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ゴブ・・・リン?

翌日俺はアイヴィに起こされて宿で朝食を取り、ギルドへ向かう。Aランク依頼をやってみたいのだ。条件はそんなに日数がかからない事。最高でも3日。それ以上になると創造にかける時間が少なくなる。別に依頼をしなくてもいいのだが。とりあえずAランクにはならないといけないからな。俺はアイヴィと一緒に依頼が貼ってある掲示板を眺める。


「洋平。いい依頼がありましたよ。」

「なんですか?」

「ゴブリン討伐です。」

「え?ゴブリンってAランクなの?」

「洋平。ゴブリンじゃありません。ゴブ・リンです」

「詳しく。」

「ゴブとリンは別の魔物です。常に二体で行動を共にしています。ゴブは力が強く。リンは素早いのが特徴です。魔物界の夫婦と言えばゴブ・リンですね」

「ゴブリン雑魚じゃないのかよ。」

「洋平が最初にゴブリンが襲って来た~って時は耳を疑いましたよ。」

「あぁ。あの時はポグすら知らなかったからな。あれが俺達の出会いだったな」

「そうですね。懐かしいです。」

「じゃあそれを受けるとして期間はどれくらいで終わりそう?」

「二日もあれば十分帰って来れますよ。うまくいけば今日中に帰って来れるでしょう。」

「じゃあさっさと行くか。」


俺はゴブ・リン討伐を受理してもらい。早速出かける事にした。荷物は多くは無いが、一応野宿の可能性もあるから。身軽とまではいかない。俺とアイヴィは準備をさっさと済ませすぐに出かけることにした。オークションまで時間が無いから、なるべく早く済ませたい。ゴブ・リンが居る場所はベイルの町から西に馬車で三日程かかるオオシンの森の奥に生息しているらしい。俺とアイヴィには馬車など必要無いので軽~いランニング程度で3時間で着いた。オオシンの森は木の一つ一つの間隔が空いていて所々光が差し込んでいる。なかなか幻想的な感じがする。俺達を迎えてくれたのはダイヤウルフの群れだ。めんどくさいので遠距離から俺の石とアイヴィのウインドカッターで倒す。そして森の奥へと進んで行く。


「てか魔物多くないか?」

「まぁちょっと多いかもしれませんけど、練習ですよ。奥はもっと多いと思いますよ」


今まで倒したのはポグの群れ5つとダイヤウルフの群れ3つとトレント8体。ブッピー3体だ。トレントは木に擬態する魔物で見分けがつかない。アイヴィに言わせると、魔力を持っているから一目でわかるんだそうだ。普段は温厚な性格でこちらから攻撃をしなければ攻撃をしてこないのだが、俺には見分けがつかないので。よく踏む。それが8回。ブッピーは豚と猪を混ぜて大きくした感じだ。体長は2メートル。体重は300キロはありそうな大きな魔物だ。牙を持ち凄い速さで突進してくる。当たればただでは済まされない。石を顔面に食らってすぐ終わったのだが。


「洋平がトレントを踏まなければ戦闘回数は減ってますよ。」

「んな事言ったってわからんもん。」

「魔力の流れを感じれれば相手が魔術を使うのも見切れるので重要ですよ。」

「難しいな。それがわかれば・・・アイヴィゴメン」

「またですか」

「逃げるか。」

「そうですね。一気にゴブ・リンが居る所まで行きましょう」


トレントをまた踏んでしまった。俺とアイヴィは森の奥へと逃げる。ゴブ・リンを探さないといけないから周りを注意しながら走り抜ける。俺はトレントを踏みつけながら。


「洋平。もう踏まないでください!」

「根を踏まないように気を付ける。」

「あ。居ましたよ。あれがゴブ・リンです。」


立ち止まりアイヴィの差す方向を見てみる。遠目からではポグだと思ったが。よく見るとデカい。ゴブは180センチのムキムキブサイク。リンは160センチの細身のブサイク。


