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教室の中にいた人は、容姿端麗で成績も上の方らしく、運動も楽しそうにしている。
おまけに、背も高くスタイルも良く人あたりも良く人気もあるクラスメイト。
谷沢 匠だった。
確かに谷沢だ。
けれど、学校で私との接点は何もない。
平凡そのもの、むしろ地味で奥二重に体型は標準の少し上。
運動もやや苦手で成績普通。
ネイルをすれば爪が重苦しくなり、メイクすれば肌が重苦しくなり、眉を整え無色のリップクリームと日焼け止め程度の私。
名字までも佐藤と平凡な私に、なんの用があるのかわからない。
けれどメモ用紙は、確かに私の靴の中にあった。
家も近い方なので、私達が小さな頃から母親同士は仲良しだ。お土産や美味しい物とかお互いに、頂いたり届けたりしている。
なにか家から預かり物でもあるのか?
じゃあ、自分で家のピンポン鳴らせばいいのに。
呼び出してまで、学校で私に渡さなくてもいいじゃない。
荷物が増えるの嫌だ。
心の中で一人ぶつぶつ文句がこぼれてしまう。
何せキラキラ目立つ谷沢に私は、学校であまり近付きたくなかった。