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勇者登場!?

ついにあの御方の登場です

このギルドも懐かしいな。三週間とはいえ、中にいる冒険者の顔ぶれも見たことのあるやつばかりだ。バル達も居るな。俺を見てこそこそとしているが無視しよう。俺はBランクの依頼書が貼ってある掲示板に行き依頼を眺める。

結構沢山あるな。今回も期間は一週間しかないので一日一個のペースで三日やればBランクなのだが。めんどいな。ここはてっとり早く行くか。俺はカウンターに行きライラに話しかける。


「お久しぶりです。」

「あっ!洋平様!お久しぶりです!調子はどうですか?Bランクの依頼は受けないんですか?会いたかったですよ!」

「そんないきなり色々言われても困るんだが。親父・・・セクターは居ますか?」

「普通の冒険者はマスターに簡単に会う事は出来ないんですけどね。まぁ洋平様なら問題ないのですが、現在マスターは城へ行っているはずです。その後は出張が入ってますので残念ながらお話する機会は無いと思います。」

「じゃあセクターに勝ってBランクになるという俺の作戦は!?」

「残念ながら出来ませんね。普通にやりましょ?」

「まぁしょうがないか。じゃあ依頼を見てきますんでまた来ます。」


残念だ。セクターに勝って一気にBランクという俺の作戦が。BランクになるのはBランクの依頼を3つだ。期間は半年。依頼は上のランクを失敗すると自分のランクの依頼を一つ達成しないと上の依頼は受けられないんだそうだ。今更かよ。掲示板に戻り依頼を吟味する。

トロル討伐。オッコロウ討伐、ラオーン討伐、ロック鳥討伐、ロック鳥の卵の納品、家庭教師の仕事、馬車の護衛、迷宮探索、研究のお手伝い。色々あるな。問題は一日で終わらせられる依頼があるかどうかだ。トロル討伐はいつもの森か、あそこなら大丈夫だな。とりあえず残りは様子見だ。明日の朝また見て考えよう。オッコロウはでっかいトカゲだ。鱗が堅くてなかなかダメージが与えれないから魔術で倒すのが推奨だから俺には出来ない。ラオーンはライオンだ。これは怖いからパス。麻痺させてくるらしいからな。ロック鳥は遠い。そして崖に巣を作るからこれもきつい。家庭教師は謎だ。この依頼はEランク位じゃないのか。にしても報酬がいいな。文字を教えるのか、これBランクっておかしいだろ。怪しいので様子見。馬車の護衛も沢山あるが片道1日だとしても往復で2日か。まぁトロルやって護衛二つでもいいか。近い所の護衛があればだが。迷宮探索はPT推奨だからパス。研究の手伝いも魔術使える事が条件だから無理。結局トロルだけか。俺はトロル討伐の依頼書を持ってライラの所に行き受理してもらいギルドを出る。まだ二人は用事が済んでないだろうからロイさんの所に行くか。


「ほうこの石は興味深いですね。」

「そうだろう。その石は魔道具では無いが俺の店の自慢の品だ。って洋平じゃないか!」

「お久しぶりです。ロイさん」

「久しぶりだな。よく来てくれた。またしばらくはこっちにいるのかい?」

「そうですね。またランクが上がれば帰りますけど、5日はこっちにいると思います。」

「じゃあ今晩は一緒に飲みに行かないか?またあいつらも一緒だがな。」

「先日のお礼をしたいので是非ともご一緒させてください。」

「わかったじゃあ店が閉まる位にまた来てくれよ。」

「わかりました。では私はトロル討伐に行ってきますんでまた夜に来ますね。」

「おいおい、トロルってそんな簡単に倒せるものなのかい?噂ではCランク4人でやっと倒せる相手だと聞くぜ。Bランクの登竜門とも言われてるらしいな」

「そうなんですか。まぁ夜までには終わらせて帰ってきますよ」

「どこまで行くんだい?」

「メルヴィルの森ですね」

「今日の夜まで帰って来れないんじゃないのかい」

「楽勝っすよ。では行ってきます。あっとこれはお土産っす」


俺はポーチから石で作った新作をいくつか店先に並べて立ち去る。後ろからロイの叫びが聞こえるがそろそろ城門にいかないければ、時間とかは決めてないが、あまり遅くならない方がいい。

