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洋平VSロダント


ロダントの火魔術と洋平の水魔術が激しくぶつかり合い辺りに衝撃をばら撒いていた。


「アブソリュートゼロ!」

「フレイムフィールド!」


辺りが氷に包まれたと思ったらすぐに炎が辺りを駆け巡りお互いの呪文を相殺する。


「あのカーテルサンとか言う杖チートだな。呪文の威力も高めているとは思われるが、ロダントの魔術に合わせて違う魔術が混ざって来る。」

「火の精霊よ。我が力を使い敵を穿て。インパルスボム!」


俺の足元から炎の魔法陣が広がり逃げ場を無くす。外側から中心に向かって爆発が起こり俺に迫ってくる。


「くっ!アイスピラー!」


咄嗟に氷の柱を使い上へと逃げようとするが柱の土台が爆発により壊されて空中でバランスを崩してしまう。


「終わりだ!フレイムランスエヴォケーション!」


ロダントから炎の槍が飛んでくる。俺は力を込めて貫かれないように氷の壁を出すが、壁に槍が当たった瞬間、槍が爆発し壁の無い後ろから上から下から爆風が俺を包み込む。


「やったか?」


カイネバルと手下達がロダントに合流した。


「いや、まだだろう。だが負ける感じはしないな。さらにお前達が居れば楽勝だろう。そっちは?」

「あぁルドルフもクリストも毒で動けなくしている。あいつらが居ればいい金になるだろ。」

「そうだな。じゃあついでにこいつも殺さないようにしないといけないか。めんどくせぇな。」


俺は爆風に包まれて落下し二人の会話を聞いていた。咄嗟に体を水で覆ったのが功を奏したようだ。二人の会話を待ちゆっくりと立ち上がる。


「どうした?降参か?」

「いや、降参はしないがちょっとだけ話を聞いてくれ。」

「なんだ?」

「ルドルフとクリストを安全な場所に移動させたい。」

「ダメだ。」

「あいつらが死んで困るのはお前達も一緒だろ。」

「お前があいつらに近づいたら回復するだろ。」

「じゃあわかった。一人だけでいい。」

「一人か・・・」

「俺は次に使う魔術は確実に辺り一帯を巻き込むぞ。」

「ふむ。お前はどう思う。」


ロダントはカイネバルに話を振る。

「一人だとするならばクリストだな。あいつはもう精神力はほぼ空だと思うし、仮に回復したとしても魔術が使えなければ足手まといにしかならんだろ。こっちからも条件をつければ悪い事じゃないだろ。」

「何をさせる?」

「精神力を吸収し続ければいいのさ。」


ニヤリとカイネバルが笑みを浮かべ、二人が俺に向き直る。


「わかった。クリストだけなら許可しよう。ただしこちらからも条件を出す。こいつらの武器は対象の精神力を吸い続ける。それをずっと使い続ける。」

「仕方ない。その条件を飲もう。」

「お前らやれ!」


俺から複数の緑色の薄い光が何本も伸び手下の武器に吸い取られるのがわかる。だがこれしき微々たる量だ。俺はクリストの方へ歩き出す。


「すまない・・・」

「クリスト喋るな。俺の質問に答えろ。俺達三人に渡したコンパスどこにある。」

「腰のポケットの中だ。」


俺はクリストの体をまさぐりコンパスを見つける。それに思いっきり魔力を込める。するとコンパスは激しく振動し壊れてしまった。


「俺のコンパスはこっそりリンセに渡して来た。これに気づいてくれればこっちに来るだろう。」

「さすがだな・・・」

「よし、解毒ってやった事がないんだが教えてくれ。」

「・・・解毒は人それぞれのやり方がある。俺の事はいいから、早くしないとお前の精神力が無くなるぞ。」

「いいから教えてくれ。」

「俺のやり方は体を流れる魔力を感じてその異常がある部分を浄化する感じだ。」

「わかった。」


俺は目を閉じ、クリストの肩の傷口に手を当て魔力を優しく流し込んでみる。魔力の流れは体中を駆け巡っていた。これは人間の血管に近い。なるほど。魔力は血管を通って行くのか。この世界に医療と言う物は発達していない。だからこんな事を考えるのも俺だけなのだろう。傷口の辺りに何かクリストの魔力では無い物を感じた。これが毒か。俺の魔力を流しその部分に当ててみると徐々に消えていく。


「凄いな。もう大丈夫だ。」

「動くな。まだ動けない振りをしていろ。俺とあいつらがまた戦ったらルドルフを連れて逃げろ。そして応援を呼んできてくれ。」

「おまえはどうする?」

「俺はあいつらを足止めしておく。リンセか応援が来なければ俺は負けるだろう。ルドルフの治療はここでするな。あいつの事だから俺に加勢しようとするだろう。だがはっきり言って相手が強すぎた。全滅よりはマシな方を選ぶ。」

「・・・わかった。さぁ早く行け。本当に精神力が無くなるぞ。」

「大丈夫だって。俺はクリストの10倍はあるからな。それに切り札もあるから安心しろ。俺は負けねぇよ。」


俺はクリストに背を向け、ロダントとカイネバル達に向かって歩き出した。


「クリストの毒を治さなかったのか?」

「いや、あの毒は俺の知らない毒だったから治せなかった。」

「じゃあお前はただ精神力を吸われ続けてただけって事じゃねーか。あっはっは!」


ロダントとカイネバルと手下達が大声で笑いあう。その間にも俺から緑の光は出続けている。俺は集中する。


「お前達の底は見えた。見せてやるよ!俺にドレインは聞かないって事を!」


俺は俺から出ている緑の光に合わせて思いっきり魔力を流し込んだ。


「うぉ!なんだあの光は!?」

「ロダント様!魔力が物凄い勢いで溜まっていきます!」

「あいつ勝ち目がないとわかっておかしくなったか。」


俺はドンドン魔力を送り続ける。カルと戦った時と同じように。繋がっているからこそ相手のタンクの容量がわかる。俺から出てる光は11本。それぞれが約50000程の精神力を蓄える事が出来る。俺の精神力は最低でも640000.俺も全部を使い切った事は無いが、俺の体感では550000消費してもまた戦える。俺は一気に魔力を送る力を強める。


「ロダント様!だめです!もう持ち堪えれません!」

「なんだと!!まさか・・・そんな事ヒューマンに出来るはずがねぇ!」


手下達の武器にヒビが徐々に入っていき、ついに大きな音を立てて壊れた。


「ふぅ。流石に一気に500000も使うとクラクラするな。だがこれで・・・」


壊れた武器の中から黒い煙がもくもくと立ち上がって来る。それが空へと昇って雲のように広がりを見せ周囲を暗くする。


「なんだあれは・・・っとあぶねぇ。」


地面からザザビルが伸びて来て、ロダントとカイネバルを正面に見る。手下達は壊れた武器の周りで空を見上げている。


「余所見はいけねぇな。もうお前の精神力は残ってないだろ。一気に畳みかけてやる!」


ロダントとカイネバルの二人との戦いが始まった。



あの黒い煙はなんだ!私もわからないぞ!(嘘w)

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