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人攫い


ランスは森の中へと姿を消した。俺は木の幹に体を預け物思いにふける。リソワの過去を聞いて俺は全て納得がいった。怒るのも無理は無い。リソワ強いてはセリーヌの信用まで裏切ったと見るのがいいだろう。帰ったらちゃんとセリーヌに謝らないといけないな。


「っと。そろそろ暗くなるな。こんな森の中じゃどこから魔物が襲って来るかわかったものじゃない。さっさとガフ族の集落を見つけなければ。」


俺は頭を切り替え走り出した。走りながらでも考え事は出来る。と思っていたら、トレントの根を踏んでしまった。


「やっべ。逃げろ~。」


俺は一目散に逃げ出した。別に倒せない相手では無いが時間の無駄だ。さっさと次の目的地にいかなければ。辺りが闇に落ちる寸前で林を抜ける事に成功した。暗くてよくわからないがどうやらここは岩石地帯のようだ。俺は平らな大きな岩を見つけそこで一晩明かす事にした。マジックバックからテントを取り出し急いでテントを作る。薪もある程度入っているので火の心配は無い。俺は火を焚き誘われるように眠りについた。


寝心地の悪さに目を覚ます。体がぐらぐらと揺れている。周りを見渡すと裸の男が三人手錠をはめられ座っていた。俺の姿を見ると俺もその男達と同じ格好だった。


「んっと・・・ここはどこだ。」

「ようやくお目覚めか。ここはそうだな。地獄への入口って所か。」


髭面の男が答えて来る。ガフ族独特の耳と尻尾があり、一目でガフ族だと理解した。


「脱出すりゃいいじゃん?」

「それが出来たらやってるよ。しかし。ここで問題を起こしても殺されるだけだぜ。この馬車は泣く子も黙る。凄腕盗賊団「旅の風の団」だからな」

「だっせー名前。」

「おい聞こえるぞ。」

「まぁいいや。この馬車はどこへ向かってる?」

「俺に聞いてもわからねぇが。盗賊のアジトじゃないのか」

「なるほど。じゃあ着いたら起こしてくれ。色々あって疲れてるんだ。」


寝てる間にどうやら誘拐されてしまったようだ。俺は頭を巡らせ作戦を練る。そして寝る。


「おい!降りろ!!」


五月蠅い声で目を覚まし意識を復活させる。どうやら着いたらしい。俺は促されるまま牢から降りる。馬車の荷台に牢を乗せていたみたいだ。牢と言うよりは箱なのだが。この場所は峡谷みたいな場所だ。両側は岩壁だ。逃げたとしてもすぐ追いつかれるだろう。そしてこの盗賊集団。旅の風の団だっけか。みるからに強そうなやつらの集まりだ。そりゃあ諦めるよな。普通の人だったらな。てかガフは火の加護を受けてるから火魔術でなんとでも出来るんだろう?違うのか。俺は峡谷の隙間の洞窟に連れて行かれ、そこでさらに牢屋に入れられる。


「あのー。すんません。この程度の拘束だと魔術使って抜け出せれないんですか?」

「お前は馬鹿か。この手錠は装着者の魔力を吸い取るから魔術は使えないんだよ。お前はもう半日は経つから精神力が20万でも無ければ魔術を使うのは無理だろうな。」


盗賊は笑いながら去って行った。なるほど。吸魔のリングみたいなもんか。でもこんなに大量生産で微々たる量しか吸わないなら寝たら回復するよな。俺は手錠を凍らせ手の自由を貰う。


「おい。お前・・・まさか・・・」

「ちょっとぶっ潰してくるわ~危ないから動くなよ。」


牢屋をアイスバレットでぶち破る。その音に気付いたのか先程の盗賊が戻って来た。


「おい!!お前どうやって・・・」

「五月蠅い!ウォーターバレット二式!!」


ちょっと大きめの水の弾が盗賊を吹き飛ばす。二式と言う辺りが中二病を誘う。昔のチョキで打つのが一式。それに中指を添えれば二式の完成だ。殺さない様に威力を抑えた代わりに1メートル位の水の弾を打ち付けた。盗賊は壁にぶつかり気を失う。その間に服を奪う。通路を進むと分かれ道に出た。洞窟内は松明で照らされ明るい右の通路からは人の気配がしない。左はガヤガヤと笑い声が聞こえる。真ん中はヒソヒソ話が聞こえる。まずは人の少ない所からだな。左に本隊がいると考えて右は出口かならば真ん中は奪った物があるんじゃないか。そう考え真ん中に向かう。ゆっくり進むとどうやら考えは間違っていなかったようだ。二人の男がしゃがみ物色している。


