セブンスネーク
ちょっと長いです。
朝、日の光で目覚めると俺は目を疑った。俺の部屋に誰か居る。小さい体で猫耳をピンとさせ尻尾をふりふりして俺のシルバーにまたがってなにやら興味深く調べている。
「触るなバカ猫」
「にゃ!」
そう言って首根っこを掴んで部屋から放り出した。するとすぐにドアが蹴破られる
「よーへーそれはなんなのにゃ!?」
「シルバーだ」
「それはお前の世界の物かにゃ?」
「そうだ」
「触ってもいいかにゃ?」
「以後禁ずる」
「そこをなんとか・・・にゃ」
「だが断る!」
「にゃ~ん」
尻尾が垂れ明らかに落ち込んで階段を降りて行った。下からは美味しい匂いがしている。俺も身なりを整え、部屋の扉ととりあえず立て掛け、下に降りていく
「おはようございます」
「洋平殿、おはようございます。先程何か物音がしましたが大丈夫ですか?」
「部屋に野良ネコが居たんで追い払いました」
「よーへー」
「ダメだ」
シルバーは大切な相棒だ。アイヴィになら触ってもらってもいいがセリーヌはダメだ。バラバラにして元に戻せなくなる可能性がある。だがこれはチャンスか、こちらが優位に立つチャンスなのではないか。まぁ触らせなければ問題は無い。その一歩手前か
「今ちょっと欲しいモノがあるんだよねー、それをくれたら見るだけならいいかなー」
「なんなのにゃ?」
「石を掘る道具とかって無いですかね?」
「何をするのにゃ?」
「創造します。」
セリーヌの目の色が変わった。シルバーの見学が出来るのと俺の創造する様子をみれるのだから、研究対象にしてはもってこいだろう。まぁ俺の創造はたいした事ではないんだが。
セリーヌはポケットから様々なポータルストーンを取り出し二つ掴み家を出て行った。
「行動が早いな」
「洋平は何をするつもりなのですか?」
「昨日俺が作った石を使って何か彫ってみようと思ってるんです。」
「それが洋平の居た世界の物を創造するということですか?」
「いや、そこまで大それた事じゃないです。まぁ文字を掘ったり位ですかね今は」
セリーヌが居ない事をいいことに二人で楽しく朝食を頂く。食べ終わって午前の魔力操作の練習とアイヴィと二人でする。セリーヌはまだ帰って来ない。昼食を食べ終わり。午後の授業の前に二人で紅茶を飲み一休みしているとセリーヌが帰って来た。手には持ちきれない程の道具を持っている。
「これで満足だにゃ?」
凄い。これは様々な大きさの彫刻刀のような物とノミとハンマーまであとはやすりが沢山の種類。とまぁめっちゃある。これなら俺の世界の部屋とそんな変わらない道具の品ぞろえだ。リューターはさすがに無いが。ってそれっぽいのはある。
「これはどう使うんですか?」
「知らないにゃ。知り合いの鍛冶屋に行って石を加工する道具を全部買って来たにゃ。これで文句はいわせないのにゃ!」
「まぁこれだけあれば十分過ぎますね。」
「では早速行くのにゃ」
と言って階段を駆け上がって行く。俺とアイヴィもすぐに後を追う。
部屋に入ると食い入る用にシルバーを観察するセリーヌが居た。
「お前たちは午後の勉強をするのにゃ。僕はここから動かないのにゃ。アイヴィ紙とペンを持ってくるのにゃ。」
「はいここに」
それを受け取るとシルバーをスケッチし始めた。しょうがないのでアイヴィと一緒にその隣で勉強を始める。
「まずは昨日の復習から始めましょう。」
「もう全部覚えましたよ」
「え?」
「良いところを見せようと思って昨日の夜勉強してました」
「なるほど、ではこの文章を読んでみてください。」
「え~っと、汝、我の力を求める者よ、その聖杯の中の水の上に火をつけよ。さすれば我が力貸し与えん」
「一日で読めるなんで凄いですね」
「教える人が上手いですからね」
「そんな・・・」
いいねぇこの反応。たまんねぇなぁおい
「んっと今日で読めるようになるとは思って無かったもので。次は何の勉強にしましょうか。何か聞きたい事はありませんか?」
