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ただいま!!

俺はセクターと一緒にセリーヌの家まで飛んだ。まだ家は灯りがついている。セクターと並んで家を一応ノックする。


「洋平です。只今戻りました。」


アイヴィが扉を開けて抱き付いてくる。そうこれだよ。だがセクターを見てすぐに離れる。


「洋平お帰りなさい。それにセクターさんまでこんな時間にどうしたんですか?セリーヌ様はもうお休みになられましたよ。」

「そうか。んじゃあとりあえず詳しい話は明日の朝にするとしよう。あいつの睡眠を邪魔すると殺されるからな。アイヴィ結界を張るのを手伝ってくれ。」

「結界って?洋平何か悪い事をしてきたんですか?」

「まぁ詳しい話は明日の朝にしよう。とりあえず手伝ってくれ。」


俺は二人が何やら結界を張るのを眺めてそれから三人で家に入る。俺は俺の部屋でセクターと寝る事になった。セクターに俺の部屋を使わせて、俺がアイヴィと二人で寝るという事も考えたが、今の状況では不謹慎だろう。


「ここがお前の部屋か。って凄いな。これは全部創造ってやつか?」


セクターは俺の部屋のフィギュアの群れに食いついている。まぁ何体かならあげてもいいのだがな。適当に雑談をしつつ俺達は眠りに落ちた。セクターは床に座って寝るらしい。一応警戒はしておくとの事だ。

翌日。俺は起きてセクターも起こし朝食を食べに下へ降りる。セリーヌはまだ寝ているようだ。アイヴィがセリーヌを起こしに行って、二人で降りて来る。


「にゃ?なんでお前がここにいるのにゃ?」

「ちょっと問題が起こってな。姐さんの力を借りたいんだ。」

「にゃ!姐さんと呼ぶんじゃにゃい!」


4人で朝食を食べながらセクターが説明する。朝食を食べ終わり俺とアイヴィで片づけをしながらセリーヌとセクターで話し合っている。


「話が急過ぎて色々ツッコミ所が満載なのにゃ」

「俺もだ。この件は流石に俺には重すぎる。」

「とりあえず洋平はその髪飾りとやらを見せるのにゃ」


俺は髪飾りをセリーヌに渡そうとして断られる。仕方ないのでテーブルに置く事にした。


「にゃ~。あいつの臭いがするのにゃ・・・」

「あいつってリソワ様ですか?」

「そうにゃ。」

「リソワ様とアイヴィはどうゆう関係が?」

「私は物心ついた頃にはセリーヌ様の元に居ましたので、エルフの里の事はあまり覚えていないのです。」

「姐さんは何か知ってるんじゃないのか?」

「にゃ~・・・それは言えないのにゃ。」

「なんか知ってるんだな。」

「セリーヌ様教えてください。」


セリーヌが黙る。リソワとアイヴィが何か関係があるのは間違いなさそうだ。だが国宝まで送ると言うのはやりすぎな気もするが。俺は閃きアイヴィに耳打ちをする。


「セリーヌ様。この前の勝負の約束を忘れてはいませんよね?私の言う事を一つ聞くという約束を。リソワ様と私の関係を話してはくれませんか?」

「それだけは言えないのにゃ。言ったらあいつに殺されるのにゃ!!これだけは教えれないのにゃ・・・」


どうやらかなり深刻な問題のようだな。


「ところでこの髪飾りはなんなのですか?私が貰ってもいい物なのでしょうか?」

「これはアイヴィの物だにゃ。この髪飾りは風の精霊シルフが作ったとされる物なのにゃ。大昔にエルフと共同で作ったとされる古代兵器の一つなのにゃ。ランクはSS。効果はよくわからにゃいが。魔術の効果を高めるとされているとあいつから聞いたのにゃ。」

「でも話を聞くとこれで国が一つ買えるレベルなんですよね?」

「まぁそれを売る人なんて居ないのにゃ。あいつが肌身離さず持っていた物なのだからにゃ。これはエルフの国宝と思ってくれればいいのにゃ。値段なんてつけていい代物じゃないのにゃ」

