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天国から追い出されて不老不死  作者: ラムネ便
その名は、ビッグ・サル
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天文台 2

早めに出来たので、投稿します!

 

 天文台。それはエヴィロイド一族が受け継いできた能力。星を読み、人に納まらず国の未来から虫一匹の未来まで見ることが出来る能力。

 しかし所持者である王は他人の未来を見ることができても、己の未来だけは見ることが難しい。難しいというのも、この能力は初代エヴィロイドが民の為にという強い意志が創り出した奇跡の産物。故に自分のことは二の次となってしまう能力が産まれた。


 自分の未来は生涯に4度しか見ることができず、それも幾つかの分岐した未来の自分を同時に見せつける。どれも真実であり、虚構の世界。緻密に重なり合い、別の未来が産まれる可能性もある。


「と、陛下から伝えられた天文台についてはこのくらいです」


「ちょい待ち。だとすれば、何で貴族は王を殺す必要があったんだ?天文台に頼っていれば自分達も安泰なはずじゃ?」


「ビッグサル。まさにそこが問題だ。俺が貴族だったらそれに頼り切る方が楽でいい」


「ですが、当時の貴族連が出した答えは暗殺。噛み合いません」


「実はそこにある問題が一枚噛んでいると言われています」


「ある問題、ですか?」


 貴族連が追い出した、天文台とは真逆の性質を持った能力を所持していた王族直属の部下となっていた一族。

 歴史専門家の間では、初代エヴィロイドは彼らから突然変異して産まれたとも言われているその一族の名は『神花の巫女』。


 当時『神花の巫女』達は各地を旅しており、エヴィロイドの前身である小さな集落に身を寄せることになった。その中で再び旅にでる者とそこに住み着く者に別れ、住み着いた者達で産まれたのが初代エヴィロイドとされている。

 住み着いた『神花の巫女』はエヴィロイドが建国されてからも残り、記録には初代エヴィロイドの直属として配置された。


「ここまでしか記録にはありませんが、陛下は断片的に残された証拠を繋げ一つの仮説を残していきました」


 当時の王と神花の巫女が追放されたのはほぼ同時期であり、それを証明する命令書も発見されている。更に王族の誰かが神火の巫女と過ちを犯し、貴族連の意見により追放、及び呪いを施したという記録も存在している。


 これらの記録から推測出来るのは、貴族連はその頃から既に王を狙い、偶然にも過ちを犯し追放され呪われた二人は計画が上手くいくかどうかの体のいい実験台にされた。

 最終的に追放に次いで呪い付与も成功し、計画に心配がなくなった彼らは王族の追放と暗殺を決行した。貴族連が王妃を殺さなかったのは、まだ腹の中に命が宿っていないと勘違いしていたから。

 事実王立騎士団の手により、情報錯綜が行われていたことが判明している。


 王は暗殺計画を阻止『しなかった』のではない。決定されている未来を見ている以上、『できなかった』というのが正しい。


「まさか実験台にしてるなんてな。そこまで下衆だとは思わなかったぜ」


「ファローズ様。陛下は最後に、追放された者達の消息を手に入れました」


「彼らはどこへ?」


「アレックドールです」


 アレックドールかよ・・・。よりにもよってアイツとの戦いを思い出させるか。面倒なことになってきたぞこれは。いや、何だろう。余計面白くなってきた。

 イカンイカン!自制しろ自制!関わったところでろくなことはない!


「アレックドールか。なら、近場のアルスに頼ってみたらどうだ?」


「アルス王国にですか?」


「確かにあそこは元軍事国家。協力を取り付けるのは容易かと」


「しかし、誰かアルス王国について打診出来る人物がいなければ・・・」


「俺が打診しよう」


「ビッグサル?貴方が?」


「ああ。何なら、国交の締結も打診してみよう。復興に役立つはずだ」


「ビッグサル。ありがとうございます。ぜひお願いします」


 昔っから何で俺はこういう困ってる輩を放って置けないのかね・・・。男だろうと女だろうと若かろうと老いていようと助けられる範囲でやってはいたけど、異世界に来てまでこの性質は流石にいらなかった。

 まあ、請け負ったからにはアルスに打診しておかないと。ウチの王様は比較的フレンドリーな感じだから話くらいは聞いてくれるだろう。


 だがエヴィロイドほどの大国。しかもクーデターの後となるとファローズの身に不安が残るが、ウィグや王立騎士団もいるし大丈夫だろう。


「話はここまでですね。ではそろそろ行きましょう。王立騎士団に、勝利を伝え、復興に力を入れなければ」


 この後政府機関がまだ使えることが分かったファローズは復興本部として使われることに決め、王立騎士団と国民に俺が出したプロジェクターで勝利と政府の民主化を宣言。

 復興が終わるまではファローズが指揮を執ることとなり、冒険者ギルドも過去の法から解放された。

 更に壁の撤廃をその場で指示。国民を一度外壁まで誘導するのは王立騎士団と残された騎士団が行ない、外壁は爆破魔法により完全に撤去。

 スッキリとした代わりに散らばったガレキは闇属性の反重力魔法で別の場所に輸送され。更に破砕。各騎士団により、リサイクルして別の居住施設を作ることで合致した。


 住民の移送や片付け、重機を使ってでのガレキ撤去などの復興の手伝いをしていたら、4日以上滞在していた。

 帰りたいと言うと、ファローズやウィグは俺が居なくても大丈夫だと言ってくれた。ちょっとした不安はまだあるが、壁も貴族連もなくなったエヴィロイドに深そうな闇は見れなかった。逆に騎士団同士での絡みが多くなり、明るくなった。

 最後に、反乱軍と王立騎士団でエヴィロイドから見送ってくれた。


「ファローズ!成就しろよ!お前の答えを!」


「はい!」


 その場で抹消迷彩を発動し、エヴィロイドを離れた俺は取り敢えずアルスに帰る方法を考えながら歩く。


「行ってしまいましたね。彼に、また会えるといいのですが」


 エヴィロイドは後に民主国家として復興に成功した後もファローズが政権を率い、経済国家として列挙に名を連ねることとなるが、これはまた別のお話。


 一方、カッコつけて一人トボトボと歩いていたハインドは森の中に入り、あの枯れた滝壺を何とか発見してそこからこちらに来る時に使っていた移動魔法陣を発見。何とかアルスに帰れた。


次の投稿は3月25日を予定しています!

いつも沢山のPV・ユニークをありがとうございます!

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