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創造開始

シエルを探すにしてもどこに居る事やら。まだウィンストハイムに戻っては無いはずだ。オークションの参加も一応目的ではあるらしいからな。ロイ達の誰かを見つける事が出来ればいいんだけどな。そう思い露店を眺めながら歩いていると。


「洋平。あれはロイさんじゃないですか?」


アイヴィが指さす方向には賑やかな人だかりが見えた。その中心にロイが居る。俺はその人だかりの中に入りロイの目の前まで来た。


「ロイさん何やってんすか?」

「おぉ。洋平じゃないか。ガチャガチャの販売だよ。もちろんカプセルは回収するがな。この中を開けるまで何が入っているかわからないドキドキ感がたまらないな。選ぶのも楽しみの一つって訳だ。」

「まぁどーでもいいんすけど。シエルさんどこにいるか知ってます?」

「どーでもいいって事はないだろう。ちゃんと売上の一部を集めてポケットドラゴンを手に入れたんだからな。シエルはこの町の魔法布の店にいけば居ると思うぜ。あの店に住んでるからな。」

「わかりました。では行ってきます。そうそう今度のオークション俺も出品するんで来てくださいね。」

「何!?それは大変だ。みんなに知らせないと。シエルには洋平から伝えてやってくれ。俺は残りに伝える。悪いな。お客さん。今日はもう店仕舞いだ。また明日やるから来てくれよ。」


そういってロイは店をたたみ居なくなってしまった。俺はロイに教えてもらった店に行き、中へと入る。魔法布の専門店だけあって露店のシエルとは大違いだ。商品の数が半端じゃない。店内を観察していると店番をしていたシエルをみつけた。


「あ、洋平さんじゃないですかー。どうしたんですか?いらっしゃいませー」

「シエルさんこんにちは。ちょっと相談があって来ました。」


俺は石に色を塗りたいと、銀色の染料的な物が無いかと聞いてみた。店の中は様々な色や模様の布があり衣服も置いてある。アイヴィには服の目星をつけておいてもらっている。


「なるほど~。それなら簡単ですよー。石であろうと布であろうと魔法染めの技術なら問題ありません。」

「魔法染め?詳しく聞かせて下さい。」

「えっとー、魔法染めってのはー、魔法の粉に魔力を通して色を変化させてー対象に色をつける感じですー。」

「それは誰でも簡単に出来る事なのですか?」

「使う魔法の粉にもよりますけどー、普通の人には出来ませーん。」

「シエルさんにお願いすればやってもらえますか?」

「もちろんですよー。魔法の粉代は頂きますけどねー。一重に銀と言っても色々な色がありますからー店の中で近い物を探して下さいー。」

「わかりました。ありがとうございます。」


よし。これで鎧が出来たらシエルの所に持って行けば完成出来る。俺は銀にちょっと緑かかっているような布を探しアイヴィと一緒に下着を選ぶ。


「シエルさん。こんな感じの色で銀はピッカピカな感じです。メッキに近いイメージです。」

「あーこれですかー。う~ん・・・」

「何か問題でも?」

「この色の魔法の粉は銀竜草から作るものなんですけど、エルフの土地にしか無いんですよー。数はあるんですけど。どうしても値段が高くなってしましますー。」

「値段はいくらになっても構いませんのでお願いできますか?」

「はいー。そうゆうことなら全く問題ありません。」


もう問題はないだろう。俺はアイヴィが選んだ下着を買いシエルの店を出た。時間が無いから早くしないといけない。帰って裸体の像に色を塗らないと。これだけで大仕事だ。待てよ。色塗りの作業をシエルに任せれば俺は創造に専念出来るんじゃないか?となればシエルを連れ出さないと。俺はまたシエルの店に戻り。事情を説明し、一度宿へ来てもらう事にした。夕方には店番が終わるのでその後に行くと言う。その時に肌色の魔法の粉や銀の粉も試しに持って来てくれる事になった。これで時間の短縮になる。俺達は帰りに外で昼食を食べ宿へ戻る。


「よし!やるぞ!」

「結局絵具買ったの無駄になりましたね。」

「まぁシエルの道への情報量だと思えばいいさ。」

「そうですね。ところで私は何をしましょう?」

「ん?あ~・・・えっと自由だ。」

「何か手伝う事が出来たら言ってくださいね」

「アイヴィがそこに居てくれるだけで俺は十分幸せだ」


また柄にも無く臭い事を言ってしまったぜ。だが今は鎧の製作で忙しい。アイヴィに構ってられる時間は無い。俺は鎧の製作に集中する。時折アイヴィを見るが、最初は部屋を掃除したりしたがやることがなくなり、俺の鞄を漁ってガチャガチャや中に入れる小さなフィギュア等を並べて遊んでいる。一通り並べて遊び終わったら今度は色を塗り始めた。俺に聞いてきたが、もちろんOKだ。失敗しても別にいいから好きにやってくれていい。何よりアイヴィの目がキラキラしすぎている。その後も鎧の製作は進み全体の形が出来た。後は模様を入れるのだが、これは一度色を塗ってから模様を掘るべきなのかで悩んでいる。そろそろ夕食の時間だから休憩でもするか。アイヴィのやってるのもみたいしな。俺はアイヴィの作業を覗き込む。予想以上にいい出来だ。これは才能があるんじゃないか。と思ったら横に失敗の数々が沢山あった。


「アイヴィちょっと休憩にしないか。そろそろ晩御飯の時間だ。部屋もちょっと片づけたいしな」

「そうですね。ついつい楽しくて時間を忘れてしまいました。っとだいぶ形になりましたね。」

「そうだな。後は模様を掘ろうと思うんだが、色を付けてから掘るか、掘ってから色を付けるかで迷っててな。どっちがいいと思う?」

「う~ん・・・。私にはちょっとわからないですが、シエルさんが来てから決めても間に合うのでは?」

「そうだな。そうしよう。」


二人で部屋を片付けているとノックの音が聞こえる。


「シエルさんかな。どーぞー。入ってきてください。」

「「「「「お邪魔しまーす」」」」」

「なんで全員来るんだよ!!!」


扉を開けて入って来たのはいつもの5人、ロイ、バーン、ハク、シエル、ディルマだ。どうせロイがシエルの所に行ったら俺の所に行くって言ってみんなで来たってオチなんだろ。もう内緒にしたかったのに。まぁいいや。手伝って貰う事にしよう。



楽しそうだね!私は楽しいよ!!

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