ビッグサル・カオス
卒業式などが重なり、かなり遅れてしまいました!
申し訳ございません!
では40話をどうぞ!
「welcom to hell!」
「ウィグ。返事はしなくていい。聞こえてるならできる限り伏せろ。礫が飛んでくる」
電動モーターの音と同時に回転を始める銃身。そこからマズルフラッシュと共に放たれるは毎分約3000発の7.26×51mmNATO弾。
弾薬こそ小口径弾を使用しているが、それが1分に3000発も己の身体目掛けて飛んでくる敵の気持ちになっていただきたい。
避けることは愚か、生きている確率すら低い。いや、そもそも撃たれている時点で死んでいる。更に俺のスネーク・バンダナによる自動給弾に銃身の自動修復という強力なバックアップ機能付き。
対して自分らは発射速度も初速も遅いボウガン、或いは弓。分が悪いにもほどがあるな。
容赦なぞかける気はさらさらないけどなぁ!
「穴あきチーズにしてやるよ!」
ミニガンの弾幕を前に次々と倒れて行く傭兵達。それでも仲間の死を恐れずに向かってくる彼らは少なくとも人を殺す為なら手段を選ばないことがよく理解できる。それに弾幕から逃れる場所が無いわけではない。
傭兵が大量に居たから分からなかったが、ここはどうやら何かの儀式場みたいだ。チラッと見える巨大な柱の数々。おまけに柱に寄っ掛かる形で横たわる幾つかの骸骨。
ここで何があったのかは理解出来ないが、少なくとも柱自体は頑丈な石から削り出されている。そうでなければミニガンの弾を受け止められる筈がない。
まあ小口径弾程度なら、脆い石でも十分弾くけどな。
「これじゃあラチがあかん。しゃあなし」
俺はミニガンから手を離して床に落とし、ロケットランチャーを構えるフォームになる。
そしてM202ロケットランチャーの生成を開始。構えた状態から、いつでも撃てる体勢へと整え、ついでに両手に生成させた。
「ジョシュア!来い!」
これは敵がミニガンの弾幕終了に警戒している間にジョシュアとウィグ、生きてるか分からないほか数人を退避させ、一気に畳み掛ける作戦だ。
ジョシュアは100mもない俺の背後まで彼らを引っ張って退避しなければならない。そんなことを敵が許すわけがなく、再び矢が飛び始めた。
俺はEMPの解除を命令。向かって飛んでくる矢をすんでのところで雷撃装甲を展開して何とか事なきを得た。だが結局話は振り出しに戻ってしまった。かといって雷撃装甲を展開して防御に回らないと俺らが全滅する。
状況は逆に悪くなっかもしれない。
「陛下!大丈夫ですか⁈」
「ああ。それより・・・」
「EMPは勘弁して下さい!今発動したら、雷撃装甲が展開できなくなります!」
「・・・何とかならないか?」
「シールド魔法を展開して下さい!俺は気にしないでいいんで!」
「何をする気だ?」
「いいから!早く!」
ジョシュアが自分の前に水属性のシールド魔法を展開したのを確認した俺は、雷撃装甲を解除。と同時に俺の肩に矢が刺さった。大量に飛んでくる矢を前にしたからといって、今更退くわけにもいかない。怯える暇すら与えられない。
だが所詮相手はただの生物。そこらへんにいる人間やモンスターと大差ない。奴らとて死ぬときは死ぬ。ならば、アドバンテージは不老不死の俺にある!
ここは何としてでも突破させてもらう!
「How do you like me now!」
両手に持っていたM202ロケットランチャーから大量のロケットが敵に向かって飛んでいき、派手に爆発した。
M202ロケットランチャーは4連装式のロケットランチャーで、その瞬間火力はLAWの4倍。つったってLAWを4つくっつけたようなもんだから、簡単な計算だよな。
で、何故ジョシュアにシールド魔法を張らせたのかは分かっての通り。
LAWのバックブラストは木箱をぶっ飛ばすほど強い。それが4連装。しかもスネーク・バンダナと効果で俺が発射をやめない限りは同様のバックブラストが何回も続く。シールド魔法を張らないとジョシュアが吹っ飛ぶ。
ちなみにさっきの言葉はアメリカとかで引っ越しパーティーを開いた時、パーティーの最後に引っ越してきた人間が言うセリフ。これでお開きという意味も含んでいる。パーティは終わったから帰れよ。なんて意味もあるらしい。
つまり『とっとと消え失せろ』ってことだ。
「これが大統りょ・・・火力魂だ!」
俺はロケットランチャーの引き金を引くのをやめた。大量の爆煙を発生させてしまったのもあるのだが、取り敢えずやりすぎとしかいいようがない。爆煙もいつ晴れるか全くわからない。つか地下空間だからやめた方がよかった。次から気をつけよう。
結論から言わせてもらうと、派手にやったせいで柱は崩壊。地下空間の屋根をぶっ壊して地上の光が差し込んでいる。まあそのおかげで爆煙も消えているから結果オーライ。
そして問題の敵なのだが、正直に言おう。殆ど全滅していた。
俺達が魔法が使えるのが見えたのだろうな。奴らもシールド魔法を使っている形跡があった。だがシールド魔法は前面しか守れない。後方での爆発に対しては無力だ。前に屋敷内で教えてもらったことがある。それに背中にかなりの大火傷を負っている割に前面は無事。
ロケットランチャーをまともに食らった形跡がある死体も幾つか見つけた。全て弔ってやることはできない。
一応彼らの名誉のために言うのであれば、相手はただでさえ強力な火器を本来よりもずっと懸け離れた使い方で扱う、不老不死と戦った。
しかも魔法がギリギリまで使えなかったという条件も加えれば、どれだけ劣悪であったかが理解できる。
「そんな・・・私の、私の傭兵が・・・」
「諦めて投降しろ!さもなければ俺のロケランがお前の」
「誰が投降するか!私は逃げ切る!」
「あ!待ちやがれこのガリ野郎!」
「待てビッグサル。ここは私がいく。ファローズ。いるなら彼らの回復を頼みたい」
「分かりました。兄様」
ファローズは俺が渡していた光学迷彩を解除して姿を現し、回復魔法でウィグを含む数人の治療を始めた。
M202もXM196も魔力化した俺は彼らを見ていると、ジョシュアに声をかけられた。
「ビッグサル。私は言ったはずだ。私の目前に連れてくるな、と」
「・・・陛下。お言葉ですが」
「変わっていたか?あいつは」
「・・・はい。この目で確かに」
「ならいい。これなら安心していなくなれる」
「陛下?」
「少し話しすぎたか。気にするな。私は奴を始末してくる。ビッグサル。協力者ではなく、一人の友人として、君に依頼する。必ず、全員ここから脱出させろ」
「陛・・・ジョシュア・・・」
「それでいい。ではな」
「ジョシュア!」
俺は刀のようなものをジョシュアに向かって投げつけた。
「持ってけ!」
キャッチしたジョシュアが刀を鞘から抜くと、銀色に輝く玉鋼の刀が出てきた。
これはハインドがコレンの依頼を聞いて、2093年に造られたものをそのまま作製したものだ。
その名も『RE-キクイチモンジ』。
「ビッグサル!喜んで拝借する!」
「おう!壊しても構わないからな!」
ジョシュアは奴が逃げ込んでいった通路へと走っていく。俺はそれを見届けると、予めファローズと決めていた脱出の手順に従い、後から駆けつけた二人の仲間も含めて地下通路から脱出した。
次の投稿は3月17日を予定しています!
いつも沢山のPV・ユニークをありがとうございます!
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