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ストーカー王子

短くてすんません!


「なるほど、確かにこの試練は勝手にやるわけにはいかないな。」

「そうゆう事だ。俺が親父の許可をもらって挑戦するにしても、住民を避難させてからじゃないとダメだからな。」


俺とルドルフは火の試練を目の前にして二人で牢屋に入って汗を流している。ここは溶岩に浮く浮島。暑さは尋常じゃない。これが焦熱の刑。つまりサウナだ。まぁサウナとは比べものにならない位熱いのだが。


「ガフ族はこの熱さでも平気なのか?」

「いや、結構堪えるぜ。ヒューマンにこれは耐えられないだろうな。」

「そうだよなぁ。さすがに熱すぎる。俺が居た世界にも似たような施設があるが、それは心地よく汗を流せる熱さだ。」

「てかさー」

「ん?」

「洋平ずるいだろ。俺にもくれよ。」

「俺を溶岩に落としたから嫌だ!」

「くそー」


さすがに溶岩の近くに居ればサウナどころの騒ぎでは無い。だが俺は水魔術を使い、足を冷やしている。魔力の調節である程度の温度は調節出来る。だが周りの熱さによって水の冷たさを維持するのは少し大変だ。等と二人でいい汗を流していたら門番から声がかかった。どうやら王がルドルフを呼んだらしい。もちろん俺も一緒だ。俺とルドルフは来た道を戻り服を着替えて王の元へと行く。もちろん溶岩の海は飛び越えた。


「二人共顔を上げよ。」


謁見の間へと通されて顔を上げると、目の前には威厳たっぷりなガフ族の男が居た。立派な髭を蓄え、豪華なマントに身を包み、高そうな指輪をいくつもはめている。


「よく来た、旅の者よ。我はヴォルグ・パーシバル・アレク・ドゥラ・ミカトレアだ。ミカトレア王国の王である。ルドルフの件についてはもう何も言うまい。自ら自分を戒め反省の態度を示してくれた。十分に思うぞ。そして旅の者よ。よく我の息子を助けてくれた。礼を言う。」


あれ?思ってたのと印象が違う。もっと怒られるのかと思っていたのだが。


「旅の者よ。名はなんと言う?」

「洋平と申します。」

「ふむ。洋平よ。ここに来た目的はなんじゃ?」

「はい。火の試練を受けようと思いここに参りました。」

「ふむ・・・。火の試練を受ける者の条件は聞いたか?」

「はい。ルドルフ王子から聞きました。」

「では、我からは何も言うまい。我に認められるだけの功績を挙げれば自ずと道は開けて来るであろう。洋平の道が続く事を祈っておるぞ。」

「はい・・・」

「では良き旅にならん事を」


俺は謁見の間を後にした。ルドルフは王とまだ話があるらしいので一人で城を後にする。


「さーって、どうすっかな。とりあえずは次の武術大会に参加して優勝するのを目標としたい所だが・・・。何かが俺の中で引っ掛かるんだよな。まぁいい。まずは宿でも取るか。」


俺は観光がてらにミカトレア城下町を歩く。町の中央には商業区。東に居住区。西にスラム街みたいな感じだ。スラム街と言う言い方はもしかしたら違うのかもしれない。ただ。昼の時間なのに誰も西へ行く人が居ない。そして暗い。建物は立派なのだが何故か雰囲気が暗い。だから俺にはスラム街のような感じがした。俺はミカトレア城下町で一番グレードのいい宿に泊まる事にした。グラングランを超える高級宿。それがここ。龍の髭。まさしく五つ星ホテルに名を連ねるであろうこの宿は言葉を失う程の大きさと設備だ。値段は言えない位に高い。だが、ここには他には無い物がある。なんと各部屋に風呂がついているのである。やはり風呂と言う物は忘れる事が出来ないものが。至福の一時。ルドルフと牢屋で二晩ずっと話していた。その後のサウナ。体はそれはそれは物凄く臭いだろう。俺はその日、一日を風呂に入って過ごしたのであった。


