俺がやらなきゃいけないことだからな。早く行こう」


「エアバイクでか?」


「勿論!」


 リリスとアレックドールを駆け足で出て行き、人気のない先ほどの林まで来た俺は直ぐにエアバイクを再生成する。

 座席シートに乗り込み全ての機器チェックを済ませると上空50mまで一気に上昇。リリスにナビゲートしてもらいながら、1分で神殿上空にまでたどり着いた。


 上空からエアバイク据付の赤外線カメラで神殿を見て見たが、魔力反応はない。だがあまりに静か過ぎるのも怪しい。普通ならもっとモンスターがいてもおかしくはないはずだ。第三者が荒らしたか、或いは来ないような結界でも張られているのか・・・。いずれにしろ、中に入らない限り分かるはずがないか。


「リリス。このまま神殿に降りるぞ。一応、戦闘準備をしておけ」


 《待ってましたぁ!》


 リリスは直ぐに地上に降りていくので、俺も追いかけるように降りた。

 俺がエアバイクを魔力化させている間にリリスはローブを外し、専用の装備を装着していく。それも、俺が見たことがない新型の装備をだ。白を基調とし、赤のラインを入れた中世の騎士風な柔らかい服に腰に3冊ほどぶら下げた魔道書。そして魔法陣が描かれた黒い手袋。魔法使いらしい装備をこの世界でようやく見れた気がする。


 俺は防弾チョッキ4・乙型と呼ばれる、未来の自衛隊がつけている防弾チョッキに、今回は人数が不明なのでソ連製機関銃であるPKMとHK417、あとは俺の愛銃ことレイジングブルをそれぞれスリングごと生成して身体に装着した。

 HK417とレイジングブルはチョッキに専用のスリングとホルスターがあるのだが、PKMなどの為の機関銃固定器具はない。なのでライフルケースと予備スリングを使ってPKMを入れて背中に強制固定。HK417を腹に。レイジングブルを右腰に着ける。弾薬も装着された状態で運ぶので重いかと思っていたが、スキルのおかげか軽々と動けた。

 更にサーマルとNVGを切替可能なゴーグルを生成した。側から見れば、ワイシャツに自衛隊のようなガチ装備をしたネタにしか見えないのかもしれないが、ワイシャツとズボンはジュリアさんのお手製で動きやすさだけじゃなく通気性にも優れている。普通の軍服よりよほどいい。


「さて、と。突入と行きますか。公爵」


「先鋒は俺が行こう。背後は頼む」


「あいよ!」


 神殿の階段を駆け上がり、入り口付近でサーマルモードで壁に隠れながらリーンして覗きこむ。しかし映るのは壁際に映る温度のみで人の温度は全く見当たらない。NVGに切替してHK417を構えながら中腰で進むが、反応はない。


「クリア!」


「は?」


「ああ、えーとだな。もし俺がクリア、と言ったら敵がいないってことだ。で、ムーブと言ったら先へ進む。敵がいたらコンタクト。あとお前を制止するような手の動きをしたら、止まれってことだ。分かったか?」


「了解したぜ」


「よし。ムーブ!」


 更に先へ進んでいき、HK417のトリガーを予め手にかけておく俺。一応セミオートだが、いざという時はフルバーストで対応する。

 少しずつ明るくなってくる神殿に、嫌な感じを覚えた俺は再び近くの入り口付近の壁にリリスを残して俺だけクリアリングしに行った。物陰に隠れながら静かにリーンして覗いてみると、そこには立ち話をしている男2人がいた。敵の可能性が高い。しかし敵かどうかが全く分からない。


 HK417をやめてレイジングブルを構える。相手はロングソードのみなので、俺が襲われてもレイジングブルで対応できるだろう。

 俺はレイジングブルのコッキングを予め上げておき、物陰から出て男二人に銃口を向けた。


「動くな!」


「なんだお前は⁈」


「いいか!俺はお前達を殺したくはない!俺の質問に答えろ!!」


「ふざけるな!なら先にお前から答えろ!お前は何者だ!」


「俺はこの国から極秘裏に依頼を受けてきた!それ以上は答えられん!」


「アレックドールから・・・?なら、お前はもしかして、隣国の協力者か?」


「それは想像に任せる。お前達は何者だ!」


「俺らも同じ口だ。アレックドールから要請を受けて護衛をやっている傭兵だ」


 目の前にいたのは、アレックドールに雇われていた傭兵だった。彼らを信じるならば、彼らは神殿保護調査員の護衛をしている傭兵。しかし神殿保護調査員の音信は途切れているとの話だ。これでは話が合わない。