「あれか。なんか想像してたのより全然違うな。」

「何を想像していたんですか?」

「ん~ポグかな。」

「まぁポグが大きくなったらゴブリンになるらしいですけどね。」

「そうなのか!」


大きい声を出したら気づかれたようだ。ゴブは鎧をつけて剣を持っている。リンは軽鎧をつけて弓を持っている。中々強そうだな。流石はAランクと言った所か。


「私がゴブをやるので洋平はリンをお願いします。」

「わかった。頑張る!」

「今こそ連携が試される時ですね。」


アイヴィは自分にウィングバーニアという敏捷強化魔術を使い飛び出していった。俺もすぐにリンに向かって行く。連携と言っても基本一対一だからな。でもお互いに気をつけないとぶつかったりして大変そうだ。とりあえう石をリンに投げてみたが普通に躱された。てか動きが早い。アイヴィ並だ。避けるので結構いっぱいいっぱい。距離を保ちつつ弓で攻撃してくる。なかなか距離を詰める事が出来ない。俺も石を投げて応戦しているが、リンの放つ矢は曲がるので軌道が読みづらく、回避に集中しないと危ない。一方リンは余裕だ。俺が距離を詰められないのでアイヴィの方にも攻撃を仕掛けている。俺はそれだけはさせまいと矢をポケットドラゴンで石の壁を作り防ぐ。この壁をうまいこと配置して逃げ場を無くせばなんとかなるかもしれない。今の所防戦一方だが、アイヴィがあっちを片づけてくれればこっちに来てくれるはずだ。


「でもそれじゃあダメだよな。むしろ俺がアイヴィに加勢にいくくらいじゃないと。」


考えろ。俺がリンに勝つ方法を。ポケットドラゴンで出現させる石は目の前にしか作れない。相手の退路を断たないといつまでもいたちごっこだ。もういっその事一気に間合いを詰めてやるか。俺は走った。リンに向かって物凄い速さで突っ込んだ。まきびしボールを投げリンが右に避ける。そしてさらにまきびしを投げ続け退路を狭める。俺は矢の攻撃を潜り抜け、一気に距離を詰めようとする。リンが後ろに下がる。がしかしリンの後ろには俺が作り出した石の壁がある。リンが後ろの壁にぶつかり体制を崩した所で俺はバーンソードで首を跳ねる。


