城の勇者達は。
七話目ね。
Twitterで頑張るとか言ったのに遅くなりました。
ごめんなさい。
初めての他者視点で、短いです。ごめんなさい。
もう少し歯応えのある作品を目指します。
…細川くんが追い出される。勇者としての素質が無いから、と言って連れていかれる。
後から私は、それを止めておけば良かった、と後悔している。その時の私は、余りに速い話の展開に混乱し、唖然として動けなかった。無力だった自分に、幻滅する。
彼は、細川くんは、無能と言われたまま、城壁の外へ追い出されたのだ。大事なクラスメイトを、
助けられなかった。
「……」
---------
王様は、細川くんを追い出した後、有無を言わせない迫力を持って言った。
「これより、大広間にて、詳細なステータスや職業の確認ができる。では、良い結果を期待しているぞ。」
そういって王様は去っていった。
「では皆さま、こちらでございます。」
執事さんに着いて行く。
「皆さまはまず、順番にこのカードに血を一滴、お願いします。そして、指示された人の所に行き、その人の指示に従ってください。では、こちらへ。」
奥に四人の男女が居たが、紹介はなかった。
そして、一人ずつ血を垂らしていく。指を刺すのに抵抗がある人も居た。それはほとんどの人がそうだった。
そうして私の番が来た。カードに血を垂らす。
「おぉ!これは凄いステータスです!回復魔法が得意な魔術師ですかね。では、あの右端の女性のところへ。」
言われた通り、右端の女性へ向かう。
彼女は黒のとんがり帽子に赤っぽいローブを纏った女性で
美しさと強さが混同して見えた。
「いきなりだけど、ステータスを見せてちょうだい。」
「こんにちは。あ、どうぞ。」
一応挨拶をしてからカードを渡す。
「ふーん。あなたは凄い才能の様ね。ステータスは宮廷魔術師と軽くタメ張ってるわね。」
そんなことがあるのか、と聞こうととしたら、
「おぉぉ!?何ですかこのステータス!騎士団長と同じか、それを少し超えてるかもですよ!」
そんな紹介を受けたのは、自信過剰気味なイケメンの立川京介だ。腰巾着たちもそれなりに良い評価だったが、この反応は初めてだ。
「ありがとうございます。勇者として、魔王討伐任務、必ず成功させましょう。」
当然だ、と言わんばかりの彼。というか、そう。私たち勇者は、魔王討伐の任務がある。
「なるほど。彼は少しだけ自信過剰かもしれないわね。まぁそれを彼に言っても、プライドを刺激するだけの、タチが悪いタイプね。」
凄い。さっきの彼の一言から、そこまでを察せるなんて。
「すみません。ところで、あなたはどう言ったお役目の方なんですか?」
「そうだ、自己紹介がまだだったわね。私はセレナ=アールスよ。一応アールス家の長女で、貴族だけど気にしないで。
仕事は治療専門の宮廷魔術師。たまに新人の指導役もしているわ。」
そうか。だから私はこの人に回されたのか。さっき魔術師がどうたら、とか言ってたからね。
「私は貴女の先生にあたるから、よろしくね。」
セレナ先生は手を差し出して来た。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
私たちは握手を交えた。
ーーその後、私の他に五人がここに呼ばれた。
寡黙な図書委員だった鏡野くん。
活発な茶髪女子の稲沢さん。
黒髪な眼鏡系男子の古閑くん。
元気な問題児こと東山くん。
物静かで影が薄い桐島くん。
そして私、鎌月鈴乃。一応クラス委員長ね。
これからはそれぞれの講師の元、剣術や魔術など、各々に合った技を教わっていくそうだ。
彼は、細川くんは大丈夫なんだろうか。
そして、私達も。
ブックマークとか感想など下さい。
作者は狂喜乱舞します。