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実はすごいもの?

俺はBランクになった後、バル達と一緒にまたローズンの酒場へと足を運んだ。祝勝会だな。


「え~僭越ながら私が言葉を述べさせていただきたいと思います。今日。ここに集まった6人は見事Bランクになりました。今日は思う存分飲みましょう。今日は俺の驕りだ!乾杯~」


バルの掛け声で宴が始まった。俺とバルの距離も大分縮まった感じがするな。


「ところでお前らの攻撃をどうしてあいつは避けなかったんだ?」

「あ~それは裏でちょいちょいっと金を掴ませてですね」

「ライラが審判で居たけど大丈夫なのか?」

「あの試験官のエルフはセクターに次いでNO2なので誰も文句は言えないはずですよ。」

「なるほどね。そんなもんなのかね」

「それにしても洋平様凄いですね。もう俺らでは太刀打ち出来そうもありません」

「まぁ古代魔術師の弟子だからな」

「そうだったのですか!?となるとセリーヌ様の?」

「そうだ。あのバカ猫の下で修行している。」

「なるほど。どうりでお強い訳ですね。そして四界の女王リソワ様とも面識があるとは・・・」

「いやーリソワ様には一度会っただけだからな。まぁ知り合いって程でも無いさ。」

「あの髪飾りは一体なんなのですか?」

「あぁこれか。これはリソワ様から預かっているんだ。国宝らしいんだが。お前ら知ってるか?」

「いえ、そのような物は見たことがありませんが。とても美しいですね。」


俺が髪飾りを見せてみんなで楽しく飲んでいると後ろから声がかかる。


「おい!洋平!!それはまさか!!エルフの!!!」

「あぁロイさん。Bランクになりましたよ。ありがとうございます。」

「いやいやBランクなんてどうでもいい!それよりその髪飾りは一体どうしたんだ!?」

「なんかエルフの女王から預かってます」

「それを今すぐ隠した方がいい。盗賊に目をつけられたら大変だぞ。」

「え?やっぱり?」

「早く店からも出た方がいい。そんな物持ってうろついてると俺なら気が気じゃねぇ」

「はい。わかりました。明日にはセリーヌ様の所へ帰るんですけどそれまでどうしたらいいですか?」

「信用出来る護衛を付けた方がいいな。俺らも力を貸す。とりあえず帰るまでは一人にならない方がいい。」

「だったら俺らが洋平様の護衛をするぜ!」


バル達が立ち上がり声を出す


「洋平。そいつらは信用出来るのか?まぁ俺らも信用してくれてるかわからねぇが」

「大丈夫です。ロイさん達もバル達も俺は信用してます。もし何か変な事をしたら殺すので大丈夫です。」

「まぁ一人でトロルを倒せるんだからな。実力は認めるが。冒険者落ちの盗賊が最近見かけるらしいから用心しとくに越したことはねぇ。噂では元Sランクだそうだ。さすがの洋平でも危ないだろう」

「そうですね。ではさっさと行きましょうか。宿も変えた方がいいですかね?」

「洋平はどこに泊まってるんだ?」

「グラングランです。」

「なら問題ねぇ。部屋を良いところに移してもらえ。両隣が空き部屋がいいな。その前で俺らが護衛するとしよう。洋平は事の重大さに気づいてねぇと思うが、その髪飾りはやべぇぞ。この国なんて余裕で買える位の価値がある。」

「「「「「「え?」」」」」」


言葉の意味がわからなかったがロイの真剣な顔を見てると嘘じゃないっぽいな。俺は酒場を後にしグラングランへ行きロイが交渉をして部屋を移してもらった。真ん中の部屋には俺とロイとバル。右の部屋にはシエルとディルマ、左の部屋にはバーンとハク。廊下をノッポとチビとデブと女魔法使い。俺はみんなに護衛のお金を払うつもりだったのだが、全員に断られた。どうやら事の重大さに気づいてみんな緊張しているみたいだ。


「明日帰るってんなら今日は徹夜かな。」

「うむ。洋平様はお眠りになっても構いません。」

「いや俺だけ寝るって訳にも行かないだろう。」

「昇段試験であれだけ激しい戦いをして疲れないはずが無いです。明日も移動するのですから、今日はゆっくりお休みになった方がいいです。」

「そうだな。洋平は寝てても大丈夫だ。俺らは今朝の事も含め洋平には借りがあるからな。ガチャガチャ200個は全員完売だからな。出来れば明日もセリーヌ様の家まで護衛を雇った方がいいとは思うが俺らは戦闘力が無いからな。バルさん達はどうなんだい?」