「じゃあ魔道具について聞きたいです。」
「私もあまり詳しくは無いのですが、まぁ一般論として聞いてください。魔道具とは使用者の精神力を使い様々な魔術を使う事が出来る物です。強力な魔道具程消費する精神力が多くなります。魔道具は古代兵器の技術を応用したものの総称で、魔道具と古代兵器は一緒のランクづけがされます。ランクにはD~SSS、ランク外まであります。武器や防具にもランクがありますが、魔力を付加してあるものは魔道具に分類されます。魔力が付与してない武器等はランク外になる事が多いです。職人が作った物は魔術師が核となる魔石に魔力を込め魔力を付与するのが一般的ですね。そのペンダント等はDランクで、日常生活で使う事の多いモノがほとんどです。Cランクは性能が違います。使用限度数が多かったりですね。まぁたまにCランクの古代兵器がありますが、これはユニークなモノで大した価値が無いモノがほとんどです。Bランクになると戦闘で使えるクラスな感じですね。Aランクになると古代兵器が多く出てきます。強力な魔術を使えるようになるので冒険者はAランクの魔道具を一つは持っていると戦闘がかなり楽になります。古代兵器には使用限度数がありませんが、低ランクの魔道具には使用限度数があるのであまり多用は出来ないですけどね。Sランクからは魔道具はほとんどありません。数もそれほど多くなくSSSランクになると一つで国家戦力を同程度の力を持つと言われています。SSSランクの古代兵器は3つしか確認されていません。しかしどれも文献や壁画のみなので存在するかどうかはわかりません。一番有名なのはエーテリオンですね。使うと城一つを更地にする威力があるとされています。とまぁ私の知識だとこんなものですかね」
「じゃあ俺が古代兵器を沢山持てば最強なんですね?」
「ここにバカが居るのにゃ」
「なぬ?」
「しょうがにゃいから補足してやるのにゃ。まず古代兵器は同じものは二つとないのにゃ。その数は多くは無いのにゃ。そしてどれも普通には手に入らないのにゃ。国の宝物庫や遺跡や迷宮にしか無いのにゃ。Sランク一つ手に入れば普通は国に売るのにゃ。そうすれば遊んで暮らせるだけのお金が手に入るのにゃ。だから市場には滅多に出回らないし、普通の人には手に入らないのにゃ。よーへーは諦めるのにゃ」
「にゃるほど・・・」
じゃあ魔道具を集めるってなればそこそこ戦えるのか。でも使用限度数があるならそれだけに頼った戦いかたは出来ないな。やはり現実的ではない。あくまで戦闘補助か。いや高ランクなら・・・
「古代兵器かぁ・・・見てみたいなぁ」
「セリーヌ様も持ってますよ」
「なん・・・だと・・・」
「アイヴィ。余計な事は言わないのにゃ」
「見せてくれ」
「ダメにゃ」
「見せてくれたらシルバーに触ってもいいですよ」
「持ってくるから待ってるにゃ」
扱いやすい。しかし古代兵器は見てみたい。これを見ずして帰れるか。シルバーのキーは抜いてるから、動くことは無い。まだ大丈夫だ。
「これだにゃ。」
「なんだこれ。」
「マジックハンドと呼ばれる古代兵器だにゃ。Cランクだにゃ。」
「これ知ってる。Sランク以上じゃないと認めん」
「にゃに~。にゃー・・・」
考えてるな。てかこのマジックハンドはまんまじゃん。古代兵器でもなんでもねーし。俺でも作れるわ。これ量産すれば金持ちか。片手で使えるようにすれば売れる気がする。今度作ってみるか。創造師だしな。
「これだにゃ」
「持ってるんかい!」
「これはSSランク。操虫鎧シリーズの一つ。セブンスネークだにゃ。」
手袋と言うか手甲だな。指先一つ一つが蛇になってる。指5本で5匹しか居ないけど、なんで7なんだ。
「つけてみてもいいですか?」
「ダメに決まってるにゃ!」
「だろうな。簡単に説明してくれると嬉しいです。」
「つけると指が蛇になり、7匹の蛇を操る事が出来るのにゃ。」
