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古代魔術師の使い方



俺とルドルフでクリストの家に行った後、セリーヌと中途半端な会話をし、お互いの自己紹介をした。


「洋平がセリーヌ様の弟子と言う事はわかったし、俺に出来る事ならなんでも協力するぜ。とりあえずは武術大会で優勝した時の後ろ盾になればいいって事だな。」

「理解が早くて助かる。」

「これでも古代魔術師を名乗らせてもらってるんだ。頭の回転は悪く無いぜ。」

「じゃあ今日の所はこの辺で。また近いうちに遊びに来るよ。」

「おう。またセリーヌ様の話を聞かせてくれよ。」


俺とルドルフはクリストの家を出た。いくつかわかった事と言えば、古代魔術師と名乗っては居るが、実の所、親の後を継いで研究をしているだけらしい。クリストの親はウッドと共に魔物の生態について研究をしていた。魔物がどこから生まれてきたのか。そのルーツを辿ったり、どのような繁殖をしているか等、研究は様々だった。その研究の中で魔物の肉を食べたのだ。するとこの世の物とは思えない程の美味さだったらしい。そしてクリストの親は魔物の肉を食べる事を世界に広めたのだ。その功績を認められ古代魔術師と呼ばれるようになっただ。クリストも親の七光では無く。幼少の頃から魔術に秀でており、特に得意なのが魔力操作。一つの魔術において威力を変えたりする事が得意らしい。1%から100%まで自在に魔力の調節が出来る。これは俺もやってみたが、出来て10段階の調節。さすがは精霊の使いと言われたが、クリストはこれを100段階で出来るのだ。魔物の素材を使った魔道具をクリストの親とセリーヌが共同で作ったのだが、非常に扱いが難しかった。だがクリストはそれを難なく使いこなすことが出来る。他の人では扱えない魔道具や古代兵器がクリストの元へと集まって来た。これにより国力に匹敵する程の力を得てしまったのだ。結界魔術に関しても繊細な魔力操作が要求されるのでこの分野においてもクリストの右に出る者はそうそう居ないと言う事らしい。


「普通にいいやつじゃないか?」

「それは洋平がセリーヌ様と知り合いだからだろ。」

「まぁ悪いやつでは無いだろ?何が嫌なんだ?」

「クリストの研究の手伝いをしたことがあったんだが、魔物の解体とかだな。魔物の腹の中に顔を突っ込んだ時は流石に血の気が引いたぞ。」

「あーそうゆう事か。」

「あとクリストもたまに西地区に顔を出すが、好むのは小さいドワーフだな。」

「ロリコンかよ・・・。セリーヌピンチ!」


クリストの依頼を終えてギルドに戻って来た俺達はカウンターで報告をした。


「洋平様。ルドルフ様。ギルドマスターがお呼びです。」


カウンターの女性に声をかけられウッドの部屋へと入る。


「お待ちしてました。洋平様。そしてルドルフ様。実はタナスと言う男について調べがついたのです。実はこのタナスと言う男は旅の風の団の副団長でして。ここ数日は噂を聞かないのですが、人攫いや強盗などをしているようです。常に大人数で行動しているらしいのですが、その姿を見たことのある者が少ないので定かではありません。」

「ほう。副団長か。」

「タナスをご存じなのですか?」

「いや、ちょっと噂を聞いた事があるだけだ。それより旅の風の団について教えてもらいたい。」

「旅の風の団のリーダーはリンセと言うガフ族の女性です。一言で言えば猛獣のような人でしょうか。とにかく凶暴です。構成員は全部で200人を超えると言われています。リンセを筆頭にタナス、ロダント、カイネバルの三名が副団長としてそれぞれ活動しているようです。人攫い。強盗。悪い事は一通りやっているような集団ですね。」

「なるほど・・・。わかりました。ありがとうございます。」

「またお役に立てる事がありましたら何なりと。」

「あー。そうですね。じゃあ早速で悪いんですけど牢屋の空きを200名程開けといてもらえますか?」

「はい?まさかそれは?」

「まぁうまくいけばですけど、ダメでも50は大丈夫だと思います。」

「わかりました。いつでも受け入れる体制は整えておきましょう。」


タナスを餌にしてやればもしかすると旅の風の団を一網打尽に出来るのではないか。そう考えた俺は早速作戦に取り掛かる。ルドルフと二人でギルドを出て旅支度を整える。


「よし!ではこれよりミューズの町へ向かう!ルドルフ君!準備はいいか!?」

「話が見えねぇよ!説明しろ!それと城へ出かける旨を伝えないと。」

「では急いで行ってきなさい!時間は待ってはくれませんよ!詳しい話は馬車で話しましょう。ついでに馬車も一台な。」

「まったく。人使いが荒いぜ。まぁいい。俺は洋平を信じると決めたんだ。行って来るぜ。」


ルドルフは城へ向かって走り出した。


「んじゃ。俺も野暮用を済ませるかな。」


小一時間程経っただろうか。城下町の門の所で待っていると一台の豪華な馬車が向かって来た。手綱をルドルフが握っている。


「遅いぞルドルフ君!時間は一刻を争うんだ!」

「これでも急いで来たんだ。てかなんでクリストまで居るんだよ!」

「俺は洋平に無理矢理連れてこられたんだ!何をするのか全くわからない!ルドルフ教えてくれ!」

「俺も知らん!まったく・・・」

「「人使いが荒い!!」」



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