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幼なじみ未満  作者: ねこ
3/31

3/1修正しました。

「まぁちゃん?教室に入って。」


小さな頃の私を知っている人が呼ぶ呼び方。

匠に呼ばれるのは久しぶりだ。普段は、匠が家に届け物に来ても私の前で名前は呼ばない。


ちなみに私は匠を、たっくんと呼んでいた。


さっきの「来てくれたんだ。」もあり、やはりこのメモは匠なんだろう。


このままの方が人目についてしまう。教室を見渡し他に誰もいない事だけをラッキーに思って仕方なく教室に入り扉を閉めた。


「まぁちゃん…。」


お互い話しが出来る距離まで歩み寄ると、匠に顔をじっと見つめられる。


「家のお母さんに届け物?」


手を差し出す私に匠は、否と首をふる。

唯一の心当たりがハズレますます意味がわからない。


手を引っ込め小首をかしげていると、匠は思いもかけない事を聞いてきた。


「まぁちゃん彼氏や好きな奴いる?」


「…は?」


なんでだ?たっくんに関係ないだろう。大きなお世話だ。


「俺と付き合わない?」


黒板を見つめながら、そう匠が言った。

言われた私は、すぐに言葉の意味がわからなかった。


その時…


「たっくみ~。って、あれ?」


元気よく扉が開き匠の友達三人が教室に入ってきた。


「えっと…。じゃあサヨウナラ。」


チャーンスとばかり固く棒読みで言い捨てて、逃げるように私は教室を飛び出した。


「うわっ!!ちょ…やめろ~!!」


扉が開け放たれたままの教室からは、友達らしき叫びが聞こえてきた。


それは、私には無関係とばかりに一人急いで家に帰ったのであった。



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