「指は5本しかないですけど?」
「あとの二つは手のひらから伸びるやつと、使用者の精神力を食らうやつだにゃ。」
「動いてるのが見たいです。」
「結構な精神力を使うから滅多な事では見せれないのにゃ」
「じゃあ触るのもダメですね」
と言うとセリーヌは手甲をはめ、5匹の蛇が俺に襲ってきた。蛇は俺の首と両手首と両足首を締め上げ宙に浮かした。首が全部潰れそうだ。
「セリーヌ様!!」
「もういいかにゃ?」
「わか・・・り・・・まし・・・た」
死ぬかと思った。
「カハッ」
「大丈夫ですか?洋平殿?セリーヌ様もやめてください!」
「アイヴィは随分よーへーの肩を持つのにゃ。好きなのかにゃ?」
「そんなっ!違います!!」
はっきり否定せんでもええやん。顔真っ赤だけどな。
「バカ猫め。覚えてろよ」
と言うと蛇が目の前で舌を出してチロチロしてきた
「ひぃ!!」
「セリーヌ様!!」
既にセリーヌは心ここにあらずだった。シルバーを触りまくりこれでもかと見回す。
「大事に触ってくださいね。どっかを外したりとか壊したりしたらダメですよ。変な事をしたら爆発しますからね。」
「にゃんと!?」
ドライバーとかスパナ無しじゃ壊れる可能性があるな。まだまだシルバーを餌に出来そうだから。ドライバーとスパナも作っておくか。
「ちなみに買ってきた道具の中には魔道具も入ってるのにゃ。」
そうゆうのは早く言えよ。俺は下に戻り道具を抱えて部屋に戻って来た。アイヴィもシルバーを一緒に見ている。
「どれだ?」
「魔道具には核となる魔石がついているから探すのにゃ」
ペンダントについてる石の事か。リューターみたいなのについてるのを発見した。先端がドリルになっていて。直径2センチ程のでかい鉛筆みたいな感じだ。その持ち手の上の所に緑色の宝石がはまっている。緑と言う事は風の分類なのかな。
「これか。どうやって使うんだ。」
「たぶんそのタイプは直接魔力を注ぎ込む事で動かすことが出来るタイプだと思います。」
魔力操作じゃねーか。とりあえず念じる位でいいのかな。そうやってリューターを持ち念じてみる。
「シュイーン」
「おぉ!出来た」
「やりましたね。」
「アイヴィさん、ありがとう。」
これで石を削る作業も捗るはずだ。念じる強さによって回転速度が変わる様だ。軽く念じるだけでもすごい速さなのだが。
「これはランクいくつですか?あと使用限度とかあるんですか?」
「それはBランクだにゃ。大事に使っていれば壊れないのにゃ。」
「Bランクか、これで敵を突けば結構な威力になりそうだな」
「壊れるのが目に見えてるのにゃ」
だろうな。大事に使おう。Bランクだから値段も相当するはずだ。
その日の夜から俺の創造師としての仕事は始まった。インスタントで呼び出した石を持ちリューターを当ててみるとすごくすんなりと彫れる。
「こりゃあいいわ。細かい所は色々道具があるしな。まずは色々やってみるか。」
とりあえず石に文字を掘ってみる、「あいびぃだいすき」日本語で掘れば誰もわかるまい。次は何か形のあるものを。丸いからそれを生かして目でも書いてみる。大きな目を二つ。笑ってる感じの口をつけて完成。^▽^いい感じだ。そのあとも顔文字製作をした。
|д゜)
(´・ω・`)
( ;∀;)
( ゜Д゜)
(*´▽`*)
(-_-メ)
(>_<)
)^o^(
石無くなったワロス。そしていつの間にか日が昇り始めている。やばい寝ないと。
その日の特訓は午前中に魔力操作そして剣の扱い方。午後はアイヴィと授業。魔力操作が出来ないので剣の稽古が始まった。アイヴィは優しく厳しく教えてくれる。セリーヌはシルバーに熱中している。特にエンジン部分を凝視し、どのように動くのかを考えている。
「一回乗ってみますか?」
午後の授業が終わった時にセリーヌに話を持ち掛けてみた。
「是非ともお願いしますにゃ」
