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死亡フラグ?

やらかします。

俺とアイヴィはアイアンゴーレムに抱えられて迷宮の入口に移動した。まず第一にアイアンゴーレムを怒らないといけないな。


「まず、いくつかルールを決めよう。俺の言う事は聞く事。あと勝手に行動をしない事。まずはこの二つを守ってくれ。食べる物と住むところは提供してやる。意思があるのはわかるが、お前はこの世界ではモンスター扱いなんだよ。人前に出たら問題が起きるから、それを第一に考えろ。」


ゴーレムは頷く。ちょっとしょんぼりしている。まぁ最初だから多めに見てやるか。


「まぁ俺も何も決めてなかったからな。お互い様だ。じゃあ町に行くからちょっと入ってろ。」


と俺がアイアンゴーレムをポケットドラゴンに仕舞おうとした時


「化け物~~~~~~~~」


と後ろから声がした。振り返ると、迷宮の入口の警備をしていた兵士が腰を抜かしている。


「しまった!見られた!」

「たすけてくれ~」

「おい!大丈夫だ!逃げるなって!!くそっ!まずい捕まえないと!」


俺とアイヴィが駆け出すよりも早く動いた巨大な影。そう。アイアンゴーレムだ。どうやら俺の命令だと思ったらしく、いち早く兵士を鷲掴みにした。


「待て!すと~っぷ!!落ち着け!」


俺がアイアンゴーレムに命令するとアイアンゴーレムは兵士を鷲掴みのまま止まってこちらを見て来る。


「よし。いいこだからゆっくり降ろして手を離せ。」


言う通りにアイアンゴーレムは兵士を降ろした。兵士はもう逃げる気力も無いのか、ガクガクと震えている。


「おい。大丈夫か?」

「助けてくれ・・・」

「大丈夫だ。何もしないよ。あいつは敵じゃない。俺の言う事を聞くから大丈夫だ。さっきも俺の言う事を聞いただろ?」

「あぁ・・・でも考えられない魔物が人の言う事を聞くなんて。」

「まぁ俺は特別だからな。一つ約束してくれないか?」

「なんだ?」

「ここで見たことは誰にも言わないで欲しい。」

「いや、だがしかし、魔物なら町の脅威になるから知らせないと・・・」


まぁ確かに兵士の言う通りだな。俺はアイアンゴーレムを手招きして呼びポケットドラゴンに仕舞った。


「ほら。これでどうだ。もう魔物は居ない。お前が見たのは幻だ。」

「い、いや、だがしかし・・・」

「お前が見たのは幻だ。」


俺は兵士の手に金貨を一枚握らせる。


「え?いや、でも・・・」

「お前が見たのは幻だ。」


また一枚握らせる。


「わかった。俺は何も見ていない。疲れて幻でも見たんだろう。」

「そうだな。ゆっくり休むといい。」

「だがここの迷宮の入口を見守らないといけないからな。」


と、俺と兵士は肩を並べて迷宮の入口を見た。すると入口がガラガラと音を立てて崩れた。


「どうなっているんだ・・・」

「おそらくアイアンゴーレムがこの迷宮の主で、主が居なくなった迷宮は魔力を供給する核が無くなり形を保てなくなったのだと思います。」

「なるほど。まぁ別にいっか。ほら、これで入口は無くなった。これで見張りをする必要も無いな。むしろこれを伝えに行った方がいいのではないのか?」

「そうするよ。」


兵士はゆっくりだが町に向けて歩き出した。


「私達も帰りましょうか。」

「そうだな。」


俺とアイヴィは手を繋ぎながら歩き出した。今はこの幸せに身を任せるとしよう。また悩みの種が増えた気がするが・・・


「洋平?」

「ん?」

「金で人を買うなんて・・・」

「見てたのか・・・」


またアイヴィに変な所を見られたな。まぁアイヴィに隠し事をするつもりは無いし。と言うか隠し事は出来ないな。いい嫁になるぜ。


翌日俺とアイヴィはギルドへ行き依頼の報告をし、ついにAランクの昇段試験へと歩を進めた。ベイルの町で受けるかと聞かれたが、俺はウィンストハイムで受けると言う事でベイルの町を後にし、ウィンストハイムへと向かう。俺とアイヴィだけなら走れば夜には間に合うので、二人でダッシュだ。日々の鍛練は忘れてはいけない。

と言う事で道中カットし、ウィンストハイムへ着いた。その足で俺はギルドへと趣き、ライラさんに案内されセクターの待つ部屋へ案内された。


「久しいな。」

「親父・・・」

「今日は何の用だ。」

「あぁAランクの昇段試験を受けれるようになったからな。それの申請ついでだ。」

「じゃあもうお前はAランクでいいや」

「ふぇ?」

「いやいや、試験は?」

「お前の実力はもう十分Aランクなのは知ってるしな。試験やるとまた問題起こすじゃねぇか。」

「なるほど。じゃあもうAランクって事でいいのか。」

「だが、まぁ形式上やらないと周りが五月蠅いからな。明日の昼に来てくれ。俺が試験官と言う事で適当に相手してやるよ。」

「わかった。じゃあ明日の昼にまた来るよ。ありがとな。」

「いいって事よ。こっちもお前の後処理はめんどくさいんだよ。」

「まぁ毎回問題起こしてるからな。すまねぇな。」

「おう。じゃあまた明日な。」


俺はギルドを後にし、宿屋へ向かう。まだ寝るには早い時間なのでグラングランに荷物を置いて外で食事を取り、宿へと戻る。


「そうかそうか。うんうん。なるほどなぁ。おぉ。その調子だ。いいぞいいぞ。」

「洋平何やってるんですか?」

「あっはっは。なんでだよ。違う違う。そこはこれを使ってだな。そうそう。」

「洋平・・・」

「へー凄いな。それで?あぁなるほど。それはいい考えだな。」

「洋平!!」

「ん?どうしたアイヴィ?」

「さっきから何やってるんですか!?」

「いやアイアンゴーレムとコミュニケーションを。名前を付けてやらないとなぁ。」

「・・・」

「何がいい?ゴレムスとかありきたりだしな。なぁアイヴィなんかいい名前無いか?」


アイヴィの方を見ると布団に潜りこんで丸くなってしまっていた。あれもしかしてやばい雰囲気か。


「アイヴィ・・・」

「・・・」

「おーい・・・」

「・・・」


やばっ!!これは非常にまずい事態だ!!打開策を考えないと!!


「アイヴィ・・・ごめんなさい!!」

「・・・」

「アイヴィちょっとこっちに来て話さないか?」

「・・・」


あ。これは死亡フラグだ・・・

俺はしょうがないのでベットに潜り眠りにつく事を選択した。寝て事態が急変することを願うばかりだ。



次回!最初からクライマックス祭りだぜってばよ!

活動報告その2を書きました。近況報告です。

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