城門に行くともう二人待っていた。


「遅いのにゃ」

「すいません。ちょっと露店を見てたら面白くて」

「まぁいいのにゃ。よーへーのバッグは持って来ておいたのにゃ。」

「ありがとうございます。」

「それでDランクの依頼は何を受けたのかにゃ?」

「メルヴィルでポグ5匹の討伐です。」

「まぁ今の洋平なら楽勝なのにゃ。最近メイヴィルではぐれトロルが出るらしいから気を付けていくのにゃ。」

「トロルって強いんですか?」

「まぁ洋平なら勝てるのにゃ。でもまぁ無理に戦う必要もないのにゃ。自分の力を過信しない方がいいのにゃ。」

「そうですね。油断大敵ですね。」

「では先に帰るのにゃ。アイヴィ行くのにゃ」

「あっ、ちょっと買うもので忘れた物があるのでセリーヌ様先に帰ってください。すぐに向かいます。」

「わかったのにゃ。ではよーへー頑張るのにゃ。エターナルオンにゃ!」


セリーヌは先に帰って行った。残されたアイヴィと俺


「エターナルってなんですか?ポータルとは違うんですか?」

「これはエターナルストーンと言ってセリーヌ様が作った魔道具の一つです。ランクはSです。ポータルとは違い何度でも使えます。」

「なるほど。これがあるからすぐに帰れる訳ですね。と言うかアイヴィ忘れ物って嘘だよね?」

「ち違いますよ、ほら洋平が卵を沢山使ったので卵を多めに買っておこうか」


話の途中だったが俺はアイヴィを抱きしめる。


「また少し離れ離れになるが、ちゃんと帰るから安心してくれ」

「・・・はい」


アイヴィを放す。顔が赤いぞ。俺もだがな。


「では洋平頑張ってくださいね。ちゃんと帰って来て下さいね。私も勉強頑張ってますから。」

「はい。トロル討伐頑張ります。」

「やはりですか。」


アイヴィが俺を抱きしめる。


「セリーヌも大丈夫と言ってたので大丈夫ですよ。」

「そうですね。ではそろそろいかないと、危なくなったらちゃんと逃げてくださいね。」「大丈夫だって。」

「ですが・・・」

「ほらそろそろ行かないとセリーヌが待ってますよ。」

「そうですね。ではまた。エターナルオン!」


アイヴィも飛び立って行った。ほらやっぱり嘘じゃないか。可愛いやつめ。

まだ時間は昼前だな。さっさと行って来るか。俺はメルヴィルの森へと急ぐ。


「とうちゃ~く」


まぁだいぶ俺も早くなったな。これもアイヴィとセリーヌに感謝しないとな。さてトロルを探すとするか。森は広いと言えどもトロルはデカいからな。


「みーつけた!って三匹もいるのか!はぐれトロルじゃねーだろ。もう群れじゃないか。」


俺は一体を想定してたんだが。はぐれたトロルが偶然に集まったのか。それとも探しに来たトロルか。でも知能は低そうだからな。それは無い。さてどうするか。いつも通り石投げただけじゃさすがに倒れないだろうけどな。まぁやってみるか。