「どっちかっつーとこっちアイヴィだったんじゃないか。まぁゴブのが強いのはわかるけども。作戦ミスだな。」


俺はアイヴィの元へ走るとアイヴィもゴブを倒していた所だ。ゴブはなかなか頑丈でアイヴィの攻撃ではなかなか有効打を与えれなかったらしい。やはり作戦ミスだな。


「なんとか倒せたな。」

「はい。結構強かったですね。私も前に戦った事はあるんですけど、その時は6人居ましたので、ちょっと苦戦する位でしたけども」

「俺がゴブとやった方がよかったんじゃないか?」

「そうですね。私もリンのがやりやすいと思いました。」

「アイヴィが一声かけてくれれば俺がそっちに行ったんだけどな」

「リンは遠距離なので一人はつけておきたいですね。私が洋平の所に行くべきでした。」

「まぁ今後の教訓にしよう。」

「そうですね。」


俺とアイヴィはゴブとリンの耳を切り、辺りを見回す。


「見られてますね。」

「あぁ。俺でも感じる。この嫌な感じ。盗賊じゃ無さそうだな。」

「こんな深い所まで盗賊も足は伸ばさないでしょう。数は一匹だと思いますが。どうしますか?」

「相手がわからないんじゃ対処がしにくいしな。逃げるのも手だな。」

「ですが・・・」

「見つかったか。辺りも暗くなり始めてるからな。今森を歩くのは危険だ。やるしかないな」

「まずいですね。あれはベイオウルフです。ダイヤウルフの変種で人型で知能が高いです。力も強くランクはAにはなってますがゴブリンとは比べものになりません。」

「勝てるのか?」

「セリーヌ様との特訓を思い出しましょう。」


ベイオウルフの身長は2メートル位だ。右手には斧を持っている。斬ると言うよりは殴るに近いと思うが、素早く振り回す事の出来るサイズだろう。俺とアイヴィは剣を抜きベイオウルフと構える。辺りが暗くなり始めている。早めに決着をつけなければ。俺はアイヴィより先に動き出そうとしたが。ベイオウルフのが早かった。ベイオウルフは一瞬で距離を詰め俺に斧を叩き付けてきたがアイヴィが俺を突き飛ばしてくれたので俺は攻撃を食らわなかったのだが、ベイオウルフがアイヴィを標的にし斧で殴り、体制を崩していたアイヴィを吹き飛ばす。


「アイヴィ!!」


俺とアイヴィの間にはベイオウルフが居る。こいつを倒さなければアイヴィの元へは行けない。アイヴィを遠目で見るが暗くてよくわからない。早く無事を確認しなければ。俺は胡椒爆弾を足元に投げブリーズペンダントを使い相手を怯ませる。その隙に思いっきり腹を蹴飛ばし、アイヴィの元へと駆ける。


「大丈夫か。アイヴィ。」

「大丈夫です。油断しました。もう回復したので今度はこちらからいきますよ。もうスピードは見えましたね?」

「あぁ。セリーヌよりは遅い。いつも通り行くぞ。」


ベイオウルフはすでにこちらに向かって来ていた。アイヴィがベイオウルフの斧を剣でいなし、俺が隙を見つけて斬りつける。徐々にダメージを与えていると思うのだが、アイヴィの動きがいつもと少し違う。右側に避けない。左足を庇っているみたいだ。


「アイヴィ!足をやったのか!」

「先程飛ばされたときに痛めたようです。」

「一旦距離を取るぞ。」


俺はガマボールを足元に投げアイヴィがそれに向かって火の玉を打つ。それによって出来た火の溜まりにベイオウルフが一瞬隙を見せ。俺とアイヴィは後方へ下がる。


「大丈夫か?」

「もう少しなら大丈夫です。ですが少し動きが制限されてしまいます」

「くそ!俺一人で倒したい所だが、一人では勝てる気がしない。もう少しだけ頑張ってくれ!」

「気を付けて!何か来ます!!」


ベイオウルフの頭上に石の塊が生成されそれが俺達に向かって来る。俺は咄嗟にポケットドラゴンで石の壁を分厚く作り、それをなんとか防ぐが、すぐに壁が壊されベイオウルフが突っ込んできた。俺はアイヴィの前に立ちベイオウルフの攻撃を一手に受ける。アイヴィが隙を見てベイオウルフに攻撃をするが、やはりアイヴィの動きが鈍い。このままではまずい。アイヴィを俺は守らないといけない。もっと速く。もっと強く。もっと力を!


「うぉぉぉぉぉ!」

「洋平!くっ!ウィンドバーニア!」


俺は無我夢中でベイオウルフに攻撃を仕掛ける。これでダメならもう無理だ。俺はアイヴィから教えてもらった型を再現し小手返しによってベイオウルフの斧を持っている手を切り落とした。それに怯んだのかベイオウルフが下がり距離を取り。詠唱をはじめようとする。


「アイヴィ!今しかない!!力を振り絞れ!」

「はい!!」

「「風の太刀」」


アイヴィの剣から風の刃が飛び出しベイオウルフを斬りつける。俺の剣からは石が飛び出しベイオウルフの顔面に直撃する。


「洋平!今です!ウィングブースト!!」


俺はアイヴィの風魔術の援護を受け、一瞬で距離を詰め全力の一撃を食らわせる。


「うぉ~~~!」


力任せに振りぬいた剣はアイヴィの援護もありベイオウルフの胴体を真っ二つに斬りぬいた。



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