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初めての依頼

俺は最初の依頼ローズン酒場までやってきた。まだ開店前だろう。


「こんにちは~ギルドから依頼を受けてきた者ですが」

「おー入ってきてくれ~」


中に入ると酒場のマスターっぽい人が迎えてくれる。


「じゃあ早速だがよろしく頼むぜ」

「はい。何を運べばいいのでしょう?」

「あれだ」


そういって店の外を指さすと酒樽が20個程積まれていた。


「昨日冒険者の連中が飲み過ぎちまってな。急な発注で運ぶのが間に合わないんだ。隣に倉庫があるからそこに適当に積んでおいてくれよ。」

「わかりました。サクっとやっちゃいますね」


そう言って俺は運び始めた。中に酒が入っているのだろう。一つ100キロはある。これ冒険者し始めの人には無理なんじゃないか。俺は身体強化で楽々運べるからいいが。ものの10分足らずで運び終えた。


「終わりました~」

「え?」


俺が店の中で掃除をしているマスターに言うと、マスターは店の前を見て、倉庫を見て確かにと頷いた。


「あんたすごいな。ちょっと驚きだぞ。ではサインを。またよろしく頼むぜ。そうだ名前を教えてもらってもいいか?」

「洋平と申します。」

「変わった名前だな。よかったら今度飲みに来てくれ。サービスするからよ」


と言って一つ目の依頼は無事クリアだ。

二つ目は部屋の掃除。これも別の酒場の依頼だった。冒険者が暴れて店をめちゃくちゃにしたらしい。おれは壊れた物と使える物に分けて店を掃除ピカピカにした。一時間位かかった。これで二つ目もクリアだ。

三つ目はっとここだな。


「すいませーんギルドで依頼を受けてきた者ですが~」

「あ~はいはい。よく来てくれなすった。


出てきたのは老人だ。めっちゃいい人そうな顔をしている。


「こっちじゃ、ついてきてくれ。」


そういって隣の建物に着いた。


「ではよろしくお願いしますですじゃ」

「わかりました。終わりましたらまた伺います。」


俺が受けた三つ目の依頼は家の解体だ。とりあえず好きなように壊していいらしい。俺は梁を抜きちょいちょいっと壊した。真ん中の支えている物を抜けば中心に倒れていき、破片が飛び散らないのだ。これで三つ目も楽々クリアだ。

ギルドに向かおうとすると鐘が鳴り響いた。この町で時間を知らせる鐘だ。6時、12時、18時の三回鳴る。そういえばちょっと小腹が空いたな。何か食べてから行くか。俺はギルドと反対方向に行き商店街に来た。ここは様々な物が売っている。露店が多い。さっきバル達からもらった金もあるからな。ちょっと贅沢していこう。と思うとある店に興味をひかれた。


「いらっしゃい。何かお探しで?」

「いや、ちょっと珍しかったので。これはなんですか?」


俺は黄色い石のついたペンダントを見せて店員に聞く。


「これはストーンペンダントだ。石のペンダントの上位版だな。Dランクで値段は銅貨20枚だ。」

「全部買った!」


俺は宝飾屋でストーンペンダントを2つと石のペンダント5つを購入した。さすがにペンダントをじゃらじゃらさせてる訳にもいかないので、小さいポーチを買いそれに詰め込んだ。露店には色々な物が売っていた。ミサンガがあり魔法耐性に効果があるアクセサリーらしい。毒耐性、麻痺耐性、様々だ。一度効果を無効にすると切れるらしいが。毒見とか色々つかえそうだ。中でも高いのがハートのミサンガ(女性用)だ。カラフルなハートがついていて可愛い。一度だけ致死ダメージを受けても無効にしてくれるのだ。暗殺の危険がある。貴族や王族が買うらしい。値段は金貨1枚だ。あとは状態異常をなんでも一度だけ無効にしてくれる万薬のミサンガ。これは銀貨50枚だ。アイヴィのプレゼントにはぴったりだな。

露店を眺めていたら結構な時間がたってしまった。やはり見慣れない物は面白い。俺はケバブみたいなのを胃に放り込み、ギルドへ戻った。カウンターに居る女性に依頼の完了のサインを貰った依頼書を三枚出す。


「依頼の報告ですね。って洋平様じゃないですか。覚えてますかライラです。あの冒険者ギルドの説明をしたって覚えてますか?」

「あぁその説はお世話になりました。なんか色々あったみたいで。」

「大変ですけど頑張ってくださいね。ギルドの説明も中途半端で終わってしまいすいません。今説明しましょうか?」

「実践で経験した方が早いでしょう。特に必要な事があれば教えて頂きたいですが。」

「依頼は一度に3つまで同時に受けられます。依頼を受ける時と報告する時はプレートの提示もお願いします。あとはーそんな感じですかねー」

「わかりました。これでランクアップするんですよね?」

「そうですね。ちょっとお待ちください。」


そういってプレートを近くの水晶に近づけ戻してくる。


「はいお待たせしました。それと今回の報酬です。3つ合わせて銅貨130枚ですね。お疲れ様でした。」

「ありがとうございます。ではこのままDランクを受けていいんですよね?」

「そうですね。Dランクからは魔物との戦闘もありますので注意してください。Dランクに上がるときに昇段試験もありますから、それまでは戦闘を避けていくのが普通ですね。Eランクは一か月に4つのDランクの依頼をクリアすることで昇段試験を受けれますので、頑張ってくださいね。」

「わかりました。ありがとうございます。」


よし。無事にEランクになれたぞ。これで課題はクリアーだ。Dランクに上がるには4つクリアしないといけないのか。一度に3つしか受けれないから、一度では終わらないな。とりあえず掲示板の前に行き、依頼を眺める。

薬草の採取、・・・ってこれしかねぇ。

あ、あった壮力草の採取って採取ばっかじゃねーか。仕方ないからこの二つを受けるか。


「ライラさんこれお願いします。」

「はい。薬草の採取と壮力草の採取ですね。この依頼はギルドからの依頼となります。採取してきたらここまでお持ちください。各1つづつで結構ですのでよろしくお願いします。」

「場所はどこらへんで取れるんですかね?」

「メルヴィルの森で両方取れますよ。メルヴィルはウィンストハイムから北に行った所にあります。森にはモンスターも出ますので気を付けてくださいね。薬草等の見分けは出来ますか?」

「はい。大丈夫です。では今からサクっと行ってきます。」

「それではお早いお帰りをお待ちしております。」


薬草と壮力草は茎の太さと葉の数が違う。図鑑で調べたから大丈夫だと思う。俺は城下町を後にしメルヴィルの森へ向かう。俺がこの世界で最初に降り立った場所だ。森と平原の境だった。



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