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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

無性に食べたくなる

作者: 日暮蛍

帰り道、こんなうわさ話が聞こえてきた。


「聞いた? あそこの曲がり角に新しいスーパーができたらしいの。」

「本当? 早速行ってみましょう。」


特に興味は無かったのでそのまままっすぐと家に帰った。



◆◇◆◇◆



帰り道、こんなうわさ話が聞こえてきた。


「聞いた聞いた? あそこのスーパーで販売中止になったスナックが売ってるらしいよ。」

「本当か。行ってみようぜ。」


どんなお菓子か気にはなったがスーパーに行く為に道を引き返す気はなく、代わりにコンビニで別のスナック菓子を買って家に帰ってから食べた。



◆◇◆◇◆



帰り道、こんなうわさ話が聞こえてきた。


「ねぇ聞いた? 新しく出来たあそこのスーパーで売ってるメンチカツ、すっごく美味しいらしいの。」

「あら本当? 早速行ってみましょう。」


メンチカツにかなり心惹かれたがやはり道を引き返すのが面倒に感じ、代わりにコンビニでメンチカツを買って家に帰ってから食べた。



◆◇◆◇◆



帰り道、こんなうわさ話が聞こえてきた。


「なぁなぁ。あそこのスーパーででっかい魚の目玉が売ってるらしいぞ。」

「本当かよ。行ってみようぜ。」


魚の目玉だけとは珍しいなと思いながらもそのまままっすぐ家に帰った。


だが翌日、魚の目玉が食べたくなってしまった。食べたくてしょうがない。

時々行くスーパーで頭つきの魚を買い、家に帰って塩焼きにして目玉だけを取り出して食べて残りは明日食べようと冷蔵庫の中にしまった。



◆◇◆◇◆



帰り道、こんなうわさ話が聞こえてきた。


「おいおい聞いたか? あのスーパーで生食用のレバーが売っているらしいぞ。」

「本当かよ? 気になる。行ってみるか。」


生食レバーって売っていいのか? そう疑問に思いながらもそのまままっすぐ家に帰った。


だが翌日、生レバーが食べたくてしょうがなかった。

レバーレバー生レバー。

衝動のままに時々行くスーパーで加熱用のレバーを買い、家に帰ってそのまま食べてしまった。

当然腹を壊し、数日間苦しんだ。

どうして生のまま食べたのか自分でも分からなかった。



◆◇◆◇◆



帰り道、こんなうわさ話が聞こえてきた。


「なんと聞いてちょうだいな。あそこの曲がり角のスーパーで人の肉を売っているらしいの。」

「えぇ本当? 買ってみようかしら。」


それを聞いてギョッとして声がした方を向こうとした。


「あなたもどう?」


だけど、その言葉が自分に向けられたかのように感じ、そう思った時には言い表せない恐怖を感じ、人肉の話も相まって振り返らないまま脇目も振らずに家に帰った。


だが翌日、人肉の話が頭にこびりついて離れない。

人肉人肉人肉人肉人肉。

食べた事がなく食べてはいけないと分かっているのに気になって気になって仕方がない。

帰り道、いつもの道から外れて無意識に曲がり角に足を向けていた。

人肉人肉人肉人肉人肉。うわさでは曲がり角のスーパーで売っている。

しかし曲がり角にはスーパーなど無かった。

途端、強い飢餓感と不安が襲ってきた。

人肉人肉人肉人肉人肉。どうすれば手に入る。

頭の中ではそればっかり。

それでもこのまま立ちっぱなしは無駄に時間が過ぎていくだけ。家に帰ろうといつもの帰り道に戻った時、多くの人達が歩いているのが目についた。


次の日、時々行くスーパーで包丁を買った。

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