俺はインスタントで石を作り出し投げる。石はそこらへんにも転がっているが、やはりいつもの石だとコントロールがいい。石がトロルの頭にガンと言う音を立てて当たる。

トロルの一体が体をぐらつかせて木にもたれ掛る。


「結構効くじゃないか。ってお怒りなようで・・・」


石をぶつけられたトロルが棍棒を振り回し木をなぎ倒して一直線に俺に向かって来る。残りの二体も俺にゆっくりと向かって来る。


「一人だからヘイト管理も糞も無いよな。」


俺は腰から剣を抜きトロルに向かって走り出す。


「こんな動き俺には止まって見えるぜ!」


向かって来たトロルの股下を抜けそのまま両アキレスを斬る。


「まずは一匹。これでやつは立てないから放置だ。」


そのまま奥の二匹に向かい走り出す。


「遅い!」


片方のトロルが棍棒で殴って来たのを避けてその棍棒に乗り腕から肩へと走り首を一刀する。


「お前でラスト~」


最後の一体はこちらを見て様子を見ているので一気に距離を詰める。


「うお!!」


最初にアキレスを斬ったトロルが俺を摑まえた。そのまま俺を掴んだまま地面から引き離しもう一体のトロルへ見せる。するともう一体のトロルの棍棒が振り上げられ俺に向かって振り下ろされる。俺はやばいと思ってありったけの身体強化を防御に回した。堅さのみを求める。だがこれは俺が苦手とすることでうまくいかないのは知ってる。俺は祈るような気持ちで目を閉じる。

だがいくら待っても衝撃が襲ってこない。俺を掴んでいた手の力が抜ける。俺は襲る襲る目を開け手をこじ開け地面へと着地する。


「ん?」


目の前には棍棒を振り上げたトロルが棍棒を振り上げたまま固まっていた。すると徐々に頭の天辺から亀裂が入り真っ二つに割れる。その奥に見えるのはちょっと緑色な白銀の鎧を身にまとった人。純粋なエルフはこんな感じなんだ。と思わせるような美しい顔。女性だ。確実に今までの人生で一番綺麗な人だ。アイヴィに若干似てる気がするが、まぁエルフだからなのだろう。


「懐かしい匂いがするから来てみれば・・・」

「リソワ様!こいつはヒューマンです!関わりにならない方が」

「黙れ!おい!貴様!誰だ!なぜお前から我が一族の臭いがする?それにあの忌々しいバカ猫の臭いまで!」


頭が混乱している。目の前には白銀の鎧を着たリソワと呼ばれていた美しい金髪の女性。後ろには弓を持った軽鎧のエルフの男性が三人。どいつもイケメンだ。でもまぁ助けてくれたからな。感謝を述べるべきであろう。メルヴィルの森の先にはエルフの里があるのだからエルフが居るのも頷ける。


「先程は危ない所を助けて頂き、ありがとうございます。私は洋平と申します。」

「貴様バカ猫の知り合いか!?」

「えっと・・・バカ猫というのはセリーヌ様でございましょうか?」

「うむ」

「えっとセリーヌ様のお知り合いの方でしたか。私はセリーヌ様の弟子をさせて頂いております。」

「・・・」


沈黙が続く。なんかやばそうだ。さっさと耳を持ち帰って帰ろう。夜にはロイと約束もあるからな。でもあまり失礼な態度は出来ないからゆっくりと後ろに下がり落ちてた剣でトロルの右耳を斬る。それを布に包んでバッグに入れる。よしあとは煙幕を使って逃げる事が出来るからな。だが相手がセリーヌ並の相手なら逃げる事は出来ない。というかたぶんここに居る人はみんな俺より強い。


「すいません。助けて頂きありがたく思います。このご恩は忘れません。私は次の約束があるので失礼させていただきます。」


よし完璧!逃げるぞ!俺は来た道を戻り全力で走る!