「そんな高価な物を私が身に着けてもいい物なのでしょうか?」

「あいつがそう言ったんだからいいのにゃ。あいつの言葉は国の言葉にゃ」

「無くさないように気をつけないといけませんね。」

「洋平はあいつに会ってどう思ったのにゃ?」

「ん~かっこいいと思いましたね。世間のしがらみに捕われず。自分の好きなように生きてる感じがしましたね。」

「変わってないのにゃ。いつも自分勝手なのにゃ。でもやる時は凄いのにゃ。竜王ガロウスの首を一撃で切った時は流石に引いたのにゃ・・・」

「竜王ガロウスってあの伝説の竜王ガロウスか!」

「そうだにゃ。生涯に一本しか生えない牙を持つ竜の王なのにゃ。その牙で作った武器がガロウスシリーズなのにゃ。」

「さすが4勇者はすげーな」

「姐さんも4勇者だけどな!」

「そうだった!セリーヌの武勇伝をもっと聞かせてくれ!!」

「話が脱線してるのにゃ。とりあえずこの髪飾りはアイヴィが肌身離さず持っているといいのにゃ。あいつの物には触りたく無いのにゃ。」


アイヴィが髪飾りを見つめ大事そうに抱きしめる。まぁこれで一安心か。でも外に出る時は注意が必要だな。まぁ俺もBランクだからもうずっと一緒だ!


「じゃあもう帰るといいのにゃ。セクター洋平を連れて行ってやるのにゃ。まだ日数には余裕があるのにゃ。上げれるだけ上げて来るのにゃ。」


俺とセクターが顔を見合わせにやりと笑う。


「実は昨日Bランクになりました。」

「にゃに!プレートを見せるのにゃ!!」


俺はプレートをセリーヌに渡す。アイヴィも隣から覗き込んでいる。アイヴィにはCランクに上がったと言っているのでまぁそんなに驚く事でもないだろう。


「早すぎるにゃ。セクター甘やかすのはよくないのにゃ!」

「いや俺は何もしてねぇよ。洋平が頑張ったんだ。」

「でも別れる前はEランクだったはずだにゃ・・・」

「あ・・・すいません。別れる前はCランクでした。」

「それでも早すぎるのにゃ。」


セクターが俺をCランクにしたいきさつを説明した。


「昇段試験でウィルに勝ったみたいだし。俺ともいい勝負をしてたからな。今なら姐さんにだって勝てるさ」

「親父!それはいい過ぎだ!いくら俺でもそんなに天狗にはならねぇよ」

「お前は俺の自慢の息子だ。もっと誇っていい。俺にやった戦い方なら姐さんにだって勝てると俺は信じてる。」

「お前らいつの間に親子になったんだにゃ?まぁいいのにゃ。よーへーがどこまで実力をつけたのか久しぶりに勝負してやるのにゃ。その結果次第ではアイヴィと一緒に依頼を受ける事を許可してやるのにゃ。」

「よし!洋平頑張れよ!!じゃあ明日の朝に勝負する事にしよう。今から作戦会議だ!行くぞ!!」


セクターは俺の手を引っ張って俺の部屋へと連れて行った。話が急過ぎるんだよ。俺には勝てる気がしない。胡椒カプセルも一度食らわせてるしまきびしも経験済みだからな。だがアイヴィと依頼を受ける為には俺の実力を見るというのはもっともだろう。その日は一日中セクターと作戦を練った。途中でアイヴィも加わり三人で作戦を考えた。セクターは姐さんの負ける所が見たいという気持ちで。アイヴィは俺と一緒に依頼を受けたいという気持ちで。二人から高級な魔道具を沢山借りて装備に身を包む。いささか卑怯では無いかという気持ちを押し殺しつつ俺は明日の朝に備えて眠りにつく。



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