振られてたのでVTubeプロゲーマーになりました。
「ごめんなさい。別れましょう。」
突然だった。中学校の卒業式の前日に俺、雪野慧人の恋人、「霜月愛花」に校舎裏に呼び出され、別れを告げられた。
突然の事で、頭が真っ白になってしまった。
「な、なんで?」
「...ごめんなさい。」
愛花はそのまま走り去ってしまった。理由も言わずに。
俺は、後を追うことができなかった。その日は家で、ずーっと何が悪かったのか、どうすれば良かったのか...そんなことを考えていた。結局、答えは見つからなかった。
その日から、俺は愛花を忘れるように、ゲームに熱中した。高校の勉強もしっかりとやりながら。RPGや、バトロワ、色んなゲームをやった。あるゲームでは、大会で優勝することも出来た。
そこで、とあるゲーム会社の方の目に止まったようで、その会社「GAMELIFE」に、「プロゲーマー」として働くことになった。まだ高1だったが、両親もゲーマーだったので、「羨ましいなぁ!このこの!」と軽くつつかれながら、快く了承してくれた。因みに、仕事の内容としては、
『どのようにしたら誰でも楽しめるようなゲームが作れるか、意見を出す。』
『できたゲームをテストプレイして、改善点や良い点をまとめる。』
『VTuberとして、TheyTubeで配信をする。』
この3つが俺に与えられた仕事だ。
VTuberを始めてまだ半年だけど、チャンネル登録者は200万人を超えている。色んな人とコラボもした。
しかも、hyperchatという機能で、月に80万程稼いでいる。さらに、俺が意見を出して、大幅に改善したゲームが大ヒットし、7500万本も売れたらしい。これで父と同じくらい稼げるようになった。(父は年収2000万程で、株も持っているからそれ以上に稼いでいる。)
ちなみに、学校で俺がVTuberをやっている事は1人しか知らない。俺の親友であり、ゲーマーである、佐藤龍真だけだ。
俺が龍真にVTuberやってる事を言った時の顔が面白かったので今でも覚えている。
言い忘れていたが、俺のキャラは『レイン』という名前で、服が水色と白を基調としたもので、150cmくらいの子供っぽいものになっている。顔は俺のリアルの顔に似ている。
...俺寝起きなのになんでこんな説明してるんだ?
「...学校行くか、そういえば今日始業式だったな。」
不意に玄関のインターホンが鳴った。画面を覗いてみる。
『おーい!慧人!学校だぞ今日!早く出てこい!』
龍真がめちゃくちゃ騒いでる。こいつ本当に陽キャだな。
『はいはい、今行くよ。』
俺は玄関を開け、龍真と一緒に登校した。