「待て!逃がすな!お前ら捕まえろ!」


一瞬で回り込まれた。絶体絶命ってやつか。これは無理だな諦めよう。俺は地面に座り荷物を降ろし武器を地面に突き刺し抵抗しないアピールをする。


「手荒な事をするつもりは無い。少し聞きたい事があるのだがいいか?」

「私に分かる事であればなんでもお答えしましょう。このご恩忘れる訳にはいきません」

「いい心がけは認めるが恩は忘れよ。我らエルフはヒューマンと関わり合うのを嫌うのが多い。」

「はぁ。それで何を聞きたいのですか?」

「いや、そのなんだ。エルフかハーフエルフの知り合いはいるか?」

「はい。セリーヌ様の元で一緒に修行をしているアイヴィ様がおります。」

「!!!」


リソワの顔が一瞬にして驚愕の表情に変わる。アイヴィの名前がそんなに驚く事なのか。また沈黙が流れるがそれを切ったのは周りのエルフの一人だ。


「リソワ様!それ以上関わるのはお止め下さい!女王の品格が問われますぞ!」

「黙れ!ランス!」


リソワって女王なのか。女政国家なら独裁政権だな。ランスも含めその取り巻き達はもう膝をついて頭を下げている。


「あの・・・リソワ様」

「なんだ?」

「アイヴィ様がどうかされましたでしょうか?」

「い、いや、なんでも無い。」


完全にあるじゃねーか。


「私は夜までにウィンストハイムに戻らないといけないのでそろそろ行ってもよろしいでしょうか?」

「う、うむ。すまないな。もう行ってもいいぞ。」

「はいありがとうございました。このご恩はもう忘れます。では失礼します。」


俺は荷物をさっさとまとめ剣を鞘に戻し立ち去ろうとする。


「ま、待て・・・」

「はい。まだ何か?」

「そ、そのアイヴィは元気か?」

「はい。アイヴィ様はご健勝そのものでございます。何不自由なく暮らしていると思います。」


リソワの顔が一瞬にして明るくなった。やはり美人だ。そして可愛い。やはりどこかアイヴィに似てる。親か?いやは死んだとかだったか。じゃあおばあちゃん!?てかセリーヌも知ってるとか色々聞きたい事もあるが。


「もう行ってもよいぞ。時間を取らせたな。」

「一つ聞いてもいいでしょうか?」

「なんだ?」

「リソワ様とアイヴィ様は何か関わりがあるのでしょうか?」

「貴様!それ以上リソワ様と口を利く事はこのランスが許さん!」


ランスが腰の剣を抜いて飛びかかって来たが、それをリソワが立ち塞がり止めさせる。


「我がエルフの一族は数がヒューマン程多くは無い。故に全てのエルフは家族のようなものだ。」

「なるほど。わかりました。ありがとうございます。では失礼します。」

「待て。これをアイヴィに渡してくれ。」


そう言って頭の髪飾りを俺に投げてくる。物理的接触は避けると言う事か。銀の髪飾りは蝶の形をしていて緑色の宝石がちりばめられている。


「リソワ様!それはなりませぬ!それだけはたとえ女王と言えども国の宝を!」

「洋平!早く立ち去れ!アイヴィをしっかり守ってやれ。今のお前ではアイヴィを守るには力が足りん。しかしバカ猫の元に居るのならばやつもお前が持ってる力の何かを感じたのであろう。強くなれ。」

「はい。失礼します!!」


もうすでに戦闘が起こっている。女王を超えて俺を捕まえようとしている。しかし女王はそれを許さず、4人の突破を全て防ぐ。お互いに危害を加えれない感じだ。後ろから声が聞こえる


「それでは女王失格ですぞ!」

「だったら女王なんてやめてやる!!」

「どうしていつも自分勝手なのですか!」

「ならば私の目に適うエルフを連れ来るがよい!!元より私は女王などなる気は無い!周りが勝手に言っているだけであろうが!」

「それが世界を救った4勇者の言葉ですか!?」

「降りかかる火の粉を払っただけであろうが!」


やっぱり4勇者の一人だったのね。そらバカ猫扱いもするわな。この髪飾りは国宝かよ。盗まれたら完全に殺されるな。俺は森を後にし、ウィンストハイムへと帰るのであった。まだやり合ってる声が聞こえる。


「女王を守る私達の身にもなってくださいよ!」

「頼んだ覚えはない!それに守られる程弱くも無いわ!」

「あ!待って下さい!ちょ!それは~あ~~~~~~」



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