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王子

お待たせしました。今日から再開します。


「どうすればその炎は消えるんだ?」

「城へ行ってまた封印術を施した小手を貰わないといけないな。」

「あぁさっきまでつけてたあの小手か。」

「しかしこの状態で城へ行くのは危険だ。城下町の門の所へ行って門番に持って来てもらうしかないな。」

「この状態で城下町まで行くのは大変だな。」

「まぁ走って半日ってとこだろう。」

「頑張れば暗くなる前に着けるか。」


俺とガフ族の男はミカトレア城下町へ向けて走り出した。ガフ族の男はまだまだ元気で。左手から魔力を垂れ流しているのに立派な事だ。走りながら聞いたら魔力の調節が苦手で常に垂れ流しているらしい。少しは調整できるようだが。完全には消せていない。今は1メートル程の火柱を出しながら走っている。しかしこのガフ族の男はなかなか強いのが見てわかる。お互いに探り探り走るスピードを上げているのだが、俺が昔アイヴィとセリーヌと一緒に競争した位のスピードでも難なく着いてくる。魔力の総量が多いのはわかるが身体強化までほぼ完璧に使いこなしている。それでも魔術の制御が苦手と言う事は問題は魔力操作以外の所にあるのではないか。そんな事を考えていたらミカトレア城下町が見えてきた。後ろには巨大な山。あれがミカトレア大火山だろう。巨大な城壁に囲まれ入口は一つしかない。そこには町に入ろうとしている人々が列を成している。馬車も並んでおり長蛇の列が出来ている。これに並んでいると夜になるな。と考えているとガフ族の男は行列を無視して門の所にいる門番の所へ歩いて行った。


「すまない。封印が解けてしまった。城から予備を持って来てくれないか。」

「はっ!直ぐにお持ちいたします!申し訳ありませんがそのままお待ちください。」

「わかった。よろしく頼む。」


ガフ族の男が門番の一人に声をかけると門番は二つ返事で小手を取りに行った。もしかしてこのガフ族の男って偉いのか。高名な冒険者なのかもしれないな。すると門番がすぐに戻ってきて小手をガフ族の男に手渡した。それを装備して一息つく。


「ありがとう。おかげで助かった。」

「いえルドルフ王子の命とあらば問題は御座いません。ですが王が今回の件でお呼びになっております。」

「あー。めんどくせぇな。わかったすぐ行く。」


門番は下がって行く。ガフ族の男は門の中に入って行こうとする。


「ちょっと待った!!俺は!?この行列に並ぶのか!?」

「あぁすまんすまん。忘れてた。」

「つーかさっき王子って呼ばれてなかったか?」

「ん?そう言えば自己紹介がまだだったな。俺はルドルフ。ルドルフ・パーシバル・アレク・ドゥラ・ミカトレアだ。ミカトレア王国の王子だ。まぁ王子っても継承権は第5位だからあんま関係ないけどな。そうだ。親父に説明するのに俺一人じゃめんどくさいからお前も手伝ってくれ。そうすればここの行列に並ばなくていいし、王様にも会える。悪い話では無いだろう。」

「ツッコミ所満載なんだが・・・。まぁ俺の目的にも合致するし。一緒に行こう。」

「ありがとよ。」


そうして俺はルドルフと呼ばれる王子に着いていき城下町を抜けミカトレア城へ着く。城下町はミューズの町に似ていてる感じだ。だが城はウィンストハイムの城とは大きく違う。城壁が高く、城の周りは掘りになっていて橋を渡って城へ行く。戦争で攻められた時でも想定しているのか。ルドルフは本当に王子らしく、全て顔パスで通過している。そして行き交う人々はみんな笑顔で挨拶してくれる。きっと王位継承とかそんなしがらみを考えずに自由に生きているんだろう。じゃないとペアウルフで死にそうになるような危険な事はしない。城の中を進んで行き、大きな扉の前まで来た。ルドルフが扉の前にいる門番に声をかけると門番は扉を少し開け向こう側に話しかけ、すぐに戻って来た。


「すいません。ルドルフ様。ヴォルグ王は今大事なお客様が謁見しておるようで、例の場所で待つようにとの事です・・・」

「ったく・・・わかった。だがこいつには普通の部屋を用意してやってくれよ。」

「いえ。お付きの方もご一緒にとの事です・・・」


ルドルフと門番が俺を見る。


「どうした?何か問題でも?」

「いや。親父は今忙しいらしい。それまで別の部屋で休もう。」

「嫌な予感しかしないんだが・・・」

「部屋に着いてから話すよ」


俺は門番を先導にルドルフと一緒に城の中を歩いていく。そして石造りの階段を下り部屋に入る。


ガチャリ


「牢屋じゃねーか!!」

「すまん・・・」


ルドルフは服を脱ぎながら俺に謝って来る。そして一糸纏わぬ姿を露呈する。


「申し訳ありません。お付きの方もご一緒にお願いします。」

「えー・・・」


まぁここで問題を起こす訳にもいかないから大人しく従う。ルドルフは悪い奴では無さそうだし、ここで火の試練を受けるにしても王族と知り合いになっておくのは悪い事じゃない。羞恥心など下らないプライドなんて捨ててやる。俺は門番に服を渡す。


「では今しばらくお待ちください。」


そういって門番は俺たちの服を牢屋の外に見えるクローゼットに綺麗にしまう。うん。悪い方向ではないと思う。そして牢屋の中で裸の男が二人。ベッドは二つ。お互いに違うベッドに腰掛ける。そしてお互いに体を舐めるように見つめ合う。ルドルフは大事な所を隠していない。デカい・・・。俺は咄嗟に自分の息子を隠す。


「おい。隠してるんじゃねーよ!見せろ!!」


ルドルフが俺に襲い掛かって来る。力が強い。俺の手をすぐに剥がされてしまう。


「キャー!ひどい事されるー!誰か助けてー!」

「ちっさ・・・」

「うるせーーーーーーーーーーーー!!!」



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