チート無双
やっと妄想が全開に・・・
「ウェンディ!行くぞ!!凍れ!!ライラがやってたフロストノヴァ!!」
足元の水が一瞬にして凍り付く。カルは寸での所で飛び上がりそれを躱す。
「からの~アイスランス!!」
足元の氷から氷の槍が飛び出して来てカルを襲う。カルはセブンスネークで迎撃するが、蛇の数は6。こちらの槍は30以上だ。カルは所々に槍を食らってはいるが、今だに決定打を与えられない。
「うん。なんとなくわかってきた。やっぱりイメージが大事だな。」
「やはり貴方は素晴らしい。私から最後のアドバイスです。愛を忘れずに。」
「わかった。」
ウェンディと話しているとカルが体制を立て直し、また6体の蛇を操り向かって来る。だが蛇も相当のダメージを受けているようだ。細い蛇は脱皮をしてピンピンしているが、細いのだけは許さん。
「何を一人でぶつぶつ言ってんだ!!しねぇ!!」
「もうお前の底は見えた。さっさと終わらせる。お前が毒の蛇なら、こっちは氷の龍だ!!タイダル!ストリーム!グングニール!トリシューラ!ブリューナク!あ、ネタ切れた・・・セリーヌのやつ!!」
全部大好きなゲームから引っ張って来たのでイメージはしやすい。6体の龍が頭上に現れる。
「全部凍らせてしまえ!セリーヌの龍は細いやつだ!!」
俺の言葉と共に氷の龍が蛇と戦いを繰り広げる。それぞれの龍は蛇より多いきいのでそれぞれが一飲みにしていき蛇の体を凍らせ、さらにカルに迫る。一番最初にカルに辿りついたのはセリーヌの龍だ。カルを呑み込みカルを凍らせる。それに続いて他の龍もぶつかり氷の山が大きくなっていく。ついにカルを氷漬けにした。氷の山は10メートル以上に高さになっている。
「ふぅ。お前に構ってる時間は無いんだ。その中でお前がやった行いを悔い改めろ。」
(すまん・・・アイヴィ・・・今はこれしか思いつかない・・・)
俺がカルに背を向けて走り出そうとした時、氷の山が音を立てて崩れ落ちた。
「なに!なんだ!!」
「フフフ。凄い力をお持ちですね。」
氷の山があった場所に一人の女が立っていた。全身を漆黒の赤いローブで多ってはいるが、胸元を大きく開けている。顔はフードで隠れてわからないが、口元を見るにどうせ整っているのは容易に想像できる。
「お前は誰だ!」
「さぁて、誰でしょう?」
「ふざけるな!!お前もやるなら相手になるぞ!!時間はかけられないから一瞬だがな!アイスバレット!!」
俺の指先から氷の弾丸が打ち出される。威力スピード共に申し分ないだろう。だがそれは女の体を通り抜けて後ろの木を粉砕しただけだった。
「まぁまぁ。せっかちさんだこと。それでは女の子にモテませんよ?」
「お前何者だ!」
「そうですね。せっかくお会いしたんですから顔と名前位は覚えてもらいましょうか」
女はフードを取り顔を露わにした。ローブとは違う鮮やかな赤い髪。そしてやはり整った顔。エルフでは無いヒューマンに近いが何かが違う。
「私の名前はイオナ・レイブンハート。以後お見知りおきを。」
「待て!そいつをどうする気だ!」
イオナと名乗った女性の手には首根っこを捕まれたカルが居る。
「持って帰るんですよ。」
「逃がすと思うか?」
「では捕まえて見なさい。」
静かな時間が流れる。だがその静寂を乱暴な足音が邪魔をする
「マスター!アイヴィサマがタイヘンです」
後ろに現れたファングが言う。
「ほう。噂通り本当にゴーレムを使役しているのですね。実に興味深いですが、今大事なお話中なので邪魔をしないで頂けるかしら。」
イオナが手のひらをファングに向けて力を込める。するとファングの体が爆発四散する。
「ファング!!くそっ!!邪魔だ!!!」
俺は地面の氷に手をやり魔力を込める。氷を水に水を水蒸気に。辺りに水蒸気が立ち込める。
「空気と一緒に凍れ!!アブソリュートゼロ!!」
イオナとカルの周囲が徐々に氷に包まれていく。
「あらあら。さすがにこれは避けれませんね。もっとお話したかったのですが残念です。では御機嫌よう。」
ローブを翻すとイオナとカルの姿が一瞬にして消えた。
「逃げられたか・・・。今はそれよりも・・・ファング・・・アイヴィ・・・」
俺は走り出した。ファングの四散した塊を一目見て。
新たな敵!?こいつは一体誰なんだ!?私に聞かれてもわけわっからん。