「では外へ行きましょう。アイヴィさん外に出すのを手伝ってもらっていいですか?」
「わかりました」
アイヴィに手伝ってもらいシルバーを外に出す。なぜそんな事をしたのかと言うと、もうガソリンが底を尽きそうなのと、俺自身乗りたくなったからだ。ここで恩を売っておけばあとで何かしらお願いごとも出来ると思っての事だ。ガソリンもそろそろ抜いておかないといけないしな。最後の走りになるだろう。
ヘルメットも無いし、二人乗りだから捕まってもしょうがないのだが、私有地だからよしとしよう。私有地なのか?まぁ文句を言うやつはここに一人も居ない。
セリーヌはどこに乗せるか。二人乗りは出来ない事は無いが結構窮屈だし、後ろに乗ると前が見えなくなるから肩車か。不安定で心配だが喜ぶからいいか。
「ではどーぞ」
俺はしゃがみ肩車を促す。素直に登って来た
「しっかり捕まっててくださいね」
「わかったのにゃ」
「髪はあんまり引っ張らないで。」
「ごめんなのにゃ」
俺はエンジンをかけ走り出す。アイヴィは家の前で手を振ってくれている。セリーヌは軽いので気にならないがちょっと暴れている。興奮しているのだろう。俺も別の意味で興奮しているが。
「風が気持ちいいぜー」
久々に言ったこのセリフ!!
湖をぐるっと一周してアイヴィの元へ帰って来た。
「すごいのにゃ!よーへーの世界の物は全部こんな感じなのかにゃ?」
「まぁそうですね。技術が発達してますから。100人乗せて空を飛ぶ乗り物もありますよ」
「それはすごすぎるのにゃ!よーへーもう一周を希望するのにゃ!」
「ダメです。次はアイヴィの番。もうそろそろ動かなくなりそうですしね。時間が無いんでもう一周したらもう動かなくなります。アイヴィカモン!!」
手招きをしてアイヴィを呼ぶ。なんか照れてるな。俺もだアイヴィ!
するとアイヴィが俺によじ登って来た。
「違う違う。アイヴィは別の乗り方で行こう。」
俺はアイヴィをシートに座れせ、俺は立ち乗りに近い状態でシートにちょとっこだけ座った。
「しっかり捕まっててね」
「はい」
計画通りさ!!アイヴィの胸が以下略
走り出すとセリーヌが走って横を着いて来た。お前そこ湖の上だぞ。負けじとスピードを速めようとするがそれではアイヴィとの時間が少なくなってしまうので、ちょっとだけスピードを上げた。するとスピードによってアイヴィの掴む手に力が入るのがわかった。背中の感触が幸せだ。俺はスピードを限界まで上げた。アイヴィは痛い位の力で掴んでくる。セリーヌもインコースを生かし着いてくる。50キロ出してるんだがな。
「ふぅ。アイヴィどうだった?」
「凄く楽しかったです。ありがとうございます」
「よーへーの嘘つきにゃ。でも走ってるのを見れたからよしとするのにゃ。」
背中が幸せだから3週もしてしまった。もうガソリンはEの所まで行ってしまった。まぁまだちょっとは走れるがもうこれっきりにしておこう。
その日の夕食の時にセリーヌから提案があった。
「よーへーは空を飛ぶ乗り物があると言ったにゃ」
「はい。とても大きい乗り物です。」
「よーへーの世界にはまだまだ沢山そうゆうのがあるのかにゃ?」
「そうですね。この世界に無いものとすれば電気というものがありますね」
「なんなのにゃ?」
「ちょっと説明が難しいですねー。俺もあんまよくわからないんで説明がうまく出来ないかもしれません。」
「明日からよーへーによーへーの世界の物を教えてもらう時間を作りたいのにゃ。」
「なるほど。確かにそれはいい案ですね。俺もここに来てから何も力になってあげれないので、ありがたい提案です。」
「では明日の午後からその時間にするのにゃ」
「アイヴィさんとの授業は?」
「もう洋平は文字が読めるのだから自分で勉強すればいいのにゃ。わからない事をアイヴィに聞く位でよーへーは出来ると思うのにゃ。よーへーは出来る子なのにゃ!」
褒められた。褒めて伸びる子!
