最終確認
8日間も空けてしまい、申し訳ございません!プライベートが忙しく、執筆している暇がありませんでした・・・。
キーファというコレンの幼馴染の処遇を決め、騎士団に入れて欲しいと言ってもいたので俺は団員証書を作製しに王都へ行くことにした。
ただ、その日は管轄が休みだったので翌日にし、その日はキーファの空き部屋の確保だけで何事もなく終わった。
次の日、丁度朝の郵便で仮面が完成したという手紙が仮面製作の職人から届いたので先にそちらの方へ向かうことにした。俺としてもこっちを優先したい。
73式小型トラックで仮面製作所へ知り合いの使用人と一緒に向かい、到着すると製作所のドアを開ける。が、建てつけが悪いのか中々開かないので使用人が足で少し強く蹴り飛ばし、大声で職人の親父さんを呼んだ。
「おやっさん!取りに来たぜ!」
「るせぇッ!木材が傷むだろうがッ!」
「おやっさんの方が声デケェよ!」
「そうかい!」
二人の会話を見るのは2回目だが、まあこれが飽きないんだよね、全く。漫才というかコントというか。どちらかは忘れたが、俺から見れば芸人みたいだ。
「出来はどうです?」
「いい感じでぃ。ここまで作りこむなんたぁ久しぶりでなぁ。だが、少なくとも俺の全盛期に一番近い出来でぇ」
「中々いい仮面です。ありがとうございます」
「へっ!これが仮面屋の仕事でぃ!で、公爵の兄ちゃん。祭りは?」
「明日・・・いや、今日には」
「そうか。頑張れや。ああそうだ。兄ちゃん。そいつの素材なんだが、仕入れに成功してな。兄ちゃんの要求以上だ」
「それはそれは・・・。ありがとうございます」
「馬鹿弟子!」
「は、じゃねぇや。こういう時は・・・応!」
「公爵の兄ちゃんに迷惑かけんじゃねぇぞ!」
「応!」
その会話を最後に、俺達は仮面屋から離れて屋敷へと戻るために73式小型トラックを走らせた。
ただ流石に走るトラック内部でただ運転して帰るだけ、というわけにはいかない。
コレンには仮面屋に行っている間にいくつかの準備を進めてもらうよう命令しておいた。無論、マグノリアの分もだ。
反乱軍の食料もそうだが、簡易的な回復魔法が込められた魔方陣の用紙を百数枚。テントとかは俺のスキルが役に立ってくれるはずだ。
だが武器を供与するつもりは一切ない。反乱軍全員に供与したところで教育に時間もかかる。そんな余裕はない。誰一人として貸すことなど考えていない。
まあ、昨夜のコレンとのあの会話がなければの話だったが・・・な。
『反乱軍のリーダーに兄、ジョシュアとその妹、ファローズの二人がいます。もしよければ、ジョシュアに武器を供与してくれませんか?』
『反乱軍全員、ではなく?たった一人に?』
『ジョシュアは卓越した戦士です。冷静な対応、緊急時の処理、統率力。内政は妹のファローズのに比べれば粗末なものらしいのですが、彼は反乱軍の象徴でもあります』
『何を貸し与えろと?』
『公爵様の使っている、その光る礫がでる筒ではなく、剣を、お願いしたいと思っています』
『・・・考えてはおく。準備の方は明日早朝にでも始めてくれ。頼んだぞ』
『はっ!』
さて、こんな会話をしていたわけなんだが、剣なんて何を作ればいいのか全く分からない。
そのジョシュアという奴が短剣を使うのか、ロングソードを使うのか、片手剣を使うのか、はたまた巨大な大剣を使うのかやら。
一人くらいは渡してもいいか。どうせ必要なくなったら魔力化して俺に戻せばいいだけだし。
「そう、か。そうだよな。考えてみれば主役は反乱軍。余計なことはしない方が身の為。合流してからはバックアップ面で頑張るか」
そんなこんなで屋敷に到着した俺がロビーに入ると、そこにはコレンが揃えたのであろう回復魔法陣や食料。更にマグノリア用と思われる小さな服までもが用意されていた。
「お帰りなさい。これも出来てるわよ?」
「ジュリアさん!」
「こんな感じでいいかしら?」
「額に無限マーク・・・。綺麗な刺繍だ。ありがとうございます!」
「気にしないでいいのよ。私も久しぶりにやると思って滾っちゃったの。だからマグノリアちゃんの服まで作っちゃった」
「可愛い服ですね。ところでマグノリアは?」
「ご主人!どうだい?ボク、可愛い?」
「可愛いよ」
突然出てきたマグノリアは幾つか服を持って、ミネさんが作ったワンピースからゴスロリ調のドレスへと切り替わっていた。
