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テンプレ異世界紹介

「ふぁ~」


と大きな欠伸をしながら目覚める。国王との謁見から三日経ち、俺は落ち着きを既に取り戻している。

それも一重に隣で寝ている彼女のおかげなのだが。

今は、ウィンストハイム城下町のグラングランという宿に泊まっている。めちゃくちゃいい宿だ。宿というよりはもう高級ホテルを感じさせる。ふかふかのベッドに美味しい食事。たぶんお高いはずなのだが、今気にするべきはそこでは無い。この世界についてだ。初日はうなだれてすぐ眠ってしまったが。二日目にはアイヴィが熱心にこの世界について説明してくれた。アイヴィは話が進むにつれヒートアップして疲れて眠ってしまった。

 この世界は大きく分けて3つの大陸と一つの島があるらしい。今俺がいる西の大陸ガルガンディアは世界でも大きな大陸らしく、様々な種族が暮らしている。南東にバイラフスという大陸があり、ここには光と影の種族が住んでいる。北東にはライイラという大陸があり、魔族が住んでいる。ライイラはガルガンディアと陸続きではあるが龍の顎という険しい山脈があり、種族も違う事から実質一つの大陸とされている。その三大陸に囲まれ中央に位置するのが神に一番近いとされる。神島アスラ。神島は激しく渦巻く海流と気流によって近づく事さえ困難な島である。

 ガルガンディアは中央に水の守護を受けたウィンストハイム領。ヒューマンつまり人間が多い。北の大森林メルヴィルに住む風の守護を受けたエルフ。エルフは透き通る様な肌に長い耳を持ち驚異的な身体能力と魔術を持つ。顔が整ったエルフしか居ないのだとか。さらに北のミカトレア大火山の近くに住む火の守護を受けたガフ族。ガフ族は基本的に皆筋骨隆々で、毛深く、他の追随を許さない力を持つ、外交的で親しみやすい種族だそうだ。南には大地の守護を受けたドワーフ。ドルドフスという巨大な地下帝国を築きそこで暮らしている。ガフ程ではないが力が強く体は小柄。内向的な種族ではあるが窮地の際には駆けつける信頼感と頼み事は断れない性格のドワーフが多いらしい。

 バイラフスには光と影の種族が居るのだが詳しい事はアイヴィにもわからないらしい。ライイラについてはそこに大陸があるという位しか知らないらしいのだ。光と闇、魔族にもさらに種族がわかれていると思うとアイヴィの師匠の見解だそうだ。

 ガルガンディアはヒューマン・エルフ・ガフ・ドワーフが主な種族でお互いに嫌いあっている訳では無い。どの地方にもヒューマンはいるしウィンストハイムにも数は少ないながらエルフやガフやドワーフも生活をしている。それぞれ違う精霊の守護を受けているので長所を持ち寄っているのだ。水は恵みを風は息吹を火は活力を大地は生命を、どれも解釈を変えれば同じ気もするが。今隣で寝ているアイヴィもエルフとヒューマンのハーフという事だ。

 精霊はどの地方にも存在し、その地方を守っているのだそうだ。ガルガンディアには四精霊がおり水のウンディーネ、風のシルフ、火のサラマンダー、大地のノームとして、その土地を守護してくれている。姿を見た事のある人は数が少ないが各土地に精霊が住まう場所というのが明確にされている。その場所にいけば誰でも精霊に見られる事が出来るという事だ。その精霊の住処にはそれぞれ精霊の課題があり、その課題を突破出来た者には精霊から直々に加護を授けられるとされている。課題は無理難題だそうだ。その為腕に自信のある猛者が各精霊の住処を巡業する四大巡業なるものがあるらしい。四大巡業は厳しい道中になるのでたとえ精霊の課題を突破できなくても無事に回りきることが出来れば、大いなる尊敬を得られるという。アイヴィもその四大巡業の最中だそうだ。

 魔術というのはこの世界の根底にあるもので、基本的に精霊の力を使い魔術を使っている。生まれ持っている素質で生涯使える種類の魔術が決まるそうだ。ヒューマンは水の守護を受けているのでほとんどの人が水の魔術に対して資質を持っている。生まれてくる子供に精霊が気に入ったら資質を与えるようなモノらしい。その子供も成長し子供が生まれたら自分の気に入ってる人の子なのでまた資質を与えるそうだ。例外もあるようだが。水を扱えるヒューマンは日照りがよく続くガフ族の居るミカトレア地方では大変重宝されるという。四大巡業で精霊の課題をクリアし、その精霊の加護を受ければ、その系統の魔術を使えるようになるという。稀に2つの精霊に気に入られ、2つ資質を持った人が生まれるそうだ。1つ資質を持つ者を魔術師といい、2つの資質を持つ者は魔導士と呼ばれ、3つ資質を持つ者は賢者と呼ばれ、4つ資質を持つ者はそれぞれ特別な呼び方をされる。過去の歴史の中でガルガンディアで四精霊を仕えた者は4人しかおらず、いずれも歴史的に大きく貢献したという。アイヴィは生まれつきの魔導士らしい。火と風の資質を持っている。エルフとヒューマンのハーフなら水と風だと思うのだが、それには深い訳があるらしく、詳しい事は聞いていない。例外の一つである。


「洋平殿、おはようございます。」

「おはようございます」


昨日の事を整理しているといつの間にかアイヴィが起きてこちらを見ていた。


「昨晩は寝てしまって申し訳ありません。まだまだお伝えしないといけない事が沢山あるのですが。」

「いやー、結構新鮮な情報ばかりで今にも頭がパンクしそうですよ。」

「そうですね。時間もまだまだありますからこれからは徐々に理解を深めていくとしましょう」

「よろしくお願いします」


結構無茶な設定だとは思うが、これがゲームの設定だと考えたら結構すんなり頭に入って来た。まぁこれはゲームでは無く現実なのだが。それでもまぁ来た頃に比べれば大分落ち着いては来たな。早いとこシルバーを取り戻し、元の世界に帰る方法を探さなければ。


「そろそろ国王に会ってみたいと思います。」

「体の方は大丈夫なのですか?」

「アイヴィさんがついてくれるだけで勇気が湧いてきますよ。」

「その調子なら大丈夫そうですね。では謁見の申請をしてきますね」

「お世話になりっぱなしですいません。」

「こちらも見返りを求めてるので構いませんよ。行ってまいります。」


そう言って部屋を出て行ってしまった。見返りとは?元の世界の知識の事か。この世界で通用するかはやってみなければわからんが。手先が器用なのでアイスの棒に当たりと掘る事位は簡単なのだが。



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