「ということで、僕からよーへーに本を貸してあげるのにゃ。」
「これは?って自分で読めるか。え~っと魔道具辞典と古代兵器辞典。植物辞典って辞典ばっかだな。あとは12環物語。7精霊伝。光と闇の戦争。時の魔術師。アスラ英雄伝。ガガ族の秘宝。アルベルトの冒険。こんなに沢山、ありがとうございます」
「全部読んだら次のを貸すにゃ。オススメばかりだにゃ。その中から元の世界に戻る方法の手がかりもあるかもしれないにゃ。この世界の解釈とよーへーの解釈では違う見解もあるから感想は聞きたいのにゃ。」
「元の世界に戻る方法があるのですか?」
「それに近い解釈が出来るかもしれないというだけにゃ」
「なるほど、本を読むのは好きなので早めに読んでみますね」
「ということなのでよーへーを僕の弟子として正式に認めるのにゃ」
今まではなんだったんだよ。今日を境にセリーヌとの壁が一つなくなった気がする。
次の日から俺の授業の時間が始まった。
「えーでは授業を始める前に、俺はこの世界についてまだまだ知らない事があります。授業の中でそれはこの世界にもあるというような物があったら遠慮なく言ってほしいと思います。」
「はーい」
「にゃーい」
「では授業を始めていきます。今日はシルバーについで勉強しましょう。」
俺はバイクのリミッターを外したり改造をしたので内部構造までしっかり把握している。
「実物があった方が説明がしやすいですね。アイヴィさん持って来て下さい。」
「はーい」
アイヴィにシルバーを持って来てもらいガソリンを抜く為に逆さにして水筒の中にガソリンを詰め込んだ。
「この臭いがなんだかわかりますか?」
「わかりません」
「嗅いだこともないのにゃ」
やはりセリーヌが知らないとなるとこの世界では原油すら掘る事が無いのだろう。となるとこのガソリンが頼みの綱か。
「では内部構造について説明します。このシルバーがどのようにして動くのかを説明します。」
「質問です」
「はいアイヴィさん」
「どうしてシルバーと呼ばれるのですか?確かバイクだと説明したはずでは?」
「大事な物には愛着が湧くものです。名前を付けるのは大切にしている証拠です」
「なるほど、わかりました。続けてください。」
シルバーの由来とか聞かれなくてよかった。その後もガソリンが爆発するとかここが動いてタイヤが回るとか動力系を中心に教えてみた。セリーヌからは鋭いツッコミが多かったがすべて答える事が出来た。初日の授業としては十分だろう。
「では今日の授業はここまでとします。明日はカバーを外してもっと中の方を詳しく教えていきたいと思います。」
「ありがとうございました」
「にゃるほど。」
「あ~腹減った~」
「洋平殿は何か食べたい物はありますか?」
「あ~米だな。あとはアイス、プリン、寿司、天ぷら、味噌汁も飲みたいなー」
「米はありますけど、他のものは聞いたことがありません」
「がーん」
「じゃあ今日は米にしますか」
「わーい。ありがとうあいびぃだいすき」
「お世辞と受け取っておきましょう」
マジなんだがな。まんざらでもないだろうに。セリーヌの視線が痛いな。
今日の夕食は米が出た。堅くてパサパサであまり美味しくないはずなのだが、久しぶりに食べる米は格別だった。というか大学で一人暮らしをしているので自炊もそこそこ自信がある。今度作ってみるか。
話の文字数が均等に調節しようと思ったがめんどくさいと判断しました。