マグノリアにこんな趣味があったのか、なんて考えはしたが、全ての原因を作り出したのは教育した俺自身だということを思い出した。
ジュリアさんによると頑張りすぎた結果、服を6着ほど作り、その全てに魔法ダメージ半減の術式を追加しておいたらしい。ありがとうございます。
そのあとはコレンに準備しておいた物の一覧の紙を渡され、ついでに幾つか備品も運んで欲しいと言われたので自衛隊タイプのバックパックを追加。重くなりそうだ。
次にエーキル伯爵からマグノリア、人工妖精の生態について俺が分かることだけ伝え、見返りに人工妖精の現在分かっているスペックだけ書類として渡してもらった。
「これで論文のネタも増えたな。今回はどやされずに済みそうだ・・・」
「エーキル伯爵?」
「大丈夫です。独り言です」
「ああ、いえ。人工妖精で質問があるんですが」
「私に分かる範囲なら、何なりと」
「人工妖精って妖精の羽と違うんですか?普通の妖精はイラストで見ると細いですけど、ウチのマグノリアは菱形で8枚あるんですが」
「ああ〜。そのことなら分かります」
いいですか公爵様。主人が離れなければならない時、妖精とて単騎での戦闘が望まれます。
しかし妖精というのは、どうしても単騎での戦闘が得意ではありません。幾つかの群落に存在する、妖精族の長のみが単騎で戦闘を行います。契りを交わしている場合は例外ですがね。
そこで妖精族の長に匹敵するほどの戦闘力を維持しつつ、単騎での戦闘に優れ、高い継戦能力、高推力、かつ従順であるという無茶な要求を成功させたのが、人工妖精です。
羽は通常の妖精のそれではありません。魔力により刃を作る技術、マジックブレードを推進力へ変換したものに変更されています。これにより理論上では加速魔法以上の莫大な推力を持ちます。
「以上です。質問はありますか?」
「推力の理論上、というのは?」
「理論で推測は出来ていますが、実際に見た研究者はいませんから。飽くまでも推測の域です。人工といえども妖精は妖精。仮にフルスロットルで推力を出したとしたら・・・」
「空中分解してしまうと?」
「ええ。理論上の話ですが、フルスロットルの速度は屈強な種族すら空中分解してしまいます。殺人的加速ですよ」
いやいやいや!殺人的な加速、程度じゃすまないだろ?完全に殺しに来てんだろ!主人とか研究者も殺す気だろ⁈古代文明の研究者は皆頭がイカれていんのか⁈
待てよ、逆に考えるんだ。人工妖精などというものを作っている時点で奴らは頭がパーになっているんだ。良い意味でも悪い意味でも。
殺人的な加速を出せるとして、マグノリアに使わせたらどうなるかなんて火を見るよりも明らかだ。使わせる気は毛頭ないがな!
1つだけやれそうな条件ならあるか。俺の雷撃装甲を使えば空気抵抗は恐らく外部のみになる。マグノリアにかかる空気抵抗は皆無に等しくなるはずだ。Gはどうなるかは知らんが。
これはまた別の時にやるか。今は時間がない。それに今回、マグノリアは連れていかない。あいつを失うわけにはいかないからな。
「ハインド君」
「ウェスター伯爵!バンダナ、ありがとうございます!」
「気にするな。それより、あの転移魔法陣の件なんだが」
「復旧はしたはずですが?」
「いや、人数を一人追加だ」
「は?」
コツコツと歩音を立てながら近くは頭に包帯を巻いていながらも、しっかりとした足取りの男。そう。重症を負いリリスにより処置されていたあの男。
「俺の名はロイス・ローズ。反乱軍の幹部だ。俺も連れて行ってもらう」
「そんなわけだ。ハインド君。頼んだぞ」
「了解です。では行きましょうか」
荷物を持ち、伯爵の部屋にある転移魔法陣の元へと向かう。
全ての荷物を確認し終え、魔法陣の起動準備へと移る。その間にアメリカ軍の良さげなバッグを生成し、不可思議を入れて間接侵入のやつも入れておいた。
「伯爵。マグノリアを頼みます」
「ああ」
「コレン。お前は何があっても此方に来るなよ?俺のことは心配すんな」
「承知しました」
「キーファ、だっけか。アンタはとりあえずコレンに付いとけ。コレンが俺の方に行きそうになったら必ず止めとけ」
「は、はひッ」
「では・・・転移、開始!」
魔法陣が光り始め、俺は空を飛ぶような感覚に襲われながらサルの仮面を装着し、エヴィロイドへと飛ばされた。
次の投稿は2月14日を予定しています!
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