そうだ。ダンジョンへ行こう
オークションで大金を手に入れた翌日。俺はそろそろAランクの依頼をこなしAランクの冒険者になろうと思った。創造でちょっと遊び過ぎたからな。少しばかり真面目にやらないといけない。ということで俺とアイヴィは今ギルドの掲示板の前に来ている。
「アイヴィ。何かいいのあったか?」
「ん~特にないですね。これなんかも報酬はよくありませんし。」
「別に金には困ってないからなぁ・・・」
「違う町に行ってみますか?」
「おぉ!それはいい!もっと違う町も見てみたい!」
「どうゆう所がいいですか?」
「いい装備が売ってる所!」
「じゃあこのベイルの町がいいですよ。」
「そうなのか?」
「この町の周囲には迷宮が沢山ありますからね。その迷宮で手に入れたアイテムなんかはよくオークションとかに売られますよ。」
「迷宮か・・・」
ちょうど目の前に迷宮調査のAランクの依頼書がある。内容は新しく発見された迷宮の調査だ。出来るだけ深く潜り、中の様子や敵の種類や特性等を報告するらしい。迷宮の依頼は危険度がかなり高いのでAランクの冒険者でもなかなか手を出せない現状なのである。しかし初めてその迷宮に入るパーティは宝が沢山取れる可能性もある。
「アイヴィ。この依頼を受けないか?迷宮調査だ。」
「いいですね。そろそろ洋平も迷宮に入ってもいい実力だとは思いますよ。」
「じゃあ決まりだな。」
俺は依頼を受理してもらうとそのまま職員の案内で町の外へ出て迷宮の入口まで案内される。入口には兵士が立っており、立ち入り禁止の看板がある。入口は高さ3メートル幅2メートル位の口を開けている。俺は兵士から通行証を貰い。準備が出来たら中へ入ってくれと指示をもらう。俺達は一度町に戻り準備をすることにした。でも俺は迷宮なんてのは初めてで全てアイヴィに任せている。持ち物は基本食糧だけだ。水は魔道具で出せるし、テントはポケットドラゴンがあれば必要無い。松明の代わりに光を生み出す魔道具を買ったくらいだ。食糧は10日分。行き5日帰り5日の計算だ。松明の代わりの魔道具は壊れないので心配はしなくていい。俺達は準備を終え迷宮の入口に立つ。
「行くか。」
「はい。行きましょう」
「何か注意する事があったらその都度言ってくれ。」
「とりあえず浅い階層なら問題無いでしょう。」
俺は迷宮への一歩を踏み出した。入口を入ると階段になっていて地下へと降りる。中は少しひんやりとしているが別段寒いと感じる訳では無い。階段を降りると扉があり、その扉を開けると迷宮スタートだ。俺達は中へと足を踏み入れた。
「真っ暗だな。インスタントオン!」
魔道具を使い光を生み出し周囲を照らす
「一本道か。これなら迷う必要も無さそうだな。」
「まぁ最初はこんな物ですね。敵も出ますから気を引き締めましょう」
俺は警戒しながら先へ進むが一階層では小さい蝙蝠のスモールバット位しか出ない。さらに一本道ですぐ終わったのでさっさと二階層へ入る。二階層も一本道だが若干道幅が広く感じる。二階層はスモールバットとビッグハットというつば広の帽子をかぶった何かしか出ない。なのでここもあっさりと通過する。各階層一時間も居ない感じで迷宮調査は進んで行く。8階層まで来たところで昼食にすることにする。俺の石の家は敵の攻撃をシャットアウトするので安全な空間だ。というか八階層の魔物は蟹しか居ないので壊される心配も無い。その後も順調に調査は進み10階層に来たところで少し開けた場所に出た。
「なんだここは?」
「なんでしょうね。10階層になってフロアの構成が変わったのかもしれませんね。」
「あれは宝箱ってやつか?」
部屋の中央になにやら箱が置いてある。迷宮の壁と一体化しているような箱だ。
「開けても問題ないか?」
「気配を感じませんので大丈夫だと思います。」
箱の上に乗っかってる石をずらすと中から顔サイズの石が出てきた。
「なんだこれ?」
「わかりません。持って帰って専門家に鑑定してもらうのがいいでしょうね。」
「まだまだ先に進むのに邪魔だな。」
「ポケットドラゴンにしまえるのでは?」
「いやポケットドラゴンは自ら作り出した物じゃないとダメだと思うが。中に入れたのを出した事は無いしな。」
「ポケットドラゴンクラスの古代兵器なら同系統の収容スペースがあるものもありますので見てみては?」
「なるほど。」
俺はポケットドラゴンを握りしめ前にしまったものを念じる。するとある空間の様な物が浮かび上がり今まで中に入れた物が乱雑に積まれている。壊れた石ころが沢山あって邪魔なので空間の外に出そうとしたら消えてなくなった。捨てる事も出来るらしい。一辺5メートルの立方体のような空間だ。前に作った石の家的なのもある。俺は石の家を念じて出してみると外に石の家が一瞬で現れた。
「出し入れ可能らしい。処分も出来るな。これならこの石も仕舞えるか。」
俺は宝箱から出た石をポケットドラゴンにしまおうとすると簡単にしまう事が出来た。これなら邪魔になることは無いな。
「よし。じゃあ先に進もう。」
小部屋を後にし、先へ進む。どうやら10階層は小部屋だけだったようですぐ下の階段についた。まだ体力的には問題ないので11階層へと向かう事にする。11階層もは10メートル四方の大部屋があった。中には10匹程のスケルトンが居た。スケルトンは骨が動いている様なモンスターで耐久力は低く動きも遅い。だって骨だもの。自分の骨を武器替わりに使って攻撃するのだが、攻撃力は低い。つまり雑魚だ。俺は石を投げてスケルトンの群れを粉々にする。特に何も問題は無いので12階層へと進む。迷宮の中では時間の感覚が失われる。常に暗いからだ。一時間で一階層だとしてもう12時間か。余裕を持って今日の調査はここまでにする。俺は石の家を出し色々と小物を作り始める。アイヴィは夕食担当だ。出し入れが可能と判明したことで俺はこの家をもっと凝った作りにしたいと考えた。タンスやテーブルやイス等もしっかりと作りたい。まぁこれは今後じっくりやっていけばいいか。俺は夕食を取り、そのまま眠りについた。
でぁんじょぉん。