「おい。先に盗むとは盗賊の風上にも置けないやつめ」

「ひぃ。ごめんなさい!」

「黙れ。ウォータースフィアダブル!」


二人の男の頭が水の玉で包まれる。これでは呼吸すら出来ないだろう。二人が水を呑み込み倒れた所で解除し股間にバレットを打ち込む。


「よし。とりあえず他の人の物もあるから自分のだけにしておこう。」


俺は盗賊では無いんだ。勝ったら貰うけどな。装備を整えまずは出口を確認する。入口に一人の男が立って居たので黙ってスフィアで仕留める。これで本隊に向かえるが。


「他の出口があったらダメだよなぁ。そうか誰かに聞けばいいのか。」


俺は最初に倒した男の所に行く。他の捕まってる人が何か話しかけてきたが無視だ。今は忙しい。


「おい。起きろー。起きないとひどい目にあうぞ。」


盗賊の頭に水をぶっかけて意識を戻す。


「余計な事を喋ったら殺す。俺の質問にだけ答えろ。」

「わかった・・・」

「入口は一か所しかないのか?」

「そうだ。」

「入口の見張りは一人だけか?」

「そうだ。」

「全部で何人居る?」

「18・・・いや19か」

「嘘だったらお前を氷漬けにするぞ?」


足元から下半身位まで氷漬けにしてみる。


「58人です。」

「大嘘じゃねぇか!他に嘘はついてないか!?」

「ごごごごめんなさい。入口は一か所ですが、外の見張りは2人居ます。」

「一人しか居なかったが?」

「見回りだと思います。」

「じゃあ早くしないと騒ぎになるな。最後の質問だ。部屋は牢屋と倉庫と他のやつらが居る部屋の3つしか無いか?」

「はい・・・」

「よし。着いてこい。」


盗賊を立たせ倉庫の二人を持たせ入口の見張りを運ぶ。その時にもう一人居たので仕留めて二人持った。


「先に行け。」


盗賊を先に歩かせ、本隊の居る場所へ入る。中はテニスコート一面位の広さがある空間だ。俺は周りを見回す。確かに数は多い。全員を相手にするのはちょっときつい。この場所は台所もあり食糧も大量に置かれていた。俺と盗賊が二人づつ引きずり入って来たので一瞬で空気が凍り注目される。全員察したのかゆっくりと動き武器を手に持ち始める。俺は盗賊をけっ飛ばし、手に持ってる二人も放り投げ中に入れた。


「この中で一番偉い奴と話がしたい。」


俺がそう告げると、奥から身長は2メートルはありそうな男がゆっくりこちらに歩いて来た。しかし、男は話すには遠い距離を保ち止まった。


「俺がここを仕切ってる。タナスだ。まぁだいたいの事情は察した。お前が何者かは知らんが、俺達が束になっても勝てる相手じゃないって事位はわかる。ここで無駄な血は流したくない。お互い大人になって話し合いで解決しようじゃないか。こっちに来て座ってくれ。飲み物くらいは出すぜ。」


俺は予想外の言葉に思考が鈍る。男がゆっくりと後ずさり後ろのテーブルが見えたので、俺もゆっくりと一歩を踏み出す。だがその一歩が地面に触れるか触れないかの所で体中にノイズが走る。俺は慌ててその一歩を戻し、大きく後ろに後退する。


「ほう?よく気づいたな。」

「なんだこれは・・・結界か。」

「やはり只者じゃないな。お前ら気をつけろ。久々にSクラスの相手だぞ!」


盗賊達が武器を持つ手に力を入れる。陣形をゆっくりと整えつつこちらの出方を伺っている。俺は以前にセリーヌやセクターから受けた結界の内容について思い出す。まずは体験してみないとどうなるのかわからないって結論だが、ノイズが体中に走るのは封魔結界だ。魔術が使えなくなる。もしくは魔術を使いにくくする。体中を巡る魔力にノイズが入り邪魔をする。だが先程感じたのはノイズだけでは無い。俺は違和感を確かめようと右手で4本の指を立て盗賊達に向ける。


「ウォーターバレット四式!」


指先から4発の水の弾が発射される。だがその弾は盗賊達に届くことなくノイズが走った場所でかき消される。それを見ていた盗賊達はゲラゲラと笑っている。


「封魔と退魔結界か。なかなかいい結界だな。」

「ご明察の通りだ。俺達を倒すにはこっちに来てやるしかないって事だ。だがこの人数差だぞ。大人しくすればあまり痛い目にはあわせないと約束しよう。さぁどうする?」

「うん。これは手が出せないな。降参だ。だが捕まるのは嫌だ。」

「じゃあどうするって言うんだ。」

「逃げるに決まってんだろ!バーカ!!アイスウォール!!!」


俺は後ろに飛びのき広間の入口の通路まで下がりアイスウォールを使う。通路は氷の壁で埋め尽くされた。これで追っては来れないだろう。というか出る事も出来ないだろう。俺は捕まっていた三人の所に戻り事情を説明し、逃げる事にする。時間はあるので盗賊達が盗んだお宝も全部馬車に積み込み、洞窟の入り口までびっちりと氷を詰めておいた。


「兄ちゃん。助かったよ。ありがとう。」

「いえいえ。降りかかる火の粉を払っただけですよ。」

「それで兄ちゃんはどこへ向かうんだ?」

「四大巡業の最中なのでミカトレア大火山に行こうと思ってます。」

「そうなのか。しかし四大巡業に挑戦してる人が人攫いにあうかねぇ。」

「疲れてたんですよ。昨日はエルフの里に居て色々ありましたから」

「そうなのか。まぁ火の試練を受けるならミカトレア大火山の麓にあるミカトレア城下町に宿を取るといい。俺達はその手前のミューズって言う町の商人をしているからミューズの町までは連れて行ってやるよ。」

「ありがとうございます。」

「よっしゃ。じゃあ出発するか。俺らも腕にはちょっと自信があったが、兄ちゃんの足元には及ばないな。道中魔物も出て来るから全部兄ちゃんに任せたぜ!」


俺と三人の商人を乗せた馬車は走り出した。人攫いなんてこんなホットな話題を出すんじゃない。今は敏感な時期なんだ。



敏感な時期でまとめましたが、この時の洋平の頭の中を書いていたら結構な長さになってしまったので、ばっさりカットしました。脳内で補完してください。ぐだぐだと書いても読み飛ばされるならいっそ書かなければいい!読みやすさ優先!

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