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セリーヌの弟子?


「出来たか・・・」

「あぁ、これなら問題無く使えるはずだ。俺が試しに使ってみたが問題無い。」

「悪いな。こんなこと頼めるのはお前位しかいなくてな。」

「いいって事よ。それよりも約束を忘れるなよ。」

「あ、あぁわかってるって心配するな。」


暗い部屋で怪しい会話をする二人の男


「別に勝たなくてもいいんじゃないか?お前が勝たなくてもルドルフかリンセが勝だろ?」

「別に封炎剣が目的じゃないさ。俺の目的は優勝する事なんだ。大勢の人の前で優勝するんだ。するとどうなると思う?」

「注目される?」

「そうだ。そこが大事なんだ。大勢の前で注目され、王から商品を授与されるだろ?」

「そうだな。王自ら手渡すだろう。」

「そこで俺が火の試練を受けさせてくださいと言ったらどうなると思う?」

「まさか・・・それが目的か・・・」

「今まで盗賊を退治してきたのも火の試練の為なのさ。」

「だが、今まで通り民の命を危険に晒す訳にはいかんとか言いそうだな。」

「それは間違いなく言うだろうな。だが考えてみろ。闘技大会が開かれてる時は城下町はほとんど空っぽだぞ。この時しか無いんだ。」

「なるほど。全くお前のずる賢さにはお手上げだよ。もう好きにしてくれ。だが約束は守れよ。」

「わかってるってそれは任しとけ。」


俺はクリストに本当の目的を伝えた。闘技大会で優勝しそのまま火の試練を受けに行く。これなら王も文句の言いようが無い。ギルドにも貢献した。闘技大会でも優勝した。民の安全も確保出来た。完璧だろう。もし何か起こってもクリストやセリーヌ。それにセクターも居る。大丈夫だ。いよいよ闘技大会は明日だ。セクターとライラは無事に到着した。ロイさん達にもガチャガチャを50000個置いてきた。店も一番いい場所を用意したから間違いなく売れるだろう。既に闘技大会が始まる前の今でも店には長蛇の列が出来ている。今年は過去最大級の規模の大会になるとルドルフが王から聞いていた。


「あーてすてす・・・」


闘技場の舞台の上に一人の男がスポットライトを浴びて立って居る。


「会場にお集まりの皆さま!大変長らくお待たせいたしました!いよいよ!いよいよいよ!闘技大会の始まりです!」


会場が揺れんばかりの歓声と共にファンファーレが鳴り響く。


「申し遅れました。私は今回の大会の司会を務めさせていただきます。キャッチーマンです!なにとぞよろしくお願いします。では!開会にあたりましてミカトレア王国、国王様よりご挨拶を頂きたいと思います。」

「諸君!ようこそミカトレア王国へ!今回の大会は今までとは一味違う。今回の優勝者には伝説の剣。封炎剣が授与される!ワシも聞いたことの無い剣だが、ここにいる古代魔術師のクリスト。同じく古代魔術師にして伝説の4勇者が一人セリーヌ様が保障してくださった。この剣は間違いなく本物である。」


王が封炎剣を手に取り、高々を掲げる


「見よ!この力が勝者一人に与えられる!」


剣の先から美しい炎の龍が現れる。その炎の龍は空中を悠々と飛び回り美しく四散する。飛び散った光の粒が会場を包み込む。その光は温かく会場にいる全ての人の心を温める。その美しい光景に会場全体が見とれ、静寂ののち割れんばかりの歓声が響き渡る。


「素晴らしい!美しい!なんとも強く!優しい光なのでしょう!会場に居る皆さまもその力の片鱗を味わったと思います!では闘技大会の開始です!選手入場!!!」


大歓声と共に心躍る音楽が鳴り響く。筋骨隆々の男達がぞろぞろと入って来る。中には子供や綺麗なお姉さんまで、皆、只者では無い空気を醸し出している。


「今回参加選手何人いるんだって?」

「3000人って親父から聞いたな。」

「今までの大会は?」

「多くて200人ってとこか。」

「10倍以上じゃねぇか。」

「会場も10倍広いからな。」


俺とルドルフで参加選手の中でも隅っこの方に固まって話している。リンセもくっついてきている。


「いや10倍は言い過ぎだろ。せいぜい5倍くらいじゃないか?」

「まぁそれだけ封炎剣の力が凄いって事だな。あの宣伝してた紙見たか?」

「あぁ封炎剣をセリーヌが証明するってやつと金貨10000枚以上の価値はあるってやつだろ。そりゃあ金に目がくらむやつがいるのもわかるけどな。」

「まぁ俺達は戦いを楽しもうぜ。っと注目選手紹介が始まったぞ。」


舞台の上でキャッチーマンが注目選手を紹介している。紹介された選手は宙に浮かぶスクリーン映し出される。この映写機のような魔道具はクリスト個人的な持ち物だそうだ。


「えー続きましては赤熱の旅団のリーダー!Aランク冒険者の熱血のハロルド!」


ハロルドの姿がスクリーンに映し出され、歓声が沸き起こる。ハロルドも手を挙げてそれに応えている。


「おっとお次は皆さんお待ちかねのー!ミカトレア第5王子!!ルードールーフー!!!


ハロルドとは比べものにならない歓声が会場を揺さぶる。


「今回はなんと!伝説の4勇者の一人セリーヌ様のお弟子さんが参加するそうです!」


やばいなんかすっげー緊張する。とりあえず手を挙げて周りを見てお辞儀すればいいな。よし。そうだ。こんな所でかっこ悪い姿を見せる訳にはいかない。


「可愛いは正義!リンセ!!!」


スクリーンに俺の背中にぶら下がってるリンセが映し出される。リンセは俺の頭の上に乗り皆に手を振っている。


「・・・」

「ぷ・・・ぷぷぷぷぷぷ・・・」

「おい!ルドルフ!笑ってんじゃねぇぞ!」

「だって・・・洋平・・・ぷぷぷぷぷ」

「今ここでお前を倒す!」

「わかったわかった・・・ぷぷぷぷぷ」

「にゃろう・・・」


ルドルフは笑いを懸命に堪えている。俺は正直かなり落ち込んでしまった。


「そしてなんともう一人!セリーヌ様のお弟子さんも出場するようです!!!」

「お?」

「やったな。よぷへ・・・ぷぷぷ・・・」

「あーもう黙ってろ!!」

「その者!賢く!精霊の如き力の持ち主!」


よし。今度こそ。落ち着いてクールな所を見せるんだ。


「力の化身!ファング!!!!」

「は?」


キャッチーマンの頭上から岩が落ちて来る。その影に慌ててその場から飛びのく。大きな土煙をあげてファングが舞台の中央に降り立つ。その肩には満面の笑みを浮かべているセリーヌが立ってみんなに手を振っていた。


「以上で注目選手紹介を終わります!!!」

「おい!!!」

「ぷぷぷぷぷぷぷ」




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