「アレックドールから神殿保護調査員の音信が途切れたから救出を頼む、という依頼が来たのでこちらに来たんだが」


「馬鹿を言うな。神殿保護調査員の野郎どもはピンピンしてやがるぜ。報告書も送ってあるはずだ」


「では、お前らが本当に傭兵だという証拠は?」


「これでどうだ?」


 男二人が俺に傭兵ギルドの証明表のようなものをみせてくる。俺だけでは分からないのでリリスを呼んで、証明表を見てもらう。


「これは本物だ。書き換え不能に偽造防止刻印が魔力と一緒に彫られている」


「だから言っただろ?本物だって」


「じゃあ聞かせてもらうが、最近おかしなことは起こってないか?」


「調査員が3人追加されただけだ。他はなんもねぇよ」


 この傭兵達を信じるつもりはないが、取り敢えず調査員が音信不通ではないことは分かった。と、いうことは『影』は騙している傭兵達か、或いは神殿保護調査員かの二通りになる。金で雇われている傭兵の可能性が一番高いが、だからといって調査員を何も疑わないわけには行かない。

 最近入ったというその3人の調査員に注意しなければならないか。


「ありがとう。敵扱いしてしまったことを詫びる。申し訳ない」


「傭兵は信じられねぇ奴らが多いからな。仕方あるめぇよ。行きな。この先に調査員がいる」


「ああ」


 男二人を後にするリリスと俺。もちろんだが簡単に信じるつもりはない。取り敢えず調査員の場所まで行ければ何とかなるか。


 少しだけ歩いて調査員がいるというところに来たが、そこに調査員はいなかった。最初は明らかに傭兵が騙したと思ってHK417をフルバーストで構えたが、背後にいたのはリリスだけであの男達はいなかった。

 何もない少し大きめの空間にあるのは、水晶のようなものでできた一輪の花だった。ガラス細工ではないのだろうかと疑うほどのものだ。


「ほお・・・。そうか。そういうのを真似してんのか!中々面白い!」


 リリスはニヤニヤしながら水晶の花に近づいて行き、触れる。すると水晶の花が開いて兵士のような形を持った『モヤ』が大量に現れる。そして兵士は全員が俺とリリスに武器を向けた。

 リリスは戦闘モードへと突入し、俺はHK417をスリングに引っ掛けて瞬時にPKMに250連発弾倉を用意。弾薬ベルトを薬室に装填しコッキングレバーを上げて、銃口を敵に向けるが襲ってくる様子はない。


「リリス。説明してくれないか?」


「こいつはダンジョンにある水晶月華と呼ばれる花だ。こいつが出して来たモヤの兵士を全員倒さないと、奥への部屋や隠し階段には行けねぇ。つまり」


「倒せって訳か!なら先に説明して欲しかったなぁ!」


「説明するより、見てもらった方が早いと思っててな!だが安心しな!所詮、初ターンは俺達が貰える設定になっている甘ちゃんダンジョンの複製品だ!大した警備じゃねぇ!」


 俺はそれを聞いて、直ぐにゴーグルを魔力化してPKMを床に置き、スネークバンダナを頭に巻きつける。コレがないと近接戦闘が出来ない俺にはキツすぎる。無いからといって死ぬ訳じゃないが、一々リロードする手間が省けるのがいい。

 敵は攻撃すれば消えるモヤだ。徹甲弾である必要性はない。通常弾で薙ぎ倒すだけだ!

 そしてPKMを再び構え、モヤの兵士へ銃口を向ける。


「武力行使を許可する!リリス!戦闘開始!敵を一掃する!」


「了解!」


次の投稿は7月29日を予定しています!

いつも沢山のPV・ユニークをありがとうございます!

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