「俺達は洋平様の為となれば粉骨砕身で働かせて頂きます」

「そうだな。バルさん達もBランクなのだからそれなりに実力はあるだろうし、いいんじゃないか?」

「う~ん、俺ならセリーヌの家までは一時間ちょいで着きますけど普通は馬車で5日位かかるみたいですね。」

「洋平はやっぱり凄いんだな。じゃあバルさん達も悪いが足手まといか。」

「ううむ・・・。俺達も一応Bランクですが偽物みたいなものですからね。洋平様の足元にも及びませんよ。」

「やっぱり一人でさっさと行った方がよさそうですかね?それとも護衛をつけて5日かけるか・・・」


そんな事を考えていると外が騒がしくなってきた。


「どうした?まさか盗賊か?俺が廊下を見て来るんでロイさんは洋平様をお願いします。」

「わかった。洋平いつでも逃げれる準備をしとけよ」


騒ぎがどんどん近づいてくる。そして


「洋平どこだ~~~!!」


その声には聞き覚えがあった。セクターだ。まさかセクターが盗賊な訳も無いしな。


「多分セクターですね。ちょっと見てきますよ」

「おい!ちょっと不用心過ぎないか?」

「大丈夫ですって。親父の声は独特ですからね。」

「え?ちょ待て親父って・・・?」


俺は一応荷物を持って廊下に出る。するとバル達5人にしがみつかれているセクターを見つけた。


「やっと見つけたぞ洋平。」

「こんな時間にどうしたんですか?」

「まぁ詳しい話は後だ。とりあえずすぐギルドに来い。お前達全員もだ。」


俺はセクターに言われるまま宿を出てギルドに向かう。全部で11人だ。それにセクターと職員が三人ついてきている。


「おい、周囲をしっかり見張れよ。どこから襲って来るかわからんからな。」


全員警戒をしつつギルドまでたどり着いた。そして会議室的な縦長の部屋に通される。中には試験官をやったエルフの男とライラが居た。


「とりあえず全員座れ。」


セクターの声にみんな従う。まぁ冒険者ギルドのトップだからな。町でも権力は大きいだろう。


「まぁ、見た感じ全員知ってしまったという顔だな。洋平。」

「はい」

「お前今日ウィルと戦った時に髪飾りを見せたらしいな。」

「はい」

「ちょっと見せてくれ?」


俺はバッグからリソワから預かった髪飾りをセクターに渡す。それをウィルと呼ばれたエルフの男が覗き込む。


「どうだ。ウィル」

「間違い無いな。この装飾技術はエルフの独自の物だ。それにこれからはリソワ様の臭いもする。」

「やはりか・・・洋平。これをどこで手に入れた?」


俺はトロル討伐に出かけてそこでピンチになり助けてもらった事を話した。アイヴィの事もだ。


「ふむ・・・ウィル、お前はどう思う?」

「リソワ様は気まぐれというか自分勝手な事があるが、一瞬の気まぐれでもさすがに国宝を手放す事は考えられん。そうゆう所はしっかりしている御人だ。アイヴィが何か関係していると思われるな。」

「この髪飾りをアイヴィにと言ったんだな?」

「そうです。」

「なるほど。とりあえずセリーヌの所へ持って行った方が良さそうだな。アイヴィも居るし。何より勇者同士何かわかる事があるかもしれん。」

「これをエルフの里に返すという選択肢は無いのか?」

「無いな。俺らはエルフの里に余り近づけないだろう。ウィル一人で行った場合は盗賊に襲われる危険もあるし、なによりウィルは金に汚いからこれは預けられん。」

「ぐ・・・エルフの誇りを余り侮辱しないで欲しいな!」

「もうウィルは帰ってもいい。後はこっちでやる。口を滑らせたらわかってるな。」

「くそ!あぁわかったよ。じゃあな!」


ウィルは退席した。セクターが周りを見渡し口を開く。


「お前らもこの事は他言無用だ。これはウィンストハイム冒険者ギルドマスターセクターからの命令だ。これは国を揺るがす危険な物だ。一刻も早く安全な所へ移動させねばならん。わかったらもうお前らも帰っていいぞ。洋平は俺に任しとけ。」


まぁセクター以上に頼りになるやつなんて居ないな。まぁこれで俺も一安心だ。これで寝れるかな。俺はみんなにお礼を述べ、また町に来た時にはみんなで飲むという約束をし、みんなと別れた。


「んじゃ洋平行くか。」

「今から?」

「もちろんだ。」

「まぁ行くってんなら頑張って走るけど、俺は昇段試験を終わってちょっと酒が入ってるんだぞ」

「何いってんだ。ポータルがあるだろう?」


あっ・・・俺ポータル持ってるじゃん。すぐ帰れたわ。セクターもそりゃあ当然持ってるよな。言えばすぐ解決したんじゃないか。俺は外に出てセクターの肩を掴む。セリーヌの家がイメージされる。


「エターナルオン!!」


エターナルじゃねか・・・



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