「朝か・・・」


巨大なベッドで目を覚ます。隣に可愛い女の子でも居れば目覚めは最高なんだろうが、誰も居ない。ふと目を横にやる。


「おはよう。」

「・・・」

「おい。なんか言えよ。」

「最悪の目覚めだ。」

「なんでだよ!!」


目の前には昨日まで一緒に居たルドルフが居た。


「まさか昨日別れてそれで終わりって事は無いよな。」

「なにがだよ?」

「俺達はもう親友だろ?」

「まぁそうゆうことにしとくか」

「洋平を探したんだぜ。親父に絞られてから夜の誘惑に負けない様に頑張って探したんだ!」

「なんだよ。夜の誘惑って?」

「まぁそれは今日の夜のお楽しみと行こう。もうそろそろ昼飯の時間だ。さぁ飯だ!飯!」

「またお前と一緒に行動するのかよ。」

「嫌なのか?」

「嫌だったらこの場で氷漬けにしてるわ!」

「「はははははー」」


二人で笑いながら龍の髭を後にする。ルドルフは会った時から何故か気が合う。波長と言う物だろうか。別にずっと一緒に居ても嫌な気分にならないような存在。話もわかるし、頭もいいし。気も効く。元の世界でもこうゆう親友と呼べるものが欲しいと思った。


「んじゃー肉だな!」

「寝起きなんだが。」

「いけんだろ?」

「まぁな」


等と常に俺をリードしてくれる。俺がこの町を知らないからここはこれを売ってる店だとか。二人で歩いている時でもルドルフは色々な人に挨拶される。それに一つ一つ丁寧に対応しているルドルフ。やはりルドルフは悪い奴では無いと再認識される事になった。


「着いたぞ!ここが俺の自慢の店だ!ここの肉はうめぇんだよ。洋平にも是非食べてもらいたい!」

「俺の居た世界を舐めるなよ。ちょっとやそっとじゃ俺の舌は唸らないぜ。」


二人でルドルフオススメの店に入る。出てきたのは普通のステーキだ。


「普通だな。」

「まぁ見た目はな。ほれ食ってみろよ。」

「こんなんで俺は・・・うっ・・・」

「どうだ?」

「くそっ・・・うめぇ・・・」


口に入れた瞬間に溶ける肉の塊。そして溢れ出る肉汁。噛む事を必要としない。これは飲み物だと脳が錯覚する位の衝撃。肉は溶けるが噛める。その度に肉汁が溢れ出て来る。こんな物は食べたことが無い。


「うまいだろ?」

「悔しいが、今までに食べたことの無いうまさだ。」

「そりゃそうだろ。こいつはキングリザードの肉だからな。魔力をたっぷり含んでいる。」

「肉にまで魔力補正がかかるのか!ずりぃ!」


俺とルドルフはあっと言う間に一枚目を完食し二枚目三枚目と食べた。旨い料理。楽しい会話。これ以上何を求める必要があるのか。俺は至福のひとときを感じていた。


「いやー食った食った。こんなうまい肉を食べさせてくれてありがとな。」

「まぁ友情の証だ。普通の人は食えないぞ。希少な肉だからな。」

「そうなのか。」

「んでこれからどうするつもりなんだ?」

「その前に一つ聞きたいんだが、武術大会にもし俺が出て優勝しても火の試練は受けれないよな?」

「・・・そうだな。すまん・・・」

「やっぱりか。表向きはいい面をして、実は腹黒いって事か。」

「いや、それもあるが、もし火山が噴火したらこの町も呑み込まれる。人の命だけが国の宝ではないだろう。」

「それもそうだが、今の火の試練は神に封印された精霊を解き放つ為の試練なんだ。だから本来の精霊の力を取り戻す為にはやらないといけない事なんだ。」

「前に言っていた事か。だがそれを親父が信じるとは思えないな。」

「だから俺は試練を受けるぜ。そしてこの国も守って見せる。」

「いったいどうやって?」

「武術大会には王様も来るんだろ?」

「そうだな。」

「じゃあその場で宣言すればいい。俺に試練を受けさせろと。民が居る前で下手な格好は出来ないだろ。」

「一旦その件を持ち帰るという事も出来るな。」

「だからそれをさせない為に今から動くんだよ。」

「ほう?詳しく聞かせてくれ。」


俺は作戦をルドルフに伝えた。これは俺一人の力で出来る事では無い。だからルドルフにも協力してもらうために伝えたのだ。


「っとこんな感じだ。」

「なるほど。作戦はわかった。だが一つ言わせてくれ。」

「なんだ?」

「絶対無理!!!!」


どんな作戦なんでしょうかね!私は知りません!

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